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「あまちゃん」サントラに”あの曲”が入っていない理由

岡田有花フリーランス記者
NHK「あまちゃん」公式サイトより

「あまちゃん」絶好調

NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が好調です。朝日新聞デジタルの記事によると、5月6日までの平均視聴率は19.3%(関東)と、高視聴率を記録。主人公のあまちゃんことアキのかわいらしさや、ストーリーの明るさ、テンポのいい笑いが楽しいドラマ。主人公たちが驚いた時に使う方言「じぇじぇ」は流行語の兆しを見せ、ロケ地には多くの観光客が訪れているそうです。

あまちゃんの魅力を高めているのが音楽です。「あまちゃんスペシャル・ビッグバンド」による軽快なオープニングテーマや、80年代の回想シーンを彩るアイドルソング……楽曲を手掛ける大友良英さんが、自らのTwitterブログで書かれる楽曲解説を読むと、曲のバックグラウンドまで分かってより楽しめます。

サントラに「南部ダイバー」がない!

6月19日に、あまちゃんのオリジナルサウンドトラックが発売されます。オープニングテーマや劇伴など35曲を収録。大友さんによる全曲解説に加え、「リアス先輩」「まめぶぅ」というキャラのオリジナルステッカーも付いてくるということです。

NHK「あまちゃん」公式サイトより
NHK「あまちゃん」公式サイトより

このサントラですが、「あの曲」が入っていないと一部のファンの間で話題になっています。その曲とは「南部ダイバー」。「カップかぶれば 魚の仲間 俺は海の底 南部のダイバー♪」――第29話で、あまちゃんが編入した北三陸高校潜水土木科の男子生徒たちがこぶしを振り上げて勇壮に歌い、アキがドン引きした曲です。

なぜ南部ダイバーがないのか、NHKに聞いてみた

なぜ南部ダイバーが入っていないのか。NHKに問い合わせたところ、以下のような回答をいただきました。

サントラは、大友良英さんがあまちゃんのために作った曲を収録しています。「南部ダイバー」は、南部もぐりのさかんな岩手県洋野町周辺(主に岩手県立種市高校など)で愛唱されている歌で、作詞・作曲は安藤睦夫さん(岩手県洋野町出身の作曲家)です。違う方の曲なので、サントラには収録しておりません。

南部ダイバーは、「北上夜曲」などで知られる岩手県の作曲家、故・安藤睦夫氏の手によるもの。あまちゃんの通う北三陸高校潜水土木科のモデルとなった種市高校などで、今でも愛唱されているそう。

大友さんもTwitterで、

北三陸高校潜水土木科の歌として出てくる「南部ダイバー」。お問い合わせ多いですが、これはさすがにわたしの作ではありません。モデルになってる種市高校海洋開発科で実際に歌われている歌で、岩手の作曲家安藤睦夫さんが作詞作曲したそうです。

出典:大友良英さんのTwitter

と言及しています。

NHKに、今後発売するCDや音源などで、「南部ダイバー」が収録される可能性はあるのかと聞いたところ、

そのような予定はありません。

とのことでした。

筆者が調べた範囲では、南部ダイバーを収録したCDなども見当たらなかったので、南部ダイバーを楽しむには、NHKオンデマンドで「あまちゃん」29話を見るしかなさそうです。

[お詫びと訂正]

初出時、南部ダイバーの放送回を「第28話」としておりましたが、第29話の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

[8月7日追記]

8月28日発売のコンピレーションアルバム「あまちゃん 歌のアルバム」に、「南部ダイバー」が2バージョン収録されると発表がありました。

あまちゃんファン必聴の劇中歌コンピ「歌のアルバム」(ナタリー)

フリーランス記者

1978年生まれ。京都大学卒。IT系ニュースサイト記者、Webベンチャーを経て、IT・Web分野を軸に幅広く取材、執筆するフリーランス記者。著書に「ネットで人生、変わりましたか」(ソフトバンククリエイティブ)。

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