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鳴尾浜最終戦、秋山が完ぺきな投球で9勝目!阪口は公式戦プロ1号!26日《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
公式戦では初の一発!ベースを回りながら我慢できずに白い歯がこぼれる阪口選手。

阪神ファームは26日、鳴尾浜での今季最後の公式戦を行いました。相手はここまで大きく勝ち越しているオリックスです。先発の秋山投手が8回まで投げ、3安打9三振の無失点。しかも2試合連続の無四球で三塁を踏ませぬピッチングでした。チーム成績は51勝48敗8分けとなり、4年ぶりの勝ち越し決定!オリックス戦は19勝5敗2分けです。

8回に守備で復帰した西田選手。「メッチャ緊張して変な汗をかいた(笑)」そうです。
8回に守備で復帰した西田選手。「メッチャ緊張して変な汗をかいた(笑)」そうです。

なお16日に右ひざ半月板のクリーニング術を受けた緒方選手が、19日に退院して寮に戻ってきているとのこと。リハビリの開始時期などはまだ未定で、松葉杖を使っての生活ではありますが、本人は元気だそうですよ。また左わき腹を痛め別メニューだった西田選手は、26日から本隊に完全合流。試合にも8回から守備のみで出ました。27日の練習試合にはスタメンでフル出場し、ヒット2本を放っています。これは次の記事で。

腰の張りで25日の全体練習を休んだ横田選手は、26日と27日も別メニューとなり、最後の福岡遠征も不参加のようです。フェニックスリーグが始まったら休みなしで試合が続きますからね。今は無理せず、しっかり治しましょう。

では26日の試合結果です。先ほども書きましたが、27日の練習試合については次の記事(28日に出します)をお待ちください。よろしくお願いします。

《ウエスタン公式戦》9月26日

阪神-オリックス 最終26回戦 (鳴尾浜)

オリ 000 000 000 = 0

阪神 000 500 30X = 8 

◆バッテリー

【阪神】○秋山(9勝7敗)-筒井 / 清水-小豆畑(9回表)

【オリ】●古川(1勝2敗)(3回1/3)-桑原(2/3回)-甲藤(1回)-ランズラー(1回)-柴田(0/3回)-戸田(1回)-平井(1回) / 伏見-斎藤(6回~)

◆本塁打 清水1号3ラン(桑原)、阪口1号ソロ(柴田)

◆二塁打 一二三 

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田   (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .260

〃打:岡崎   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .247

〃中左:田上  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .219

2]二:黒瀬   (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .252

〃打遊:阪口  (2-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .274

3]遊二:北條  (4-3-0 / 0-1 / 0 / 0) .259

4]指:狩野   (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .281

〃打指:森田  (1-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .272

5]一:原口   (2-1-1 / 0-2 / 0 / 0) .283

〃三:西田   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .232

6]三一:陽川  (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .243

7]右中:中谷  (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .191

8]捕:清水   (4-1-3 / 0-0 / 0 / 0) .214

〃捕:小豆畑  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .279

9]左右:一二三 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .179

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

秋山 8回 102球 (3-9-0 / 0-0 / 2.58)

筒井 1回 17球 (0-1-0 / 0-0 / 3.04)

秋山も、打線も言うことなし!

試合経過は簡単に。打線は4回に北條、狩野、原口の3連打(原口が中前タイムリー)で1点。1死後に中谷の中前タイムリー。続く清水が左中間へ今季1号の3ラン!7回には先頭の代打・阪口がライトへ公式戦プロ1号ソロ!そこから3連続四球で無死満塁となり、陽川が右犠飛。タッチアップで走者が進み、オリックス斉藤の捕逸でもう1点。

秋山は3回に伏見、5回に鉄平、7回に堤の計3安打のみ。しかも無四球で三塁を踏ませず。二塁に走者を進めたのも7回の1人だけですし、カウントをボールスリーにしたのは6回(吉田雄選手)と7回(鉄平選手)の2打席のみ。

本拠地最終戦にため、試合後は全員整列してお客様に挨拶。
本拠地最終戦にため、試合後は全員整列してお客様に挨拶。

まず平田監督のコメントからご紹介しましょう。「秋山は安定した見事なピッチングだよな。早く(1軍の)順位が決まって、チャンスをもらえたら…っていう投球だった。三振を狙いにいって取ったり、ダブルプレーが欲しいところで取れる。思惑通り。これで最終戦って、もったいないよ」。公式戦でプロ初ホームランの阪口選手には「いやー見事やな。本当に。言葉が見つからない。やっぱり1年間のひたむきな努力が最後に出るな」と感慨深げでした。また北條選手について「3安打だよね。3本目(8回1死一塁)は、こうすれば一、二塁間を抜けるんだというヒット。このところ3番にしたが、3番らしくなってくるもんだよ」と話しています。

秋山9勝目、最多勝は当確?

