阪神・岩貞投手が “プロ初勝利!” 猛暑の新潟で行われたウエスタン中日戦
新潟県三条市ではこのところ、ほぼ毎年のようにウエスタン公式戦を開催している阪神ファーム。6月、7月、8月と時期はいろいろですが毎回必ず雨に見舞われます。梅雨でなくても開始直前の大雨とか、快晴から一転してゲリラ豪雨に襲われ途中終了とか、2日間とも雨とか…。ことしも、きょう27日は明け方から雨模様です。でも三条市と三条パール金属スタジアム(昨年までの三條機械スタジアムから変更)の皆様は、毎年のことながら必死で整備をされています。だから試合はある、と信じています。
それにしても全国各地で猛暑となった26日、三条も朝から35度を超え、試合が始まる頃は36度以上!具合が悪くなるお客様が続出して医務室は満員状態でした。そのため試合中にスタンドで冷却パックを配るという措置も。ご覧になった方も大変だったでしょうね。グラウンドでも緒方選手と今岡審判が体調不良で途中交代。心配しましたが、大事に至ってはいないようです。きょうは曇りで、きのうより8度くらい気温が低いとか。今度は寒いかもしれませんねえ。
試合は4回までに6点を取った打線と、岩貞投手をはじめとする投手陣の完封リレーで快勝!ライト芝生席で鳴り物の応援もあったタイガースファンを喜ばせてくれました。
《ウエスタン公式戦》7月26日
阪神-中日 19回戦 (新潟県三条市)
中日 000 000 000 = 0
阪神 202 200 00X = 6
◆バッテリー
【阪神】○岩貞(1勝1敗)-建山-加藤-玉置 /小宮山-岡崎(7回~)
【中日】●西川(2勝2敗)(4回)-岸本(2回)-小林正(1回)-矢地(1回) / 桂-赤田(4回~)-杉山(8回裏)
◆本塁打 森田4号2ラン(西川)
◆二塁打 緒方
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]中右:柴田 (3-1-0 / 0-2 / 1 / 0) .253
2]二:北條 (3-2-0 / 1-2 / 0 / 0) .254
3]右:緒方 (3-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .314
〃投:岩貞 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃打:原口 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .281
〃投:建山 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃投:加藤 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
〃打一:阪口 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250
4]一:森田 (3-1-2 / 0-2 / 0 / 0) .272
〃投:玉置 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―
5]三:陽川 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .255
6]遊:西田 (2-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .220
7]指左:中谷 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .179
8]捕:小宮山 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .159
〃捕:岡崎 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .255
9]左中:横田 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .190
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)
岩貞 6回 85球 ( 1-7-2 / 0-0 / 0.64 )
建山 1回 19球 ( 2-0-0 / 0-0 / 0.00 )
加藤 1回 13球 ( 2-0-0 / 0-0 / 0.00 )
玉置 1回 12球 ( 0-1-0 / 0-0 / 3.16 )
7安打6四死球の西川から4回で6点
まず攻撃。1回に柴田が中前打、北條は右前打で無死一、二塁として緒方が右中間へタイムリー二塁打!先頭からの3連打で鮮やかに先制。続く森田が四球を選び、陽川は三振に倒れるも1死満塁で西田の中犠飛。もう1点追加します。3回は北條が死球、1死後に森田の4号2ラン!4回は柴田が四球と盗塁、北條も四球で1死一、二塁。緒方の左中間タイムリー(緒方は二塁でタッチアウト)。これで2死三塁となり、暴投で6点目が入りました。
