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中谷将大選手が地元・小郡で今季第5号!同級生の穴田真規選手もアマ5本目!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

28日のウエスタン・ソフトバンク戦は小郡市野球場で開催されました。ここは2011年8月13日にソフトバンクとの公式戦で訪れて以来、阪神ファームにとっては3年ぶりです。あの時は16時開始の試合で、秋山投手と原口選手のバッテリーが4安打完封勝利!秋山投手が「同級生コンビ、息ピッタリでした!投げたい球が一致した時なんか高校ん時のキャッチャーと同じ感覚!怒る時はしっかり怒ってくれて。原口ほめて下さい!」と絶賛、それを聞いて感激していたプロ初完封の原口選手を思い出します。

そして中谷選手にとっては小学3年生から所属した『みくに野ハニーズ』で慣れ親しんだ球場。2011年8月に“発凱旋”した時はルーキーでした。3番ライトで先発出場、4回には先頭で二塁打を放ち、2得点へとつなげる活躍で3打数2安打。今回はホームランで地元の皆さんを喜ばせたようですね。

中谷選手の実家は球場から車で10分ほどのところ。2001年には当時ルーキーだった西武の帆足投手(現ソフトバンク)が小郡出身ということもあって、イースタンの巨人戦が行われました。小学生だった将大くんも観戦…というより「試合はそっちのけで、友だちとファウルボールを追いかけていた」とお父さんに伺った話が忘れられません。

《ウエスタン公式戦》6月28日

ソフトバンク-阪神 15回戦 (小郡)

阪神 000 001 200 = 3

ソフ 010 003 00X = 4

◆バッテリー

【阪神】岩本-山本-●高宮(4勝3敗)-玉置‐筒井 / 岡崎-小宮山

【ソフ】○飯田(8勝)(7回)-大場(1回)-S金無英(1敗3S)(1回) / 拓也

◆本塁打 中谷5号2ラン(飯田)

◆三塁打 宮崎

◆二塁打 拓也、北條、猪本2、新井良、真砂

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中右:伊藤隼 (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .282

2]二:黒瀬   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

〃打二:荒木  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .293

3]指:狩野   (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .290

〃走指中:横田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .211

4]右三:新井良 (2-1-1 / 0-2 / 0 / 0) .286

5]三:陽川   (3-0-0 / 2-0 / 0 / 1) .245

〃打一:森田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .252

6]一:原口   (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .302

〃投:筒井   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

7]捕:岡崎   (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

〃捕:小宮山  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .140

8]遊:北條   (3-1-0 / 1-1 / 0 / 1) .239

9]左:中谷   (4-1-2 / 0-0 / 0 / 0) .185

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

岩本 4.1回 88球 (7-3-3 / 1-1 / 3.38)

山本 0.2回 9球 (0-2-0 / 0-0 / 1.46)

高宮  1回 27球 (3-2-2 / 3-3 / 2.57)

玉置  1回 21球 (2-1-0 / 0-0 / 3.60)

筒井  1回 17球 (0-2-0 / 0-0 / 2.50)

地元・小郡では初のホームラン

岩本は2回2死から7番の拓也に左中間二塁打、続く宮崎の左越え三塁打で1点を先制されます。それ以外も1回は味方エラーとヒット、3回は2死から連打、4回は1安打に2四球と毎回ピンチがありました。そして5回、猪本の二塁打に続き四球を与えたところで降板。1死一、二塁で代わった山本は亀澤と拓也を連続三振に切って取り無失点。ナイスリリーフだったようですね!

打線は、ウエスタンで秋山と並ぶ最多の7勝で勝率が10割という飯田に、3回までパーフェクトピッチングを許します。4回に2四球で初めて走者を出し、ようやく5回2死で北條がチーム初ヒットとなる左中間二塁打を放つも無得点。しかし6回、先頭の伊藤隼が左前打、黒瀬が2打席連続の犠打で1死二塁として、2死後に新井良が右中間へタイムリー二塁打!追いつきました。

と思った直後の6回裏、3人目の高宮が1死から9番の真砂にレフトへ二塁打され、2死後にカニザレスを敬遠して牧原の左前タイムリーを浴びます。続く猪本には右越えの2点タイムリー二塁打…4対3と勝ち越しされました。

でも7回に2死を取られてから北條が四球を選び、次の中谷が左中間へ今季第5号2ラン!これで1点差となったんですが、以降は追加点なし。投手陣も玉置が7回に2死から連打されながらも無失点。8回は筒井が2奪三振の三者凡退で、そのまま試合終了。飯田投手はリーグ単独トップの8勝目を挙げ、規定投球回数に達したため防御率も1.88でトップに再登場しました。もちろん勝率も、リーグ唯一の10割をキープです。

「ホームランは真っすぐです。感触はまあまあ」と中谷選手。ちなみに昨年までのホームラン合計が5本、今年と合わせて10本のうちソフトバンク戦はこれで4本。そのうち3本が福岡(春日、雁の巣、小郡)です。でも小郡市野球場では記憶にないらしく「初めてです!」とのこと。そうでしたか。でも本当に、体調も戻って元気な姿を見てもらえてよかったですよ。故郷の皆さんから花束とともにパワーをもらったことでしょう。これから打ちまくって、早く打率を2割に乗せなくちゃいけませんね。

穴田選手も同じ日に5本目

次は中谷選手と仲のよかった、というか今でも仲のいい穴田選手の話。昨年で阪神を戦力外となり、年明けから社会人のクラブチーム・和歌山箕島球友会で野球を続けています。先週からクラブチーム日本一を決める全日本クラブ野球選手権の大阪・和歌山第1次予選が始まり、ファームの本隊が遠征中とあって…またまた見に行ってきました。社会人野球はいいけど穴田選手ばっかりや~と突っ込まれそうですが、他の選手についてはまた頑張って取材させていただきますのでご了承ください。

