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フェニックス・リーグ終了 既にチームは秋季キャンプモード《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
フェニックス・リーグをホームランで締めた横田選手。秋季キャンプで猛アピールです!

24日で全日程を終えた『みやざきフェニックス・リーグ2016』。3日近く降り続いた雨でグラウンドに緩い部分はあったものの、最終日は素晴らしいお天気に恵まれて全試合を消化しました。関係者の皆さんはホッとされたでしょう。でも過去最多の中止試合数に加え、キャッチボールやサイン会のイベントも流れてしまったことが残念だとおっしゃっています。そのあたりの話は、タイガースの選手成績合わせてまたの機会に。

きょうは最終戦の試合詳細と、掛布監督&久保投手コーチの総括、そして少しですが話を聞けた選手のコメントをご紹介します。

生目の杜運動公園第2野球場でも、24日は秋晴れの空が広がりました。
生目の杜運動公園第2野球場でも、24日は秋晴れの空が広がりました。

2試合が雨天中止となったあと、24日のDeNA戦は生目の杜運動公園第2野球場で行われ、予定通り望月投手が先発しました。ずっと4番に座った横田選手が最終戦で第2号の先制ソロ!緒方選手は同点の犠飛を放ち、江越選手が勝ち越しタイムリー、5番・陽川選手も3安打の活躍。6回からはリリーフ陣が無失点でつなぎ、1点差の勝利です。阪神は6勝5敗で日程を終えました。

《フェニックス・リーグ》10月24日

DeNA- 阪神 (生目第2)

阪神 010 020 000 = 3

De 001 010 000 = 2

◆バッテリー

【阪神】望月-田面-島本-金田-岩崎 / 坂本-小豆畑(7回~)

【DeNA】砂田(5回)-三嶋(4回) / 嶺井-亀井(9回表)

◆本塁打 神:横田ソロ(砂田)

◆三塁打 De:柴田

◆二塁打 神:陽川 De:関根 

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]二:板山  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0)

2]右:緒方  (3-0-1 / 1-0 / 0 / 0)

3]中:江越  (4-1-1 / 3-0 / 0 / 0)

4]左:横田  (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0)

5]三:陽川  (4-3-0 / 1-0 / 0 / 0)

6]指:梅野  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0)

7]遊:森越  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 1)

8]捕:坂本  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

〃捕:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

9]一:荒木  (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0)

〃一:西田  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

望月 5回 71球 (7-3-1 / 2-2) 150

田面 1回 14球 (0-1-0 / 0-0) 143

島本 1回 12球 (1-0-0 / 0-0) 142

金田 1回 13球 (0-1-0 / 0-0) 149

岩崎 1回 15球 (0-2-0 / 0-0) 141

<試合経過>

これが4試合目の先発だった望月投手。
これが4試合目の先発だった望月投手。
2回に先制のホームランを放った横田選手(左)。
2回に先制のホームランを放った横田選手(左)。
3回1死三塁で白崎選手への初球を打たれて同点…
3回1死三塁で白崎選手への初球を打たれて同点…

1回は三者凡退だった阪神打線ですが、2回に先頭・横田の第2号で1点先制!次の陽川が左越え二塁打を放つも後続を断たれ、ここは1点で終了。3回は再び三者凡退でした。

望月は1回、2番の柴田に左前打され、続く白崎は遊ゴロエラーで1死一、二塁としますが、4番・白根と飛雄馬から連続三振を奪って無失点。ちなみに1番・関根も三振です。2回は内野安打1本のみ。しかし3回、先頭の関根に左中間二塁打を浴び、犠打で1死三塁として白崎の中前タイムリーで同点。

4回の攻撃は1死から横田と陽川に連打が出たものの併殺で無得点。その裏の望月も、ヒットと犠打、2死後に四球を与えながら0点に抑えます。1対1で迎えた5回、阪神は森越の中前打、荒木の四球、板山はセカンドの捕球エラーで1死満塁となり、緒方の右犠飛で勝ち越し!荒木が三塁へ進んで2死一、三塁とし、江越の右前タイムリー!3対1としました。

6回は田面投手が三者凡退。
6回は田面投手が三者凡退。
島本投手は1安打されますが無失点。
島本投手は1安打されますが無失点。
8回の金田投手も三者凡退でした。
8回の金田投手も三者凡退でした。
抑えは岩崎投手。2奪三振の三者凡退。
抑えは岩崎投手。2奪三振の三者凡退。

