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日ハム・佑ちゃんから勝ち越し点!小虎も借金完済《6/7 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
5回2安打無失点で“ヒーロー賞”に選ばれた島本投手。ナイスピッチングでした!

阪神ファームの新潟遠征2日目、7日の三条パール金属スタジアムは朝から青空が広がりました。スタンドはかなりの暑さだったようですが、風が冷たいので日陰は涼しくて快適な日曜日。前日の1259人を上回る1465人のお客様が観戦され、終盤に登場した日本ハム・斎藤佑樹投手への拍手と歓声は2日間で一番大きかったと思います。私も必死で写真を撮りましたよ。

試合は、島本投手が5回2安打無失点の好投!でも日本ハム6本、阪神4本というヒットの数で、得点内容を見ると阪神が西田選手の犠飛、日本ハムは岩本投手が与えた押し出し四球、そして阪神・田上選手の二ゴロ野選なので、ちょっと寂しかったかもしれません。でも2試合とも1点差で勝った阪神。これで5月2日から背負い続けてきた借金を全部返しました。これから貯金をと言いたいところですが…9日からはまた遠征で、しかもソフトバンクと広島の6連戦。せめて5割で帰ってきてください。

《ファーム交流試合》6月7日

阪神-日本ハム 2回戦 (三条)

ハム 000 001 000 = 1

阪神 000 100 01X = 2 

◆バッテリー

【阪神】島本-岩本-○歳内(1勝1敗)-S小嶋(1勝5S) / 小豆畑-清水(6回~)

【ハム】高梨(5回)-大塚(2回)-●斎藤佑(1勝2敗3S)(1回) / 清水

◆二塁打 鵜久森

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]右:緒方  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .209

2]遊:北條  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .243

3]指:梅野  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .361

4]三:新井  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .294

〃捕:清水  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .250

5]中:横田  (3-0-0 / 1-1 / 1 / 0) .201

6]二:黒瀬  (1-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .192

7]左:田上  (4-2-1 / 1-0 / 1 / 0) .455

8]一三:西田 (2-0-1 / 1-1 / 0 / 0) .194

9]捕:小豆畑 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .186

〃一:中谷  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .289

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

島本 5回 83球 (2-7-2 / 0-0 / 2.12) 144

岩本 2回 53球 (3-4-3 / 1-1 / 3.79) 145

歳内 1回 13球 (1-1-0 / 0-0 /11.30)144

小嶋 1回 14球 (0-1-0 / 0-0 / 1.31) 138

試合経過

変化球のキレも素晴らしかった島本投手。
変化球のキレも素晴らしかった島本投手。

先発・島本は1回2死から石川慎に四球を与えますが、それ以外を完ぺきに抑えて3回まで無失点。しかも無安打で6奪三振でした。4回、先頭の2番・松本に初安打(サードへのバントヒット)を許すも石川慎は遊ゴロ併殺打!4番の鵜久森に右中間二塁打を浴びながらも、高濱は三邪飛に打ち取って無失点。5回は2死から8番・佐藤正に与えた四球のみで、最後は10球粘られた清水を投ゴロに仕留め、捕ったまま走って自ら一塁ベースを踏んでアウト!5イニングを2安打7奪三振2四球の無失点で投げ終えています。

左犠飛で先取点を挙げた西田選手。「ニシダ!ニシダ!」のコールに答えてペコリ
左犠飛で先取点を挙げた西田選手。「ニシダ!ニシダ!」のコールに答えてペコリ

その間の打線は高梨に対して、1回が三者凡退。2回は先頭の新井が遊ゴロエラーで出て、高梨のコントロールが乱れ始めました。横田は死球、黒瀬の犠打で1死二三塁となり、2死後に西田が四球を選び満塁!しかしここは小豆畑が三振に倒れて得点なし。3回は2死から梅野が右前打したものの他はすべて三振。3回まで高梨が奪った三振数は、島本より1つ多い7つです。4回1死から黒瀬が死球、田上の中前打で一、三塁として田上は盗塁成功。続く西田の左犠飛で1点を先取!5回は梅野の四球だけでした。