28日は、まず朝8時51分から準決勝第1試合で箕島が大阪ウイング硬式野球クラブと対戦しました。穴田選手は7番ショートで先発出場です。

第39回全日本クラブ野球選手権大会

《大阪・和歌山第1次予選》28日(みなと堺)

◆準決勝◆

大阪ウイング硬式野球クラブ-和歌山箕島球友会

大阪 000 000 0 = 0

箕島 123 020 X = 8 (7回コールドゲーム)

打線は1回に二塁打2本で先制。2回に山口選手と穴田選手の連続ホームランで2点、3回にも荊木選手の2ランと穴田選手の犠飛で3点。5回は山口選手がソロ、9番の北選手のタイムリー二塁打で計8点を取りました。投げては先発の矢崎投手が4回をパーフェクト!2人目の高橋投手も5回に味方エラーと1四球、7回に1安打されただけで他は凡打の山。1安打完封リレーで7回コールド勝ちです。穴田選手は2打数1安打2打点。

準決勝第2試合では泉州大阪野球団がNSBベースボールクラブを2対1で破り、決勝は和歌山箕島球友会と泉州大阪野球団との組み合わせで13時53分から始まりました。箕島は、この準決勝の勝者がNSBだったら1試合目と同じブルーが基調のビジターユニホーム、泉州だと3月までメインで使っていた白地のホームユニホームだったらしいのです。でも同点のまま試合が進み、終盤に泉州が勝ち越して白を選択したらNSBが走者を出して攻めたため「また着替えなあかんかも」と見守る選手たち。結局、着替えることなく久しぶりの白地ユニホームで戦いに挑みました。

◆決勝◆

和歌山箕島球友会-泉州大阪野球団

泉州 000 001 010 = 2

箕島 300 010 22X = 8

1回に死球やバントヒット、四球などで2死満塁として山口選手が走者一掃の三塁打!5回は2死から荊木選手の振り逃げと暴投、四球などで一、二塁となり山口選手がタイムリー。なおも一、二塁でしたが7番ショートの穴田選手は左飛。一方、5回まで1安打1四球のみで無失点だった先発の辻投手は6回、ヒットとキャッチャーの犠打失策、四球で1死満塁として犠飛で1点を失います。

すると7回の攻撃で山下選手が二塁打を放ち、林選手のホームランで2点を追加。8回に箕島2人目の御田投手が3安打で1点返されるも、その裏に先頭の穴田選手が相手エラー(三塁線への打球がサードの前で高く跳ねて頭を越し穴田選手は二塁へ。しかしエラーランプが点灯。サードがグラブに当てたようで納得したものの、あとで動画を見ると触っていないような…)、犠打で1死三塁となり岸田選手のタイムリー。内野安打と盗塁2つで1死二、三塁として犠打で狭殺の間にもう1点。

9回は1試合目の先発・矢崎投手が中6時間で登板し、ビシッと三者凡退に締めて試合終了です。8対2で勝った和歌山箕島球友会が西近畿第2次予選に駒を進めました。敗れた大阪泉州野球団は29日の敗者復活戦で、大阪ウイング硬式野球クラブとNSBベースボールクラブの勝者と決勝を行い、第2代表を目指します。穴田選手は3打数でヒットなし。あれが二塁打だったらなあ。

西武ドームの本大会まで、あと2勝

試合後の原井コーチ(右)と穴田選手。「原井さん、いい笑顔!」という穴田選手も。
試合後の原井コーチ(右)と穴田選手。「原井さん、いい笑顔!」という穴田選手も。

試合と試合の間に、和歌山箕島球友会の原井和也コーチ(46)とお話しをさせていただきました。箕島高校、松下電器、西武、ロッテなどで活躍され、2年前から箕島球友会のコーチ。プロ経験者ですから穴田選手の戸惑いやプレッシャーはよくわかっておられます。阪神ではどれくらい試合に出ていたか?とも聞かれました。「最初(2月)にホームラン打って、おお~ってとこ見せてくれたけど、そのあと少し悩んでいたかな。環境にも慣れるまで時間がかかったんでしょう。でも周りにとてもよく馴染んでくれているから」

とはいえ求めるものは大きいので「1試合1本ずつでも打ってもらわないとね。しかしバッティング練習を見たらもう期待は膨らむ一方ですよ!技術はあります。あとは経験だけ」と言われます。そして守備もいい、とのこと。名手と謳われた原井さんにそう言っていただくなんて嬉しいですねえ。クラブ選手権連覇に向けて、期待に応えましょう。

なお中谷選手がホームランを打ったと伝えると「ことし何本ですか?」と穴田選手。5号だと言ったら「やる―」ですって(笑)。そういう穴田選手も箕島ではオープン戦に2本、都市対抗予選で1本、クラブ選手権予選で2本と、ちょうど同じ今季5本目。中谷選手からは「本当ですかー」のあとにニッコリの顔文字がついて返事が来ました。お互いに競い合って、いい成績を残してほしいですね。

全日本クラブ野球選手権の西近畿予選は、大阪・和歌山と兵庫の4チームにより7月12日に準決勝と決勝(パナソニックスタジアム)、13日に敗者復活戦(大阪ガス今津グラウンド)が行われ、2チームが9月の本大会に出場。和歌山箕島球友会はまず12日、兵庫の第2代表・関メディベースボール学院と対戦します。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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