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阪神の契約更改交渉 6年目の荒木、中谷、島本が1000万円台に《11/18》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
ことしは6月半ばから最後まで1軍にいた中谷選手。大きな自信を得たはずです。

阪神タイガースの契約更改は17日の9選手に続いて、18日も9選手が登場。球団事務所のプレスルームには、午前11時から夕方5時半くらいまで次々と選手がやってきて、満足そうだったり険しかったり…様々な表情を見せました。この日は6人がアップ、2人がダウン、1人が現状維持という内訳、やはり全員がサインをしています。

なお合間の午後1時には、ソフトバンクを自由契約となった柳瀬明宏投手(33)との契約が行われ、さっそく会見がありました。背番号は66だそうです。

では交渉順にコメントをご紹介しますが、いつものように年数の右の数字は『今季の年俸→来季の年俸』で、金額(万円)は推定です。この日は小宮山選手が下がった額と来季の年俸を、また島本投手は増額分を自分の口で言ってくれたり、少しヒントの見えた選手もいましたね。

なお私は午後の緒方選手から会見に参加したので、荒木選手と小宮山選手については教えていただいたコメントと、グラウンドで撮った写真です。ご了承ください。17日に行われた契約更改の結果は、こちらからでもご覧いただけます。

<阪神の契約更改交渉が本格化 揃ってアップした1年目トリオ 11/17・前編>

<阪神の契約更改交渉 12年目の岡崎選手が7年ぶりのアップ 11/17・後編>

【荒木選手】6年目 800→1000

サインは?「しました」。金額は?「アップしました」。球団からどのような話が?「ことしの成績とシーズン中の小技、エンドランやバントの部分で評価してもらいました」。ことしを振り返って、どんなシーズンだった?「一番充実したシーズンでしたね」

10月、フェニックス・リーグ中の宮崎にて。
10月、フェニックス・リーグ中の宮崎にて。

来年、セカンドのポジションでチャンスがあると思いますが。「二塁で勝負しに行くというか、まあそう思っています」。バッティングに関しては?「秋季キャンプで振る量も多かったし、振りながら考えて練習していました。来年以降につながるようやっていきたい」。オフは何を重点的に過ごそうと思っていますか?「今から考えます」

【小宮山選手】13年目 1200→1050

サインは?「しました」。金額は?「ダウンですね。150万円ダウンの1050万円です。何もしていないので仕方がないです。来年がんばってくれと言われました」。背番号の変更(17日に発表。39から59へ)に関しては?「半分悔しいのと、半分ホッとしているという感じですかね」

8月16日、ウエスタン・ソフトバンク戦(鳴)で今季1号!
8月16日、ウエスタン・ソフトバンク戦(鳴)で今季1号!

ホッとしているというのは?「期待されていたのが薄くなったというか、変に力まずできそうかなと。僕は39にふさわしくなかったということです」。来年の抱負は?「レギュラーで1軍に入るのは現状として難しいと思う。若い選手たちが中心になると思いますが、2軍で腐らずにやって何かあった時に呼ばれるよう、しっかり準備してやっていきます」

オフは?「ケガしない体を作ることと、肩が最近弱いので衰えないようにしっかり練習したいです」

【島本投手】6年目 720→1100

サインはしましたか?「はい」。アップ?「はい」。自分の中では結構上がったと思う?「そうですね、想像していたより」。球団からはどういう話が?「去年より内容がよかったというのと、でも試合数はもっと投げて欲しいと言われました」

その試合数、具体的に何試合くらい投げたい?「毎年言っているんですけど、50試合を目標にしたいというのがあります」。ことし故障がなければ、いけたのでは?「50試合はわからないですけど、30試合以上は投げられたかなというのはあるので、もったいないなと思いますね」

育成で入団し、支配下になって2年目。1000万円を超えて笑顔の島本投手です。
育成で入団し、支配下になって2年目。1000万円を超えて笑顔の島本投手です。

DeNAの筒香選手を三振に取った場面が印象に残ってますが、手応えをつかんだ?「ああいうバッターを抑えていかないとダメだと思っているので、しっかり抑えたいです」

終盤は連投も多かった島本投手。来年に向けて「このキャンプからしっかりやってきました。強い体を作っていきたい」と話しています。自主トレについては「特に決めていませんが、甲子園でやろうと思っている」とのことでした。

【緒方選手】4年目 800→800

サインはされましたか?「はい」。球団からどのような話がありましたか?「自分でも十分わかってはいるのですが、まだ成績としては物足りないので、来年はもっと頑張ってくれとゲキをいただきました」。金額は?「維持です」

「外野手の中で一番下」と自身を奮い立たせる緒方選手。来季は活躍して大幅アップを!
「外野手の中で一番下」と自身を奮い立たせる緒方選手。来季は活躍して大幅アップを!

