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米韓情報当局が注目する「傷だらけの将軍様」の健康状態

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

金正恩第一書記が先日、江原道の元山製靴工場を視察した際に左手に包帯を巻いている場面が捉えられた。労働新聞11月27日付に載った靴工場視察写真では、金第一書記の左手に包帯と思われる白い布が巻かれているのがはっきりと見える。

確か、11月23日に報じられた第549部隊傘下の15号水産事業所視察では、左手首は腕時計だけで、包帯らしきものは巻いてなかった。ということは、24日から26日の間に痛めたことになる。

左手で靴を取って、触っており、あるいは両手を突いて体を支えているところを見る限り、日常生活には支障や不自由がないようだ。それでも、今年4月にも右手に同様の包帯らしきものを巻いていただけに一度ならず、二度も手首を痛めるとは尋常ではない。

金第一書記の健康問題が初めて取り沙汰されたのは、昨年7月5日のソンドウォン国際少年団キャンプ場を視察した時で、金第一書記は足を引きずっていた。11日後の7月16日に水産研究所を視察した際も完治してなかったのか、足を引きづっていた。いずれも左足だった。ところが、8月に入ると、今度は右足を引きづっていた。

足の状態が思わしくないのか、昨年は9月9日の建国記念日の式典も、9月25日の最高人民会議にも、また10月10日の労働党創建日の宮殿参拝も欠席していた。最高人民会議の翌日に放映された金正恩活動記録映画には杖を持っている場面も映りだされたが、その際「不便な体で精力的に視察している」とのナレーションが流れた。

金第一書記は10月13日に平壌に完成した科学者のための住宅地である衛星科学者住宅地区を現地指導のため久しぶりに姿を現したが、動静が伝えられたのは、9月3日のモランボン楽団公演鑑賞以来実に40日ぶりのことであった。痛風で40日間も休養とは考えにくい。足首かひざに怪我を負い、最初はひきずっていたものの、悪化し歩行困難になったものとみられる。

足の負傷ならば、バランスを崩し、前のめりになった際に手を付いて、痛めた可能性も考えられなくもない。では、なぜそう頻繁に躓くのか?肥満が原因かもしれない。

モランボン楽団の公演鑑賞には李雪主夫人が付き添っていたが、配信された写真をみると、金第一書記は右手に煙草をくわえていた。タバコを吸っているのは、金第一書記一人だけだった。二人の両脇には75歳の黄炳誓人民軍総政治局長と86歳の金基男党書記が座っていた。いかに愛煙家とはいえ、映画館や音楽会などでの喫煙とはよほどのことだ。まして、長老らの前での喫煙は、朝鮮半島の礼儀作法として許されるべきことではない。ストレス解消のためか、肥満防止のためなのか、どちらかだろう。

韓国紙、朝鮮日報は(9月26日付)によると、韓国政府は金第一書記の肥満が進み、体形や足取りから、過去5年間で体重が約30キロ増えて現在は約130キロと分析している。

肥満が進行すれば、循環器系の病気につながるため、米国など周辺国は金正恩第一書記の体形の変化に注目しているとのことである

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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