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F35A戦闘機の米空軍への実戦配備が2016年に早まる

JSF軍事/生き物ライター
米空軍よりF-35夜間飛行

5月31日に発行されたアメリカ国防総省の議会向け報告書によると、空軍のF-35A戦闘機の初期作戦能力(IOC)取得はこれまでの2017年予定から1年前倒しされて2016年12月まで(8~12月に予定)に宣言される事になりました。F-35AのIOC取得は2019年以降に遅れる可能性が指摘されていた中で、決定された予定表は逆に早まる事になります。海兵隊の垂直離着陸型F-35Bは2015年12月までにIOC取得宣言予定で、海軍の空母艦載型F-35Cは2019年2月までを予定しています。

  • F-35B 2015年12月までにIOC取得
  • F-35A 2016年12月までにIOC取得
  • F-35C 2019年02月までにIOC取得

※ブロック3Fソフトウェアの完成は2017年8月を予定

これまで海兵隊はソフトウェアが未完成な状態のブロック2B/3IのままIOC取得、空軍と海軍は完全版ブロック3Fの完成を待ってからIOC取得を宣言する予定でしたが、空軍は海兵隊と同様にブロック2B/3Iの状態でIOC取得する計画に変更しています。国防総省はF-35戦闘機は2B/3Iの状態でも既存の戦闘機より強力であると評価しています。

ブロック2Bと3Iは一部の能力(短距離空対空ミサイルの運用能力など)が制限された状態です。2Bと3Iはほぼ同じもので、3Fが当初のIOC取得用の完全版となる予定でした。なおソフトウェアの更新は3Fで終わりではなく、ブロック4、ブロック5と、2年に1回のペースで新しいバージョンが登場し、既存の機体も書き換えられていく予定です。2B/3Iで生産した機体も3F以降にソフトウェアを書き換え可能です。

なお5月23日に国防総省より発表された報告書では、F-35戦闘機計画の全体のコストが45億ドル下がっていました。これまで増えるばかりであったコストが初めて減少に転じ、明るい兆しが見えています。

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※航空自衛隊が取得するF-35A戦闘機は最初の1年間はアメリカで訓練する為、滞在中にソフトウェアを2B/3Iから3Fに書き換えるので十分に間に合います。

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人戦闘兵器、オスプレイなど、ニュースに良く出る最新の軍事的なテーマに付いて解説を行っています。

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