物足りないところはどこだと?「やっぱり総合的に勝負しないといけない立場だと思うので、まだまだそれに関してはすべてが物足りないです。今の自分の立ち位置は外野手の中で一番下だと思う。来年はとにかく、がむしゃらに上を目指して頑張りたいと思います!」

【金田投手】4年目 1500→1400

サインはされましたか?「はい」。金額は?「ダウンです。ことし結果を出せなかったので、ダウンというのはわかっていました」。球団からどんな話が?「やっぱり右の中継ぎという点で、2年前の実績もあるので期待していたけど、僕が活躍できなかったので。そこをしっかり来年は頼むと言ってもらいました」

秋季キャンプでは?「クイックという課題に取り組んで、いい感じで終われた。実戦の中で相手を抑えるという意味で今後もやっていきたい」。ことしファームで先発したことは役に立ちそう?「先発だと何度も打者と対戦するので、中継ぎで“無理やり勝負”することがなくなったし、配球面を考えるようになりましたね」

右の中継ぎとして、おととしのような活躍を期待される金田投手。
右の中継ぎとして、おととしのような活躍を期待される金田投手。

来年の目標は?「2年前に40試合投げているので、その40試合登板を目標にしたいです」。ことし同じ町出身の広島・中崎投手がブレイクしましたが、それは刺激になりましたか?「一応後輩ではあるので、負けたくないという感じですかね。自分も同じ舞台でやらなければいけないという気持ちはあります」

【秋山投手】7年目 1000→1100

サインはされましたか?「はい」。金額は?「久しぶりに1勝したので、その分上げてもらえたかなという感じです」。その勝利、自身にとっても来年に向けて大きいのでは?「勝ちの喜びを久々に味わえたので、それ以降もいいモチベーションでトレーニングに励めていました」

秋季キャンプ最終日に、金本監督が名前を挙げて“来年に期待”と。「監督にどう評価してもらうかってのも課題にキャンプに入っていたので、ブルペンや実戦でしっかり結果も残せて、監督からそういう言葉をもらえたのは少しアピールできたのかなと思います。球団の方にもかなり期待はしてもらっているから、この冬はしっかりトレーニングに励みたいと思います」

背番号が変更(17日に発表。27から46へ)されたことは?「ドラフト4位ですごくいい番号をもらって、愛着もありますけど、7年間しっかりした成績は残せていなかったので仕方がないと思いますし、気持ちを切り替えてまた来季も頑張りたいです。いい状態できているので」

4年ぶりの1勝で久々にアップ更改。背番号は来季から『46』になります。
4年ぶりの1勝で久々にアップ更改。背番号は来季から『46』になります。

そして「いろいろ欲しい番号とか若い番号とか憧れはあるけど、まずは結果を残さないと。そういうことを考えず結果を求めて頑張りたい」と表情を引き締めました。

来年は開幕ローテーションに照準を合わせて?「そうですね、やっぱりどこでもいいから1軍で投げたいという気持ちはありますが、ことし最後に先発で結果を残せましたし、やれるのであれば先発をしたい気持ちが強いので、できることを精一杯やっていきたいです」

【中谷選手】6年目 700→1200

サインは?「しました。上げてもらいました」。球団からの評価は?「ことし1年は前に比べてよくやったと、その中で守備のことをけっこう評価してくださいました」。ことしはどんなシーズン?「いろいろ経験できたシーズンでしたし、自分の野球人生の中でいいシーズンだったと思います」

ポイントになる試合や場面を聞かれ「最初の頃のマツダスタジアムでの3連戦、そのへんが自分の中で一番ポイントだった試合やなあと思います。あの時は必死だったので、そこで結果が出たというのが自分の中でプラスになった」と答えた中谷選手。

昇格して10日後、6月24日からの広島3連戦ですね。守備で俊介選手と激突したサヨナラ負けなどチームは3連敗でしたが、自身初の猛打賞や1軍初ホームランも。忘れられないほど濃い時間だったでしょう。特に若手が積極的に使われたシーズン、そのあたりもモチベーションにつながったのでは?「ファームにいる時も年下や同級生が活躍している姿を見て刺激になりました」

3割20本、そしてサードも!

