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雨のち晴れのち雨のち晴れの鳴尾浜便り 《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
15日夕方の鳴尾浜球場。再三の雨も何のその!きれいに整備されて翌日を迎えます。

15日も一日中、あちこちで急な大雨が降る不安定なお天気でした。西宮市では朝7時頃にまとまった雨が降って心配したんですけど、すぐに青空が広がったので問題なし。阪神鳴尾浜球場では前日に名古屋遠征から戻ったファームの全体練習が無事に行われ…と思いきや午後の打撃練習中にザッと降り出して、もう外での練習は無理かなあと諦めたら、また晴れて日差しがギラギラ。帽子、傘、帽子と大忙しでした。

そして16日もまた朝から降ったり止んだりで、11時前から西宮市は雷を伴う大雨で警報まで出る事態。連日の試合でグラウンドを使っている甲子園は水浸しとなり、高校野球は何度か中断しました。鳴尾浜のウエスタン・オリックス戦も結局12時すぎに中止決定。オリックスは練習をしてからバス移動で、11時頃に鳴尾浜へ着いていたんですよね。そんなわけで、既に決定して発表を待つ段階だったスタメンを書いておきます。

16日の阪神‐オリックス戦 (雨天中止)

【阪神】   【オリックス】 

1]左:柴田   1]中:武田

2]中:大和   2]二:堤

3]遊:北條   3]指:谷

4]一:陽川   4]左:竹原

5]指:原口   5]一:高橋

6]二:黒瀬   6]右:宮崎

7]捕:藤井   7]三:奥浪

8]右:中谷   8]捕:伏見

9]三:西田   9]遊:縞田

投]岩崎    投]ランズラー

あす17日は鳴尾浜でなく、奈良県橿原市の佐藤薬品スタジアムでのオリックス戦となります。今のところ大和選手は帯同するみたいですが、あすも天気予報はあまりよくありません。復帰直前に足踏みは困りますねえ。それにピッチャーのやりくりも大変でしょうし、ここへ来て思わぬ“敵”に苦戦中。なんせ阪神ファームは2か月ぶりに借金1となったまま止まっていますから、早く返済する機会が欲しいものです。

懐かしい人が鳴尾浜に

では、15日の話題に戻りましょう。午後の練習が始まって20分くらい経った頃、スタンドへ行こうとグラウンドの三塁側ベンチ横にある鉄扉の外を通過していたら、グレーのスーツを着た男性を発見。立って打撃練習を見ています。どこかの記者かアナウンサーかも。誰だろう?お顔を拝見と近づきかけた時に風で帽子が飛び、拾う私の背中に「岡本さん!」という声が。あら?今の声はもしかして…。

振り返ると見慣れた笑顔がありました。2007年に高濱卓也選手(現ロッテ)や森田一成選手とともに高校生ドラフトで指名され、昨年まで6年間タテジマを着ていた清原大貴さんさん、もとピッチャーです。昨年11月に一度だけ合同トライアウトを受け、社会人や独立リーグからの話はあったものの「夢を実現させたい」とユニホームを脱ぎました。その夢はスポーツトレーナーです。

以前も書きましたが、入団2年目に右肩を痛めた時「いつか自分が、こうやってケガに悩む選手を助けてあげられれば」と思ったのがきっかけ。野球選手を終えてからという選択肢もあった中、一日も早くとの思いだったのでしょう。今は大阪の専門学校で柔道整復などの勉強をしています。“学生”という立場もなかなか新鮮みたいですよ。休日には野球教室などもやっているとのこと。そうそう、ことし1月に結婚もしました。

立ち話をしていると「あれ?キヨやん!」と握手しに来る選手もいれば、まったく気づかず「○○さん」と清原さんに声をかけられ、顔を見てやっと「おお!キヨ」という選手も。なんせ鳴尾浜は9か月ぶりだそうですからね。「たまたま近くに来る用があったので、ちょっと顔を出そうかな」と立ち寄ったとか。スーツ姿だし、痩せてイメージが違っていたかもしれません。写真は「僕もう一般人なので(笑)」と固辞されました。横山龍之介さんも吉岡興志さんもOKなのになあ、残念だなあ。

午後になって西の方から近づき始めた雲が鳴尾浜上空にも広がり、やがて薄暗くなってきたと思ったらポツポツ。そのあとは早かった!一気に土砂降りの雨がグラウンドやスタンドを叩き、選手もお客様も避難しました。ここで練習は室内へと移動し、引き揚げるお客様も多数。清原さんも部屋の中へ入り、そこでまた監督やコーチ、選手に挨拶をして「どうしてるの?」「学校に行ってます」という会話が続きます。個人的には今も食事に行ったりする選手もいますが、久々の“キヨ”にみんな嬉しそうでしたね。「雨を持ってきたやろ~」と突っ込んだり。

いよいよ大和選手が実戦へ!