ところがその裏、1死から柴田に右越え三塁打を許し、2死後に白根の左前タイムリー(サード陽川の頭上を越えて後ろにポトリ…)で1点差。雨のせいで登板が流れた投手陣も多いこともあり、望月はここで交代。5回7安打2失点、最速は150キロです。

後半のDeNAは三嶋が登板。6回は陽川と梅野の連打で無死一、二塁としますが、森越のバントがフライになってファーストが捕球できず、捕ると思った走者2人は塁上に残ったままで3-5-4とボールが渡り併殺。

ここから三嶋の奪三振ショーがスタートです。坂本が三振で3アウト、7回も西田と板山が連続三振、緒方は中飛でしたが、8回はクリーンアップが揃って三振。9回も梅野と森越が三振に倒れ、最後の小豆畑が投ゴロ。結局、4イニングで5連続を含む8三振を喫しています。

こちらの打線も中継ぎ陣が踏ん張りました。6回は田面が三者凡退。7回は島本が2死から柴田に右前打されるも、白崎を中飛に打ち取って無失点(2死目の一ゴロは西田がナイストス、島本ナイスカバー!)。8回の金田は三者凡退。9回の岩崎も三者凡退で、最終戦を白星で飾りました。

望月 多くを学んだ4試合

今リーグでチーム最多の4試合に先発した望月投手。「これまでの3試合は初球でストライクを取り、カウント1-2にして攻めていけたんですけど、きょうは初球が外れたことで不利なカウントにすることが多く、苦しいピッチングになってしまった。これからもカウント有利に進められるようにしたい。高めに浮いた後のボールが大事だと思いました」

同点に追いつかれました。坂本捕手がマウンドへ。
同点に追いつかれました。坂本捕手がマウンドへ。

掛布監督は真っすぐで押していいと。「三振が、だいたい真っすぐで取れていたので、追い込んでからの変化球というのは磨いていきたいですね。自分のものにしたい。でも真っすぐも今のままじゃファウルや空振りは取れない。取れる真っすぐを追い求めていきたいです」

金田投手は22日の日本ハム戦が中止になり、この日は中継ぎで1イニング。計4試合(9イニング)の登板でした。雨で大変だったのでは?「でも僕は結構投げさせてもらった方なので」。最終戦は4番からを3人で片づける余裕のピッチング。「そんなことないです。いっぱい、いっぱいですよ(笑)。でも、いい形で投げられたと思います」

また23日の巨人戦が先発予定だった松田投手は、結局14日以降に登板なく「残念です」と一言。最終日も投球練習場でのピッチングでフェニックス・リーグを打ち上げました。

そして岩崎投手は、雨天中止などで間隔が空いたものの、8試合連続登板。ただ本人は「フェニックスでは、難しいところは経験できていないから」と、あくまで“試験段階”であることを強調しています。最終戦でも何球かフォークを投げ「ちゃんと実戦の中で使えるようにしていかないと。これから秋季キャンプで」とのこと。

平均ストライク率64%!

ここで久保投手コーチの総括をご紹介しましょう。

最終戦の朝、練習前の投手ミーティング。
最終戦の朝、練習前の投手ミーティング。

「このフェニックスでは“ストライク率”をテーマにして、全体での目標は65%でした。65ってのは、とてつもなく高い数字なんですよ。ところが終わってみたら全投手の平均が64%!70%以上の選手もいたから」。そういえば宮崎へ移動する前に田面投手が「ストライク率65%には一流選手の名前がすごく多い」と言っていましたね。

久保コーチは「ストライクの確率を上げて、フォアボールを少なくっていうのが今回チャレンジしていたこと。ストライク先行でいけば打たれない、という意識づけができたと思います。普段のゲームだと、怖いからボール、ボールとなって長打を許してしまう。そのあたりを実戦で身を持って体験できたんじゃないかな。今回の目標の中で、それが大きかった」と評価しています。

既に秋季キャンプモードへ

次に野手陣です。ます今リーグ2本目のホームランを含むマルチ安打で締めくくった横田選手。いいホームランだと掛布監督が評価していました。手応えは?「少しあるし、あしたから秋季練習なので、その前に打ててよかった。打ったのはカーブです」。フェニックス・リーグを振り返って収穫と課題は?「足りないことの方が多い。自分でもわかっているので、しっかり直していきたい」

ホームランを打って迎えられる横田選手。右奥の江越選手、目がまん丸ですけど…
ホームランを打って迎えられる横田選手。右奥の江越選手、目がまん丸ですけど…

足りないことは何かと聞いたら「すべてです。打つのも、走るのも、守るのも」と即答でした。そこを補って、来年はシーズン通して1軍にいるための戦いが、もう始まっているんですね。「はい。あしたから、しっかりアピールしてきます!」。宮崎で変わった横田慎太郎を見てもらいましょう。

