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Cloud 2.0。これからのクラウドの主役はエンタープライズに。

大元隆志CISOアドバイザー
Huawei 輪番CEO兼取締役副会長 胡厚崑(ケン・フー)氏
Huawei 輪番CEO兼取締役副会長 胡厚崑(ケン・フー)氏

輪番CEO兼取締役副会長 胡厚崑(ケン・フー)氏は、HUAWEI Connect 2016で、同社のビジネスモデルが転換期にあり、クラウドビジネスの強化に対する熱い想いを語った。

ケン氏は、現在のクラウドを「Cloud1.0」と表現し、成功を収めたプレイヤーとしてGoogle、Amazon、Salesforce等の名前を挙げ、彼らがユーザに支持された要素として、ユーザに「アジャイル・イノベーション」、「ロー・コスト」、「より良いユーザ・エクスペリエンス」を提供し、従来には無かった価値を提供したと述べた。

Cloud 1.0
Cloud 1.0

そして、これからの10年で、世界は「Cloud 2.0」の時代へ進化すると言う。Cloud 2.0では、エンタープライズがメインプレイヤーとなり、業界ごとに特化した無数の「Industry Cloud」が誕生するだろうとの見解を示した。Huaweiの予測では、2025年までに100%の企業がクラウド技術を使用し、85%のエンタープライズアプリケーションはクラウドの中に存在する。そして、クラウドは「単なる雲」から、「農作物を潤す雨」のような存在へと、その価値がより高める必要性が有ると述べた。

Cloud 2.0 : 主役はエンタープライズ
Cloud 2.0 : 主役はエンタープライズ

企業はこれからの時代に備えて、ICTが単なるサポート・システムから、生産性を向上させるシステムへの「意識を変革する」ことが大切であり、更に、自らのナレッジをリフリッシュし、優秀な人材(タレント)を獲得、適切なポジションに配置し、CIOを戦略手に検討することがあると述べた。

このような世界で、Huaweiは今後の戦略において重視する要素として、以下の4つを点を挙げた。

  1. 顧客中心であること
  2. イノベーティブなクラウド技術を提供すること
  3. 顧客にとって好ましいパートナであること(Not a ベンダー)
  4. クラウドエコシステム構築を率先する

講演の最後に、ケン氏はこのスライドで締めくくった。三蔵法師が辿ったインドへの道。

Tian Shan mountain range
Tian Shan mountain range

これからの「Cloud2.0」に対するビジョンは、壮大なものであり、簡単に辿り着ける道ではない。しかし、どれほど長い旅路であっても、近道は無く、一歩一歩歩む必要がある。HUAWEIは、その一歩を今、歩み出したのだ。

CISOアドバイザー

通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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