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山形遠征、ペレスの場外弾で楽天に逆転勝ち!西田が2安打2打点《8/8 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
2点ビハインドの9回に3ランを放ったペレス選手。写真は鳴尾浜で撮ったものです。

阪神ファームは今週末、山形へ遠征してイースタンの楽天とファーム交流試合を行っています。昨年もちょうどこの時期、青森で楽天戦でしたね。青森県八戸長根球場で1試合やって(6対1で楽天の勝ち)、翌日の青森県営球場は雨天中止という結果。北條選手がこの青森遠征を楽しみにしていたことも思い出されます。そして今回はなんといっても横山投手でしょう。球場がある山形県東村山郡中山町出身、もろに地元です!

山形県野球場は2011年から2社共同のネーミングライツ取得により『荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた』という名前になっています。その前の『山形蔵王タカミヤホテルズ スタジアム』だった2008年8月2日にフレッシュオールスターゲームが開催され、石川投手、鶴投手、坂選手、野原将選手が出場しました。石川マネージャーと鶴投手は今回も行っていますね。

阪神タイガースのファームチームとしては、それより前の『山形県野球場』だった2006年9月30日、ファーム日本選手権でロッテと戦った場所。しかも勝って日本一になった思い出の球場です。その時のことを知っている選手は…もう今回はいませんねえ。筒井内野守備走塁コーチも行っていないようだし、狩野選手は1軍だし。

9回に鮮やかな逆転劇!

さて8日に行われた1戦目は、3か月ぶりの先発だった守屋投手が1回に失点し、すぐに西田選手のタイムリーで追いつくも4回に西田選手の2ランで勝ち越されます。ややこしいですねえ…2ランは楽天の西田選手です。3対1のままゲームが進み、9回にペレス選手が逆転3ラン!西田選手(阪神)のタイムリー三塁打で5対3として勝ちました。

《ファーム交流試合》8月8日

楽天-阪神 3回戦 (山形)

阪神 010 000 004 = 5

楽天 100 200 000 = 3 

◆バッテリー

【阪神】守屋-榎田-桑原-○藤原(2勝)-S小嶋(1勝6S) / 梅野

【楽天】釜田(7回)-相沢(1回)-●入野(3勝2敗10S)(2/3回)-小野(1/3回) / 下妻

◆本塁打 楽:西田2号2ラン(守屋)、神:ペレス5号3ラン(入野)

◆三塁打 神:西田

◆二塁打 伊藤隼、陽川、北條

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:森越  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .341

2]左:緒方  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .229

3]中:伊藤隼 (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .253

4]指:ペレス (4-1-3 / 0-0 / 0 / 0) .286

5]捕:梅野  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .323

6]遊:北條  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .257

7]三:陽川  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .222

8]一:西田  (3-2-2 / 0-1 / 0 / 0) .216

9]右:横田  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .217

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

守屋 4回 70球 (3-3-2 / 3-3 / 5.40) 143

榎田 2回 30球 (0-3-1 / 0-0 / 1.90) 140

桑原 1回 14球 (1-0-1 / 0-0 / 3.26) 146

藤原 1回 16球 (0-1-0 / 0-0 / 4.24) 140

小嶋 1回 14球 (0-1-0 / 0-0 / 1.04) 137

試合経過

守屋は1回、先頭の岡島から真っすぐで空振り三振を奪ったあと、北川に真っすぐを左前打され暴投で二塁へ、続く銀次も真っすぐを打たれて左前タイムリー。早々に1点を失ったものの、後続はフライ2つで追加点を与えませんでした。すると打線は2回、2死後に陽川が左中間二塁打を放ち、西田の右前打で生還!すぐに追いついています。

2回と3回は13球と10球で三者凡退、完璧に抑えた守屋。ところが4回は1死から4番の小斉へ四球を与え、次の西田に2号2ラン…センターバックスクリーン左端に振り込まれました。続く島内にストレートの四球を与えた守屋ですが、ここで久保コーチが間を取り、そのあと内田の三遊間を抜けると思われた打球をサード陽川が好捕&好送球!下妻は125キロのフォークで空振り三振。

4回を投げて3安打ながら3点を失った守屋に代わり、5回から榎田が登板して三者凡退。6回は小斉に四球を与えるも、その前の3番・銀次は空振り三振、5番・西田は見逃し三振(梅野が小斉の盗塁を阻止)、3人で片づけます。7回の桑原は先頭の島内に左前打、これが直前で高くイレギュラーして緒方が思いっきりジャンプして捕球。危うく後ろへ飛んでしまうところでした。その島内の二盗を梅野が刺したあと内田に死球、犠打で2死二塁とされるも無失点。

8回の藤原は八百板を三振、フェルナンド、セゴビアと続いた代打陣は外野フライで三者凡退!最後は横田がヒザをついた状態でスライディングして捕った右飛。ナイスキャッチでしたねえ!