一方の岩貞は1回1死で森越に四球を与えますが、堂上直を二ゴロ併殺打!2回、3回が三者凡退と、ここまで3人づつで片づけます。4回は2死から堂上直に四球も4番・福田は2打席連続三振!そして5回、先頭の赤坂を3球で見逃し三振に切って取り、まだノーヒットだなあと記者席で話した直後、堂上剛に初球を右前打されました。そういうもんですね。でも後続を断って無失点。
6回開始前に選手の交代が告げられたのですが、緒方に代わって3番に岩貞が入り、中谷がDHからレフトへ、柴田はライト、横田がセンターとのこと。さらに一塁の今岡塁審の名前が消えて、三塁の須山塁審が一塁へ。えっ!山村裕球審と2人だけ?慌ただしいベンチ裏や通路の様子を見るに、どうやら暑さで体調が悪くなったみたいです。地方開催試合はもともと3人制のため予備審判がいません。急な補充も無理で…ポジショニングも大変。
異例の事態ながら試合は続きました。6回も三者凡退だった岩貞は、その裏に代打が送られて交代。プロ最長の6イニングを投げ、1安打7三振で無失点です。7回は建山と岡崎のバッテリーで、堂上直と福田に連打されながらも後続を3人で退け無失点。8回の加藤も2死から連打、しかし無失点とベテランの味を出しています。
打線は6回に柴田の四球と北條の左前打、7回に西田がショート内野安打(中谷は併殺打)や四球、相手エラーなどがあったものの追加点なし。8回は三者凡退です。最後の9回表は玉置が登板して、4番からを難なく三者凡退!5安打完封リレーで10日ぶりの公式戦を終えました。
引き続き、三条市内の少年少女野球チームから総勢約150人が参加して恒例の野球教室。まだまだ熱気で暑い中、選手も子どもたちも元気いっぱいでです。ではそのあとで聞いたコメントをご紹介しましょう。
野手のことを考えてテンポよく
まず岩貞投手です。ナイスピッチング!「ありがとうございます。きょうは丁寧にというのを心がけて投げました。暑かったので守りを短かくと。こういう天候の場合は、それが絶対だと思います。きょうみたいに結果が出ていなくても、投げ急ぐことなく、でもテンポよくという意識を持ってストライク先行のピッチングをしていくこと」。マウンドも暑かった?「いや(練習していた時の)外野の方が暑かった!外野手は大変だったはずですよ」
変化球は「スライダーとチェンジアップが半々くらい。いつもよりチェンジアップが多めです。特に意図はなくて小宮山さん配球通り。ただバッターも合っていないことが多かったので」とのこと。ファームとはいえプロ初白星で「チームが勝ったのは嬉しい。自分は6回しか投げていないから。3番に入った時に、これで終わりかなと思いました。もっと投げられたかどうかはわからないけど、6回までしっかり抑えられたのはよかった」と振り返りました。
岩貞投手について平田監督は「紅白戦があんな感じ(22日、3回3安打3四球2失点)だったので、どうかなと思ったけど球のキレがあったな。真っすぐで押していけている。この暑さの中で安定した投球だった。きょうの内容はいいよ。秋山や二神と争える?やっと、そこのステージに立つことができたね」と言い、久保投手コーチも「よかったよ。順調に球数が増えて、成績も残っている。1安打7三振、オッケーでしょう!いい中であえて言うなら、ちょっとボールが続いてしまったこと。どこで立ち直るかだね。次ももっと球数、イニングをね」と話しています。
建山投手は自身の投球を振り返り「前回よりはよかった。あとは細かいところだけ。三塁方向へのボール(右打者へのインコース、左へのアウトコース)が課題。そこをベースの角に投げられるようになったら完璧」と言います。加藤投手は「きょうに関してはある程度、納得のいく球が投げられた。1軍にいた時より、いいピッチングができた」とのこと。玉置投手も「いい感じでしたねえ。テンポよかったし、きょうはいい感じで投げられたと思います。継続ですね」と久しぶりに明るい声と顔でした。
森田選手、緒方選手で4打点
4号2ランを左中間芝生席に放り込んだ森田選手。「真っすぐです。ど真ん中か外の甘め」。打ったのは6球目ですが、4球目に大きなファウルをライトへ。あれは惜しかったねえ!「入ったかと思いましたよ~。フェン直ですか?」。そう、惜しくもライトポール右のフェンスを直撃。でもそのあとに左中間へドッカーンですもんね。さすがです。
なお先制のタイムリー二塁打を含む2安打2打点の緒方選手。6回からチームが引き揚げる時までロッカールームで休み、そのあと診療所へ行ったようですが詳細はわかりません。やはり熱中症だったのでしょうね。少し体がつったようで無理をしないよう交代した感じです。帰り際に声をかけたら、わずか数時間で顔はやつれて瞼もくぼみ…それでも少し微笑み返してくれました。大事に至らなくて何よりです。
きょう27日は明け方から雨が降ったり止んだりしていますが、今のところ試合は行われる方向。先発は鶴投手です。なお26日はもと阪神で地元・新潟在住の横山龍之介さん、同じく地元に帰って仕事をしている吉岡興志さんも千葉からやってきました。この話は後日またゆっくりご紹介します。