1対0で迎えた6回からは岩本と清水のバッテリー。1死を取ったあと松本と石川慎に連打され、2死後に高濱への四球で満塁となって6番・太田にも四球を与えてしまいます。この回、3つのアウトはすべて三振だった岩本ですが、これで同点。7回は先頭の佐藤正に右前打(セカンドの後方にポトリ)され、犠打で二塁へ。岸里に四球を与えるも6回に打たれた松本と石川慎を打ち取って無失点。

大きな拍手を受けて登板した斎藤佑樹投手。
大きな拍手を受けて登板した斎藤佑樹投手。

打線は6回に2人目の大塚から黒瀬と田上が連打して1死一、二塁としますが得点にはつながらず、7回は三者凡退。そして8回に登板した歳内は、先頭の鵜久森に中前打を許しただけで1対1のままです。その裏、ついに斎藤佑樹がマウンドへ!先頭の清水は空振り三振、続く横田も空振り三振。しかしキャッチャーがボールをつかみ損ねていたのか横田は一塁へ走り、キャッチャーの送球も逸れてセーフ!記録は三振とキャッチャーのエラーです。

復帰3試合目で2安打1打点の田上選手。
復帰3試合目で2安打1打点の田上選手。

1死一塁から横田は盗塁を決めて、さらに斎藤佑の暴投で三塁へ。黒瀬は四球で1死一、三塁となり、田上がファウルで粘って粘って10球以上投げさせた結果、二ゴロ。これを捕った北のバックホームより早く横田が生還!セカンドの野選で勝ち越しました。西田は一ゴロ併殺打で1点止まりですが、無安打での勝ち越し。9回は小嶋が代打・荒張を見逃し三振、代打・市川は二ゴロ、岸里は捕ゴロで三者凡退。試合終了です。

島本は狙い通りの三振に納得

勝ちは歳内投手に譲ったものの、5回2安打無失点と好投した島本投手。144キロという最速以上にスピードを感じた直球ですが「自分では、まあそれくらいかなと思っていました。中継ぎと違って力加減はしたけど、しっかり腕を振って力まず低めに投げて行こうと思っていた」と言います。ちゃんと低めにいっていましたね。「初回はちょっと球が上ずっていたけど、低めの真っすぐを投げよう、ボールになってもいいから低めに、と思って修正できました」

先発の前日ながら、野球教室でいい笑顔を見せていた島本投手。
先発の前日ながら、野球教室でいい笑顔を見せていた島本投手。

7つの三振は真っすぐ、スライダー、フォークで奪ったもの。納得しているかと聞いたら「はい!もう」と大きく頷きます。「きのう試合を見ていて、全員が真っすぐを待っている感じがした。そこに低めの真っすぐでファウルさせたり、変化球も低めに投げれば振ってもらえるという自信がありました。真っすぐを意識させて変化球で打ち取るという形ができてよかった」と会心の奪三振だったようですね。いや~スライダーのキレなんて、もう抜群でしたよ。

唯一ヒットを許した4回は、バントヒットのあと「ちゃんと低めでゲッツー。内野ゴロが一番のとこで思ったところに投げられたし、それがちゃんとショートに飛んだ。あそこがきょう一番大きいです。ランナーを出してからゴロアウトが取れたのは大きい」と振り返っていました。ただし4番・鵜久森選手の二塁打は「インコースの真っすぐが中に入ってしまった。もったいなかった」と悔しがっています。最後に自ら「継続していけるように頑張ります!」と締めた島本投手。

そろそろ、また1軍で島本投手の“投げっぷり”が見たいですね。
そろそろ、また1軍で島本投手の“投げっぷり”が見たいですね。

香田投手コーチは「最初は高めに浮いていたけど、そのあとタテに振ることを意識したのが功を奏しましたね。ボールの質ってのはよかった。変化球のコンビネーションも。審判の判定で“どうかな?”っていうのもあったけど、しっかり投げきってくれたし。自分の状態を見据えながらバッターを打ち取ることもでき、いい内容だった」と絶賛。ジャッジの件は、5回の清水選手の打席でカウント2-2からの8球目をボールと判定されたのですが、清水選手自身もストライクと思って帰りかけるほどの際どさだったものも確かにありましたね。