秋山投手は「よかったです。球数は3回まで、多くはなかったけど少なくもなくて、清水さんとちょっと抑えていこうかと話しました。スリーボールになったのが2人だけなんで、平行カウントやフルカウントにならず決めきれたことと、ボールカウントでゴロを打たせることができたのはよかった。(7回に)堤をヒットで出してからの、谷さんと高橋さんを内野ゴロでゲッツーにできたし。しっかり打たせられた。そのへん丁寧にいけたかな。ボールカウントの次のボールがきょうはよかったですね」と振り返りました。

このところ投げる度に安定感が増す秋山投手。2試合15イニング連続無四球です。
このところ投げる度に安定感が増す秋山投手。2試合15イニング連続無四球です。

この日は最速が146キロだった真っすぐについて「ここ最近はファウルとか、詰まらせたりとかできているので、きょうは真っすぐで押してカーブを早いタイミングで使えた。しっかり反応してくれるとこで投げられたので、よかったです」と秋山投手。これを1軍で見てみたいですね。「今までと違って、気持ちの切り替えができているので。きょうもホーム最終戦で、勝ちがつけば最多勝という場面。点を取ってもらってからもゲームを作れたのは成長したと思います」

そして「去年は2冠のチャンスで炎上したから」と苦笑いしたあと「そのへんはプラスにとらえたい」とのこと。これで9勝目、ソフトバンク飯田投手と並びリーグ最多勝ち星となりました。週明けにソフトバンク-阪神戦が2つあります。飯田投手が投げてきたりして…と言うと秋山投手は「そんなイジワルしてこないでしょ」と笑っていました。そうですよね。2人一緒に受賞できますからね。

北條は3安打で打率.259に

リードした清水選手は「秋山は立ち上がりに逆球が多かったし、3回以降はヒットも出ましたが、調子自体よかったですね。まあ三振が多かったので球数が増えたかなと。それと立ち上がりに不安もあるだろうし、序盤は低めに丁寧にと思って多くなったんですが、中盤以降はリズムよくいこうと言いました。球のキレもよかったですよ」と、ほとんどが秋山投手の話でした。4回に自身が放ったダメ押しの3ランには「事故です(笑)」とだけ。そして「秋山の最多勝がかかっているという試合にスタメンで使ってもらったし、1点でも多く取りたいと思って」と続けました。

4打数3安打1四球で、打率を.259まで上げてきた北條選手。「2割5分以上はと思っています。2割6分いきたいですねえ。上、上を目指して」。ヒットは左方向が2本で、最後の8回は右方向でした。「1打席目は変化球を打てたのでよかった。2打席目、3打席目は追い込まれてからコースなりというか、逆らわずに打てたのでよかったです」。とにかく四球の数が昨年の23個から、ことしはリーグトップの52個と大幅に増えました。「いいことですね」。コーチみたいなコメント(笑)

一二三選手は復帰後初ヒットとなる二塁打。いい角度で飛んでいったという記者の言葉に「いや~詰まったっすねえ。頑張ります」と苦笑いだったと聞きました。練習の打球が早く試合で出ればいいですね。

「ホームラン打てて、ほんまよかった」

7回、代打で出場して公式戦プロ1号の阪口選手。このスイングでいきました!
7回、代打で出場して公式戦プロ1号の阪口選手。このスイングでいきました!
こちらは阪口選手の2打席目、8回に右前打を放ったところです。
こちらは阪口選手の2打席目、8回に右前打を放ったところです。

阪口選手は、2012年4月27日の育成試合・履正社学園戦(鳴尾浜)で打って以来、2年ぶりのホームラン。あの時は左投手からの2ランです。公式戦では4年目でプロ初のアーチで、感想を聞くと「ビックリしました!」とニコニコ。打ったのはインコース少し低めの直球だったそうです。本人の言葉のまま書きますと「真っすぐが来たら打ったろうと思ってたんで、ピュッと反応しました。感触は…バッと打ったから、よかったです」。ほんとに素直なコメントでしょう?

二塁を回るあたりから急に笑顔が出てきた?「笑ったらアカンと思ってたんですよ。試合中やから。なのに自然と…」。我慢できなかったんですね。そりゃ当然ですよ。ベンチのみんなも「阪口よう打った!」「哲、ナイスホームラン!」ともう大騒ぎでしたよ。打った瞬間に入ったとわかった?「いえ、ちょっと走って(一塁の)筒井コーチが喜んでくれたので」。次の打席でもヒットが出ていますが「手応えはホームランの方がよかった」とのこと。

なお打った直後に、阪口選手のご両親と同期で仲良しだった穴田選手(和歌山箕島球友会)に連絡をしたところ、お父さんから「本当ですか?ホームランは他の人が打つものだと思っていました。それだけに嬉しいです!」というお返事。加えて「たまたま振ったら当たったと思いますが、まぐれでもよかったです」とおっしゃいます。他の人でなく、哲也くんが打ちましたよ。一生懸命に練習を積んだ成果ですね。

プロ1号にベンチ前で祝福される阪口選手。叩かれてヘルメットがずれても、この笑顔!
プロ1号にベンチ前で祝福される阪口選手。叩かれてヘルメットがずれても、この笑顔!

穴田選手には吹き出しましたよ。「阪口選手が公式戦でホームラン打ったよ」と送ったら「ランニングすか?(笑)」という返事。違う、ほんまですか?など2往復のやり取りがあって「やるな」と返ってきた次第です。それも阪口選手に伝えておきました。残念ながら福岡遠征には参加しないようで、そこはさすがにガックリの阪口選手ですが、最後に「ホームラン打てて、ほんまよかったです」としみじみ。時期が時期だけに、思うことも不安もいっぱいあるでしょう。それでも写真には、いつもと変わらない哲っちゃんスマイルが広がっています。

27日はオリックスとの練習試合が行われ、7対1で勝ちました。その結果は次の記事で書かせていただきます。残り2試合となった公式戦は、雁の巣でのソフトバンク2試合。29日が鶴投手、30日は岩貞投手の先発です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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