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『金田和之投手に聞いてみました』

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

鳴尾浜では、緑のゼッケンをつけた新人選手たちが合同自主トレで汗を流しています。初々しい姿に、おそらく1年前の自分を重ねているであろう2年目の選手たち。もう1年経ったのかという思いや、懐かしさもあるでしょうね。少し間が空きましたが、そんな2年目の選手にルーキーイヤーを振り返ってもらい、加えて野球以外の質問もする『○○選手に聞いてみました』シリーズをお送りします。

きょうは大阪学院大学からドラフト5位で入団した金田和之投手の巻。出身は鹿児島県曽於市で、昨年は鹿屋市で行われた大和選手の自主トレに参加しました。その時に福留選手、榎田投手、大和選手との“大隅半島出身カルテット”でお立ち台に!という話で盛り上がったんですよね。その夢は今も継続中。でも4人が一緒に並んで立てる台はあるかな?

悔しい思いが残った1年目

では最初に金田投手の昨シーズンの成績です。

◆ウエスタン公式戦

17試合(試当初6、交代了2)

1勝4敗0セーブ

44回 安打40(本塁打2)

三振15 四球27 死球6

暴投3 失策1

失点22(自責18) 防御率3.68

◆非公式戦(教育リーグ、育成試合等)

8試合(試当初1、交代了1)

18回 安打21(本塁打1)

三振11 四球7 死球0

暴投0 失策0

失点12(自責11) 防御率5.50

◆フェニックスリーグ(練習試合を含む)

7試合(試当初0、交代了5)

8回 安打2(本塁打1)

三振4 四球5 死球0

暴投0 失策0

失点2(自責2) 防御率2.25

まず1年目を振り返り「やはり悔しい思いが残っていますね。1軍で登板の機会がなかったし、物足りない。点数は50点です」とのこと。1軍へは8月15日に初昇格したものの、登板のチャンスなく2日後に抹消されました。1軍のブルペンで、先輩投手が出ていく緊迫感を目の当たりにし「あそこでしか味わえないものを肌で感じられた。勉強になりました」と言いますが、1球でも投げていたらまた違ったかもしれませんね。

突然の先発で好投、なのにノーゲーム

印象に残っていることは?「甲子園で投げられたこと。久しぶりに先発のチャンスをもらって」。先発は6月までに5試合、それ以降は9月11日のナゴヤ球場までありません。甲子園でも6月の2試合のみ。いつの試合?「雨でノーゲームになった試合です」。あっ!なるほど。だから記録に残っていないんですね。9月3日のソフトバンク戦(甲子園)でした。そういえば、この試合は…。「はい、白仁田さんが急きょ1軍へ行ったので、当日の朝に先発を言われたんです。ビックリしました」。スタンリッジ投手が腰痛で2日に抹消され、3日のウエスタン・ソフトバンク戦で先発予定だった白仁田投手が急きょ横浜入り。その日のDeNA戦でプロ初勝利を挙げたことはご存じでしょう。

やはり急に回ってきた、しかも6月25日以来となる先発のチャンスに金田投手も奮起します。開始当初から本降りの雨というコンディションの中、1回の先頭打者に内野安打を許すも、あとは完ぺきに抑え2回を無失点。しかし2回裏の攻撃中に中断、そのまま降雨ノーゲームとなったため「調子が良かっただけに悔しかった」と振り返ります。大学2年以来という中継ぎで2か月以上を過ごし、「1イニングに全力でいけたせいか上がってきた」という球速は、8月下旬に自己最速の149キロを記録しました。そのおかげでツーシームなどの変化球が生かせたのかも、と自己分析しています。

そんな金田投手が野球を始めたのは小学3年の時。「まだ遊びでやっていて、真剣にやり出したのはスポーツ少年団の軟式野球チーム“財部サンデーズ”に入ってからですね。最初はサード、ファースト、キャッチャー。中学からピッチャーです。一緒にやっていたバッテリーの子がリトルリーグへ行ったので、やれと言われて」。プロについては「高校は2年の秋から右ひじを痛めて最後まで投げられなかったので無理だと思いました。大学2回生の時にチャンスをもらえて、結果も出せるようになった頃に少し意識をした」そうです。

『半沢直樹』はメッチャおもしろかった!

ではおなじみの質問にまいりましょう。好きな食べ物は?「これすごく好き!と思ったものがあったんですが…忘れました。カレーにしといてください(笑い)。肉なら焼き肉とか好きです」。嫌いなものは?「ゆず」。あら、珍しい答えですねえ。そんなに遭遇しないでしょうに。でも最近はお菓子や飲み物で“ゆず風味”って多いかな。「匂いも味もダメ。レモンとか他の柑橘類は大丈夫なんですけど。あと、なすも嫌いです。煮ると柔らかくなったりして」。なす嫌いの選手は、トマトの次に多い気がします。

理想の女性は「笑顔が素敵な人。女性らしい人がいいです」とのこと。好きなタレントさんを聞くと「モデルの水原希子。美しいですね」という回答でした。最近は女優としても活躍していて、テレビでもよく見ます。ふむ、ああいうタイプですか。なるほど。好きな色は「野球の道具では赤。洋服は白、黒、グレーを選ぶことが多い」と言っていました。

「テレビはよく見ますよ。バラエティが多いですが、プロに入ってからドラマも見るようになりました。DVDレコーダーを買ったから」。それまでは?「DVDプレーヤーしかなかったんです。でも録画できるようになったので、夕方の再放送ドラマとか録って見ています。それと『半沢直樹』も。メッチャおもしろかった!」。倍返しは虎風荘でも大人気でした。

國定教授がサインを予約中です

最後に、今季の抱負を。「ことしは大卒2年目、勝負の年なので、しっかり1軍の舞台で投げることが目標。1試合でも多く、1日でも長く1軍にいられるよう頑張ります。まずキャンプで沖縄へ行く。そこからです」。母校・大阪学院大学の、硬式野球部部長でもある國定浩一教授が「1軍で本格的に投げるようになってからサインをもらう。甲子園で待ってる」とおっしゃっていました。早く実現できるよう祈っています。

人見知りで、昨年7月のフレッシュオールスターゲームでは、キャッチボールの相手探しにも苦労していた金田投手。はらはらしながら見ていると、かなり時間はかかったものの頑張って声をかけ、相手を確保したんですよ。みんなでホッとしたのを覚えています。ことしは同じ鹿児島県の後輩である横田慎太郎選手が入団してきました。ちゃんと面倒をみてあげてくださいね、金田先輩!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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