そして最後に香田コーチは、こう言っています。「バッターがわかっていて空振りする、そういうボールが増えてきたと思いますよ。上向き状態」

真っすぐが戻ってきた岩本

岩本投手は5月17日に1軍の中日戦(ナゴヤドーム)でリリーフ登板し、2/3回で4安打3失点。翌日に登録を抹消されてから、鳴尾浜で「投げていない間、インステップの修正をしていた」とフォームなどの見直しにも取り組んでいました。この日はそれ以来の実戦登板で、残念ながら押し出し四球で1点を失ったものの「球はよかったと思います」と振り返っています。

最速145キロが出たストレートについては「最近戻ってきたと思います。最初の頃くらいの真っすぐに近くなった。1軍の最後のあたりはシュートしてしまったりだったけど、それがだいぶ修正できてきたと思う」と手ごたえを感じている様子。香田コーチは「久しぶりの登板で緊張感のある中、最初はバタバタしたけど、よく頑張ってくれた」というコメントでした。

試合終了の瞬間、集まってハイタッチをする輪に向かっていく清水選手(左)。
試合終了の瞬間、集まってハイタッチをする輪に向かっていく清水選手(左)。

受けた清水選手は「真っすぐが来ていたので、フォアボールもあったけど真っすぐで押していこうという感じ」のリードだったようです。確かに真っすぐの伸びというか、走りがよかったですね。

その清水選手も4月25日のファーム交流試合・巨人戦(ジャイアンツ球場)以来の実戦。そのあと胃腸炎で入院という事態があり、しばらく戦列を離れました。治ってからゲームに出るまで意外と時間がかかってしまったせいか、本人も「すぐに出たかったですねえ。これからです」と話しています。

田上「アウトになりたくなかった!」

新潟の2試合で3安打2盗塁の田上選手。もう完全復活ですね。
新潟の2試合で3安打2盗塁の田上選手。もう完全復活ですね。

続いて、野選で試合を決めた田上選手。それにしてもファウル、ファウルでよく粘りましたねと言うと「だってアウトになりたくないですもん!」という答えでした。その執念で誘った野選でしょう。「1打席目にタイミングが合っていなかった(空振り三振)ので、2打席目にタイミングを意識して対応していこうと思った(中前打)。それがいい結果につながったと思います」

そして7回の3打席目は「プロに入ってから初対決でしたよ!」という、高校も大学も一緒だった同級生・大塚投手から右前打でマルチヒット。4月26日の巨人戦(ジャイアンツ球場)で、大竹投手から右ふくらはぎに受けた死球の影響で復帰して3試合目ですが「動けているし問題ない。しっかりやることをやっていきます」と話していました。

決勝点をもたらした横田の足

勝ち越しのホームを踏んでベンチに戻ってきた横田選手。
勝ち越しのホームを踏んでベンチに戻ってきた横田選手。

最後に勝ち越しのホームを踏んだ横田選手は、三振したあとボールがこぼれているのを見て「斜めで走ったっすよ!」と言います。おそらくキャッチャーの動きを見ながら一塁まで走った、ということでしょう。その走りがキャッチャーの悪送球を誘い、さらに追い打ちをかけた二盗と暴投での三進、二ゴロでバックホームより早く生還。相手のキャッチャー・清水優心(ゆうし)選手は、九州国際大付属出身のルーキーです。1つ先輩の横田選手に足でかき回された感じです。

ちなみに初めて対戦した斎藤佑樹投手の感想を尋ねると「すごかったです!」…。何が?と聞き返したら「これ」。ボールを握った形の指を回転させる動きをしたので、訳すと「スライダーがすごかった」の意味だと思われます。そういえば3球とも思いきり空振りしての三振でしたね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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