2回に1点とったあと連打以外のヒットは、伊藤隼の右線二塁打(1回)と森越の右前打(3回)のみ。あとは走者自体も、7回に北條が四球を選んで出ただけと、楽天の釜田にピシャリと抑えられていた打線。8回は変わった相沢から先頭の西田が四球を選ぶも、横田の三ゴロで二塁封殺、森越の一直で併殺と3人で終了しています。

しかし9回は3人目の入野に対し、緒方が四球、伊藤隼は左前打で無死一、二塁としてペレスが5号3ラン!打った瞬間にもう柵越えは間違いないという当たりで、テレビ画面を見る限りライトの芝生付近に落ちなかったので、きっと場外へ出たのでのでしょう。豪快な逆転ホームランでした。さらに北條が高めの真っすぐをレフトへ二塁打、2死二塁として西田が変化球を打って右中間にタイムリー三塁打!

5対3と逆転して迎えた9回裏は小嶋が登板、小斉は二ゴロ、西田は空振り三振、島内は中飛と4番からをビシッと三者凡退に斬って取り試合終了です。

3か月ぶりの先発だった守屋

打たれたHRは「インコースからど真ん中へのスライダー…」と悔やむ守屋投手です。
打たれたHRは「インコースからど真ん中へのスライダー…」と悔やむ守屋投手です。

守屋投手は7月21日のルートインBCリーグ合同チームとの練習試合(鳴尾浜)以来、公式戦では7月10日のオリックス選手(鳴尾浜)の登板でした。先発となると「5月10日以来ですよ、3失点の…」と本人が言うように、立ち上がりに四球と4連打を浴びてしまい、ノーアウトで3点を取られ1回で降板した5月10日のオリックス戦(東大阪)以来、3か月ぶり。「でも思ったより緊張はしなかった」そうです。

結果は4回を投げて3安打3三振2四球で3失点。「球自体はよかったですね。でも自分の配球が…」とすぐに反省の言葉。4回、四球のあと打たれた2ランについて「ボール球にして空振りを取れるよう、首を振ってスライダーを投げた」と言います。梅野選手のサインはフォーク、でも空振りを取るならスライダーの方がと思ったみたいですが「梅野さんはフォークでゴロを打たせようとしていたんです。空振りではなくて。最悪の形になってしまいました」と猛省。

勝ち越しの2ランを浴びたあと、次の島内選手のストレートの四球を与えた守屋投手。「動揺していました。センターフライかなと思ったのが入ってしまって。それを引きずってのフォアボールです。でも久保さんが間をとってくれて何とか」。久保投手コーチがすぐにマウンドへ行って、そこから島内選手の盗塁は許しますが、陽川選手の好守備もあって追加点は与えずに済みましたね。

何回までとは言われていなかったようで「ホームランを打たれていなかったら5回もあったかなとも思いますけど、70球を投げていて、4回にしては多めだったので」とのこと。5イニングは次の機会に持ち越しですが「2回と3回はよかったと思います」と話す守屋投手でした。ちなみに、山形も相当な暑さでしょう?と聞いたら「暑いのは暑いけど、意外にジメッとしていないので大丈夫!」だそうです。

ペレス復帰弾!西田は2安打2打点!

ペレス選手は7月末から腰痛で戦列を離れており、今回の山形遠征で復帰したばかり。4番DHで1回のチャンスは二ゴロに倒れ、あとは先頭で左飛、二ゴロという結果でした。それが9回無死一、二塁で特大の逆転3ラン!打ったのは初球、球速は135キロと出ていましたが、真ん中に入ってしまったストレートですね。それにしても目の覚めるような1発で復帰を飾ったペレス選手。これからが楽しみです。

先週の野球教室で笑顔を見せる西田選手。山形では打撃好調!巻き返しの8月に。
先週の野球教室で笑顔を見せる西田選手。山形では打撃好調!巻き返しの8月に。

西田選手は2回に同点タイムリー、9回も貴重な追加点を挙げるタイムリー三塁打と2安打2打点!「バッティングの感じは悪くない」ものの試合で結果が出ず、打席も少なくなって…という現状だったのですが、きのうはスタメンでしっかり仕事をしました。マルチヒットは6月27日のオリックス戦(舞洲)で3安打して以来、打点もこの時以来です。また前進守備の外野を大きく超えていった、4月26日以来となる三塁打。125キロの変化球が落ちていくところをうまく救い上げた、西田選手らしいヒットでしたね。

この球場で「高校1年秋の東北大会で3試合か4試合やって、ホームラン1本打った」という北條選手。きのうは9回、高めに来た145キロの真っすぐを、まさに“しばきあげた”二塁打!ワンバウンドでフェンスに到達しています。2回の1打席目はいい当たりだったように見えましたが、風で少し戻されセンターの島内選手がナイスキャッチされました。次は空振り三振と四球、最後に1本出たわけです。

山形で高校1年以来のホームランを打ってきてほしいなあ。北條選手も調子上向きです。
山形で高校1年以来のホームランを打ってきてほしいなあ。北條選手も調子上向きです。

守屋投手と北條選手以外はコンタクトを取れなかったため、コメントがほとんどなくてすみません。きょうの試合後はすぐに移動なので、さらに難しく…試合結果のみのご紹介になると思います。ご了承ください。きょうもペレス選手がホームランを打ったみたいですよ!西田選手にもタイムリーが出ました。そして守屋投手が「さすがに雨は大丈夫でしょう(笑)。凱旋登板なんだから」と激励?した横山投手が、地元で先発。7回まで無失点と好投しています。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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