雨のためバッティングの順番が回ってこなかった大和選手は、室内に移動してマシン打撃。この日の全体練習を見て、実戦復帰のGOサインが出る段取りで、平田監督は「あすの試合?出すよ!藤井もね」と明言していました。大和選手も本隊に合流して「問題ないです」とのこと。試合についても「大丈夫。何をやっても問題ないと思う」と言います。とりあえず1日延期となりましたが、細かい点は試合に出て確認していけるでしょう。

雑誌の撮影に便乗して撮影成功!練習を終えて帰る大和選手です。
雑誌の撮影に便乗して撮影成功!練習を終えて帰る大和選手です。

帰り際、平田監督に呼び止められた大和選手。会話は、きょう16日の試合出場についての確認事項だったかもしれません。そのあと監督の要請で、雑誌の企画で鳴尾浜を訪れていた中学生と小学生の子ども2人と記念撮影。いつもうまく逃げられていたので、ここに便乗して撮らせてもらいました!大和選手には「それ要るんですか?」と突っ込まれたけど…大成功です。

今月に入って、はや5試合も中止になっている阪神ファームです。きょうで6試合目。14日の中日戦(ナゴヤ)の先発を雨で流した岩崎投手は「ブルペンで投げただけでした…」と寂しげに笑います。しかも雨の中でねえ。「はい。開始を30分遅らせたけどダメで」。残念でした。きょう16日に仕切り直し先発だったのが、またもや中止。岩崎投手に「雨男を襲名してしまいますね」と言ったら「それは秋山です」とニッコリ。きょう1軍のDeNA戦で先発する秋山投手、さすがに横浜は大丈夫みたいです。あす17日の岩貞投手も。

予言のようなリポートで原口選手は…

ところでナゴヤ球場では結局1試合しかできなかったわけですが、その13日の試合で“レフトオーバーのシングルヒット”を打った原口選手。きのうもその話題になって「ちょうど僕が打つ直前にリポーターの女性が話をしたとこだったでしょう?」と笑います。夜の再放送を見たんでしょうね。そうなんですよ。原口選手の打席中に、実況の亀関アナウンサーと解説の久慈照嘉さんの会話がたまたま外野守備のことになり、そこでリポーターの相羽さんが「きょうレフトを守る古本選手は守備がうまい。特に送球はグッと伸びてくる。イチロー選手なみに」と説明しました。

すると原口選手がレフト方向に大きな打球!これは二塁打だろうと思ったら、頭上を越された古本選手が打球を捕って二塁へ。まあイチローなみのグッと伸びる送球ではなく普通だったものの、原口選手は途中で引き返し一塁へ戻りました。「僕の足が遅いから…。でもあれは戻って正解ですよね?」と苦笑い。そうですね、アウトだったかも。戻ったから次の陽川選手の左中間タイムリー二塁打につながったし。2死だったけど一塁からよく生還したじゃないですか。「それにしても、まさに!あのリポートのすぐあとで」とまた繰り返す原口選手。私も本当にビックリしました。

高校野球への思い

高校野球も2回戦に入り、一二三選手の母校・東海大相模はきょう登場。そして「光星、あさってですよ!」とアピールしていた北條選手の母校・八戸学院光星は17日に初戦です。「僕らの時のチームと、今もチームが試合をしたら絶対負けへん!」と何故かライバル心を表していましたよ(笑)。また13日の市和歌山と鹿屋中央の試合は、OBの玉置投手、阪口選手もあとで見たと言います。延長12回の裏、まさかのプレーでのサヨナラ負けで…玉置投手は「残念ですね。でも勝負事なんで仕方ないです。セカンドの子はかわいそうですけど、時間が解決してくれますよ」とコメント。

玉置投手は自身が出場して以来10年ぶりだったので、余計に思い入れがあったかもしれませんね。ちなみにユニホームは、市立和歌山商業から市立和歌山高校に校名が変更になり胸の文字は『SHISHO』から『ICHIKO』と変わったものの、それ以外は玉置投手が甲子園に出た当時と同じだそうです。そして阪口選手は、同じ内野手の後輩がかわいそうだと言ったら「そうですね。でも…甲子園に出るだけでうらやましいです」とポツリ。確かに、届かなかった夢なんですもんね。

15日に登場した大阪桐蔭のOB・西田選手は序盤に大量リードを許すも、追い上げた!追いついた!という経過報告に「当たり前です」と淡々。その割には「えっ!4点も取られたんですか?」と、1回終了の段階でそこそこ動揺していた気がしますけど。

最後は、1年と1ヶ月くらい前は甲子園を目指して頑張っていた横田選手にも聞いてみました。高校野球は見てる?「めっちゃ見てますよ!めっちゃ好きです、高校野球!録画して見てます」。おお~すごい反応で、ちょっと驚き。高校時代は見ていなかったでしょう?「はい。プロに入ってから。だって高校生、カッコよすぎますっ!!」。目がキラキラしていますよ、横田くん。じゃあ、その高校生たちに「横田さん、カッコよすぎ」と言わせるよう頑張ってください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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