陽川選手は14日の西武戦に続く2度目の3安打。「前半では思っていた通りに結果が出なかったですね。自分の課題ができていなかったし。後半はちょっとよくなってきたと思います。1本ずつですけど、結果を出せたので。そこで課題も見えました。チャンスに、またランナーがいなくても1本出るか出ないか。仕留められるところで、打ち損じたりして仕留められなかったのが課題です。秋季キャンプでも、そこらへんをしっかりやっていきたい」

3三振を喫したものの、初戦以来のタイムリーが出た江越選手は「ゲームの中ではやっぱり結果を求められるので、もう少しできたかなというのはあります。見逃す形とか、打つ場合は1球目でとらえられることを意識していました。まだファウルで逃している球はあるので、そこはもっと突き詰めたい。来年のために逆算して、今やっている。秋季キャンプでもしっかり、ケガしないよう体をいじめて鍛えていきます」

掛布監督のフェニックス総括

試合終了時、最後に小豆畑選手を迎えて笑顔の掛布監督。
試合終了時、最後に小豆畑選手を迎えて笑顔の掛布監督。

お待たせしました。締めは掛布監督の総括。まず「望月はちょっと球が高かったねぇ。持っていかれていた。本人もわかっているんじゃない?それより先発の4試合にちゃんと投げられて、ヒジや肩の問題もなく終わって、秋季キャンプに行っても自信になると思うよ。来年に向けて課題も見えただろうし」と話しています。「これで我々の手から離れていくと思う。そういう意味では望月にとって、いいフェニックスだったんじゃないかな」

岩崎投手については「3連投もできているし、このレベルのバッターだと岩崎の独特のストレートは相当速く感じるだろう。ストレートだけでなく、若い子には厳しいストライクの取り方も知っているからね。きょうの三嶋もそう。この前の高木勇(巨人)も。岩崎だって、このくらいは当たり前ですよ。ここでは連投できるかどうかの確認。秋季キャンプでどれだけ走り込むかわからないけど、すべて来年だから」とのことでした。

この日も掛布監督は、試合前の打撃練習で江越選手(左)を指導。
この日も掛布監督は、試合前の打撃練習で江越選手(左)を指導。

野手では今リーグで3番、4番を打った2人に言及。「横田は(最終戦で)一発出たからね。出会い頭じゃない、いいホームランだった。バッティング練習もいい形で打っていた。早めに足を上げて待つような。ボールを見る形もだいぶよくなっている。あす、あさって甲子園でやって『あ、変わったな』と言われると思うよ。『ああ、こんなになっているんだ』とね」

21日にも掛布監督は「去年の秋季キャンプは、金本監督がずっと安芸にいられないこともあって横田は鳴尾浜での練習になった。それで2月のキャンプは安芸の予定が沖縄になり、そのまま開幕へつながったんだけど、今回は横田自身が“違う横田”を見せないと。2番としての横田じゃなくて、トリプルスリーとか、もっとスケールの大きい選手になれるところを」と触れていたところでした。

また「江越も、ゲームになるとまだ頭と体がうまく合っていかないみたいで結果が出ていないけど、練習はいい形になりつつある。ゲームをやりながら追い込んでいくのは時間的にも、施設を使える状態も含めて無理があったけど。練習ではいいものを出してきてくれるはず。できれば横田にしても江越にしても、ここは最後にしてほしいね」と。“ここ”とは掛布監督がいるファームのことでしょう。

「大切な20日間にしてほしい」

そのあとは秋季キャンプについて。「ほとんどが安芸へ行きますよ。鳴尾浜はキャッチャー3人と野手3人かな。去年は金本監督がずっと安芸にいられなかったから、ことし初めて20日間のキャンプをやるわけで。若い子を自分の目で見て、レベルをあげたいという気持ちもあるでしょう。フェニックスの途中で方向転換して体力強化に切り替えたので戸惑ったかもしれないが、来年に向けての強化をやってもらいたいという金本監督も当然だと思う」

24日の夕方、宮崎ブーゲンビリア空港の空にも秋の気配が。
24日の夕方、宮崎ブーゲンビリア空港の空にも秋の気配が。

最後に掛布監督は「ここにいる彼らが主役を張るくらいのチームになれば、変わっていくでしょう。かなり厳しいキャンプになるだろう。その中で、2月のキャンプの“ふるい”にかけられることになる。大切な20日間にしてほしい」と、しばし自身の手を離れていく若トラたちの後ろ姿にエールを送りました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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