人里での積雪記録は8メートル18センチ、多分世界記録
冬型の気圧配置が強まり、日本海側では大雪となっています。
日本海には気温が非常に低い寒気団が凍っていない海の上を通過する時に大気が不安定となってミニ台風(ポーラーロー)が発生していましたが、東北地方を通過して太平洋に抜けました。
山沿いを中心とした大雪へ
日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となって寒気が南下し、日本海側の沿岸部も大雪となっていた状態から、山沿いを中心に大雪となるみこみです(図)。
各地の積雪は青森県酸ヶ湯で3メートル、鳥取県大山では2メートルを超えています。
2月11日23時現在の積雪
青森県酸ケ湯 3メートル 2センチ
福島県桧枝岐 2メートル59センチ
山形県肘折 2メートル53センチ
鳥取県大山 2メートル45センチ
新潟県津南 2メートル13センチ
福島県只見 2メートル 7センチ
山形県大井沢 2メートル 5センチ
西日本を中心に平年の約4倍の積雪となっていますが、積雪の記録には上があります。
人里での積雪世界一
昭和2年(1927年)の新潟県中頚城郡寺野村(現在の上越市)では、40日間も雪が降り止まず、2月13日に積雪が8メートル18センチに達しています。
測候所所在地などの正式な観測点ではありませんが、当時の高田測候所の新潟県気象報告の中で「寺野27尺(8メートル18センチ)」という記載があり、信頼できる数値と考えられています。
これが、日本での人里での積雪の記録です。そして、多分世界記録です。
南極や北極など、8メートル以上の積雪がある場所は少なくありませんが、そこは人が定住していません。日本は、世界的に見ても、人が定住している場所での積雪が多い国です。
また、昭和20年2月12日に国鉄(現在のJR東日本)の長野県森宮野原駅で7メートル82センチの積雪を観測しています。森宮野原駅は、新潟県との県境にある長野県北端の駅です。
人里での積雪の記録は8メートル位といえるでしょう。
ただ、昔の話です。
近年は、これほどの積雪はなくなりましたが、車社会が到来したことから雪害には弱くなっています。
昔とは違って、雪害には弱くなっているとの認識で警戒する必要があります。
人が定住していない場所では11メートル超えの記録
人が定住していない場所では、これより大きな積雪が観測されています。
例えば、平成13年3月まで滋賀県伊吹山の山頂付近に伊吹山測候所があり、昭和2年2月14日に11メートル82センチの積雪を観測しています。
昔は、天気予報のために人が定住していない高い山に測候所を置き、有人で気象観測等をしていました。伊吹山測候所の積雪の観測は、目盛のついた長い棒を建て、少し離れたところから望遠鏡で目盛を読み取るという方法で行われました。