中谷選手は上がり幅を聞かれて明言しなかったものの、エレベーターでこんな顔に。
中谷選手は上がり幅を聞かれて明言しなかったものの、エレベーターでこんな顔に。

新しいポジションのチャレンジもあると思いますが?「サードをやらせてもらって自分の幅が広がると思いますし、いろいろできるというところをアピールしてやっていきたい。来年は最初から1年間ずっと1軍にいられるように、その中でしっかりレギュラーをつかむという強い気持ちを持ってやっていきたいです」

守備をけっこう評価してもらったとか。それは自身で意外?「去年から評価していると言われていたのもあったし、意外とまではいかないけど自分にとって嬉しいことでした」。外野ですが、サードも外国人などライバルは多そうですね。「しっかり全部アピールしたい。バッティングも、守っても走っても」

来年に向けて「ことし、ほんと試合に出させてもらって1軍への強い気持ちが出てきたし、もっともっと活躍したいという思いが高まりました。(数字では)ことし途中まで3割をずっとキープしていたので、3割という目標をしっかり持って、ホームランは最低でも2ケタ打てるような活躍をしたいです!」

【江越選手】2年目 1600→1700

サインはしましたか?「はい。少しだけ上がりました」。球団からは?「打率が2割9厘だったので、確実性にちょっと欠けていたと言われました」。球団と、自分自身の評価は一致?「自分でもそこは一番悔しい、歯がゆいと思っていたところだったので、その部分を言われて納得しています」

来季からやっていこうと思っていることはありますか?「打率でいうと去年と2年間、同じような成績だったので、来年は3年目ですし、なんとかこの秋季キャンプで取り組んだことをオフに意識してやって、変わったところを見せないといけないと。そういう自覚を持ってやりたいと思います」

来年の具体的な数字の目標は?「具体的にはまだ決めていませんが、1年間1軍で試合に出るためにはそれなりの数字が必要だと思うので、1年間1軍で試合に出るということを目標にやっていきたい」

3年目の来季は、打率アップを目標に掲げる江越選手。
3年目の来季は、打率アップを目標に掲げる江越選手。

秋季キャンプではコンパクトなスイングをしていましたね。「ただ振ればいいというだけじゃない。コンパクトに振って、それでも打球は飛ぶっていうことをキャンプでしっかり意識できたので、もう一回“一から変える”というか、そういう気持ちでやっていきたいと思います」

ウエートトレーニングも継続?「秋季キャンプで終わりじゃないので。2月1日のキャンプイン、来シーズンのための準備は今始まったということです」。どこを特に鍛えるかと質問され「全部!」と即答して微笑んだ江越選手。体重をどうとか、数字的な目標は特にないと言っていました。

打率を上げるために、このオフにやることは?「やっぱり一番はタイミングだと思うので、素振りからも意識してやっていこうかなと。バットを変えるとかってのはないですね」。キャンプ同様、オフも休まずに?「できる時はしっかりとやります」

【陽川選手】3年目 800→900

サインは?「しました。ちょっとアップです」。やはりホームランを評価してもらったのでしょうか?「そこはちょっと評価していただきましたが、1軍で何回もチャンスをもらって最終的に全然結果を残せなかったというところを言われましたね」

1軍を経験したシーズン、どんな1年だった?「初めて1軍に上がって、また違う雰囲気の中でやらせていただいて、結果はついてこなかったですけど、来年はこの経験を生かして、しっかり一軍に定着できるように頑張っていきたいと思います」

1軍でやっていくために強化するポイントは?「1軍に上がると1軍のピッチャーの真っすぐが特に打てていなかったので、そういうところをしっかり自分で考えながらやっていく感じです」。印象に残るピッチャーは?「1軍で投げているピッチャー全部です」

ウエスタンでは本塁打と打点の2冠を獲得、打率も3割を超えました。来年は1軍で!
ウエスタンでは本塁打と打点の2冠を獲得、打率も3割を超えました。来年は1軍で!

ホームランを打った試合では、同期の岩貞投手が投げていて思い出に残ったのでは?「自分が1軍に上がって初めてのホームランだったので、それは自分の中でも一番印象深い試合でもありました」。4月29日のDeNA戦(甲子園)で2勝目を上げた岩貞投手と、プロ1号が逆転2ランとなった陽川選手の、同級生コンビがお立ち台に上がった試合ですね。

ところで、1日1000スイングというノルマが課せられていた秋季キャンプ。オフも続けますか?「まだ考えていないけど、自分の課題に向かっていくだけです」。ウエートトレーニングは?「今後もやっていくつもりです。チームとして(課せられたもの)もありますが、個人的にも。特に体重を増やすとかは考えていなくて、キャンプで体作りできたし、それを落とさないようオフもやっていきたい」

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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