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日本は金メダル獲得数で韓国を上回れるか

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
金メダルを獲得した男子体操(写真:田村翔/アフロスポーツ)

日韓はスポーツの世界では「永遠のライバル」とか「宿命のライバル」と称される。ということもあって、リオ五輪でも日韓のメダル争いが韓国では関心事となっているようだ。

日本は滑り出し上々だ。10日現在、メダル獲得数は水泳と体操、柔道の金メダル3個含め12個(銀0、銅9)で、順位は8位だ。

JOC(日本オリンピック委員会)が予想した日本の金メダル獲得数は女子レスリング4個、男子体操3個、競泳3個、柔道3個、バトミントン1個の合計14個。目標通りの14個ならば、1966年の東京五輪、2004年のアテネ五輪に続く歴代3位の金メダル獲得数となる。

アメリカの大手データサイト「グレースノート」が予想する日本のメダル数はJOCの予想と同じで、金14個(銀10個、銀13個)と出ているが、金メダル候補のフェンシングの太田選手が初戦敗退したので13個と、1個減る勘定となる。それでも13個だ。

一方の韓国は10日現在、金3個(アーチェリ2個とフェンシング1個)を含め6個(銀2、銅1)で6位。初日の射撃10mエアピストルと柔道60kg級と66kg級、それに73kgで金メダルが期待されていたが、柔道の銀メダル一つにとどまったことと、前回のロンドンで金2個、銀と銅をそれぞれ1個獲得したフェンシングで金1個しか取れなかったのが誤算だ。

韓国は金10個以上、総合10位以内が目標だ。前回のロンドンでは13個の金を獲得し、順位は5位。また前々回の北京でも13個を取って、7位に入っているので、10位以内は可能と予想している。

今後、テコンドーで2個、アーチェリー、射撃、柔道(90kg)、レスリング、バトミントン、ゴルフの各種目でそれぞれ金メダル1個を取れば、目標を達成できる。しかし、仮に日本が金13個取れば、2004年のアテネ以来の「日韓逆転」となる。

夏季五輪ではバルセロナ五輪(1992年)からロンドン五輪(2012年)までの計6回で金メダル数、順位で日本よりも下回ったのは2004年のアテネ五輪のたった1回しかない。

バルセロナは日本22個(金3個、銀8個、銅11個)に対して韓国29個(金12個、銀5個、銅12個)で、金メダルの数では日本の4倍。アトランタ(1996年)でも日本14個(金3個、銀6個、銅5個)に対して韓国27個(金7個、銀15個、銅5個)で韓国が上回っていた。

シドニー(2000年)も日本18個(金5個、銀8個、銅5個)に対して韓国28個(金8個、銀10個、銅10個)とこれまた韓国が上だった。ところが、アテネ(2004年)では日本37個(金16個、銀9個、銅12個)に対して韓国は30個(金9個、銀12個、銅9個)と、メダル総数だけでなく、金メダルの数でも日本が韓国を上回った。この年、日本の順位は米、中、露、豪に続く5位だった。

北京(2008年)では日本25個(金9個、銀6個、銅10個)に対して韓国31個(金13個、銀10個、銅8個)と再び逆転されたが、前回のロンドンでは日本38個(金7個、銀14個、銅17個)に対して韓国28個(金13個、銀8個、銅7個)と、メダル総数では韓国よりも上回ったものの金メダル数で劣ったため順位は11位と、5位の韓国よりも下位に甘んじた。

実は、夏季五輪だけでなく、冬季五輪でも日本は韓国に圧倒されているのが実情である。

アルベールビル(1992年)から前回のソチ(2014年)までの計7回の冬季五輪の日韓の「成績」は韓国の5勝2敗に終わっている。

アルベールビルでは日本は7個(金1個、銀2個、銅4個)で韓国は4個(金2個、銀1個、銅1個)とメダル獲得数では日本が上回っていたが、金メダルの数が下回ったことから順位では韓国が10位、日本は11位となっている。

日本が金メダルの数でも、メダル総数でも、順位でも韓国を上回ったのは、1998年の長野五輪だけで、日本10個(金5個、銀1個、銅4個=7位)に対して韓国6個(金3個、銀1個、銅2個=9位)だった。

しかし、次のソルトレイクシティ(2002年)では日本は2個(金0個、銀1個、銅1個=21位)、韓国は4個(金2個、銀2個、銅0個=14位)と韓国がまた優位に立った。

以降、トリノ(2006年)では、日本は1個(金1個、銀0個、銅0個=18位)に対して韓国は11個(金6個、銀3個、銅2個=7位)、またバンクーバー(2010年)でも日本は5個(金0個、銀3個、銅2個=20位)に対して韓国は14個(金6個、銀6個、銅2個=5位)と大差がついた。

そして、前回ソチ(2014年)では日韓共にメダル総数では8個と並んだが、金メダル1個の日本に対して韓国が3個だったことから、順位は韓国が上だった。

次回2020年の夏季五輪の主催国として、また、アジアで2度の夏季五輪の開催国としてのプライドを賭けて、また東京に繋げるためにも日本の健闘を期待したい。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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