大雪の後の気温上昇、注意すべきは「融雪」「雪崩」に加えて「地滑り」
冬型の気圧配置が緩み、移動性の高気圧が日本の南海上を進む予報です。
移動性高気圧の縁辺を暖気が回り込むことから、西日本から東日本では気温が上昇し、暖かい木曜、金曜になりそうです(表)。
福岡の16日の最高気温18度は4月上旬、東京の17日の最高気温19度は4月中旬の気温です。
大雪あとに気温が上昇すると、融雪と雪崩に注意が呼びかけられますが、地すべりにも注意が必要です。
大雪のあとの気温上昇
雪融け水は、徐々に雪が融ける場合は、春先の農業用水などで有効に使われます。
しかし、融雪が急であったり、雨が加わると、大雨が降った時と同様な災害、融雪洪水が発生します。
融雪が進むには、気温が高いことが一番大きく、降雨による融雪は0℃以上の雨であってもそれほど大きくありません。
日本海を発達中の低気圧が通過するときや、日本海沿岸と太平洋沿岸を2つの低気圧が並んで通過するときなど、日本付近で強い南風が吹いて気温が上昇する場合には融雪が一気に進みます。
また、大雪のあとは、雪崩が起きやすくなります。
16日から17日にかけての天気が、まさにそれです。
このため、融雪と雪崩に注意が呼びかけられますが、地すべりにも注意が必要です。
地すべりは、山地などで斜面を構成している岩石や土壌が、日々の変化が追える程度の早さで(極めて緩慢に)、斜面下に滑り落ちる現象のことです。土中の粘土が水を吸うと、一種の滑材となり、地すべりを助長するので、雨があると誘発されると言われますが、現象に多様性であるため、大雨が降ったからといってすぐに発生するものでありません。遅れて発生することがあります。
融雪の時期には、水がゆっくりと地面にしみこんで、思わぬところで地すべりなどの誘引となることがあります。
大雪のあとの気温上昇は、まず融雪と雪崩に注意ですが、地すべりなどの土砂災害に対しても注意が必要です。
大雪のあとの気温上昇のあとの雪崩
移動性高気圧が通過後、日本海の低気圧に伴う寒冷前線が南下して寒くなり、再び冬型の気圧配置となって日本海側の地方では雪となります(図2)。
今回は、大雪のあとの気温上昇のあとの雪です。
大雪の表面は日中の気温上昇で融け、夜の寒さで固まって氷状態になっています。その上に雪が積もることになりますので新しく積もった雪は滑りやすくなります。
つまり、雪崩が発生しやすい状態ですので、雪が多く積もっているところでは、雪崩に対して、より一層の注意が必要です。