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痛風が再発?再び足を引きずった金正恩委員長

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
禁煙できない金正恩委員長

朝鮮中央テレビが昨日(17日)に公開した記録映画に金正恩委員長が左足を引きずって歩いている場面が移りだされたことで金委員長の健康問題に再び関心が集まっている。それもそのはずで、2014年にも片足を引きずっていたことがあったからだ。

記録映画を検証すると、確かに金委員長は新たに建設された少年団野営所や靴工場、発電所を視察した際に左足を庇うかのように右足に体重をかけて歩いていた。

金委員長が視察した場所はいずれも東部・江原道の元山市にあり、野営所の視察については7日、靴工場は9日、発電所は13日にそれぞれ報道があった。野営所の正式名称は「12.6少年野営所」であることから野営所視察は12月6日にあったものと推測される。ということは少なくとも12日までの約一週間、左足が不自由のまま視察を続けていたことになる。

いつの時点で左足を引きずっていたのかは定かではないが、野営所視察の5日前の12月1日には朝鮮人民軍前線部隊砲兵部隊の訓練を視察していることからその直後に足を痛めたものと考えられる。

今回の件で金委員長の健康不安が取り沙汰される理由は、2014年にも同じように足を引きずっていたことがあったからである。2014年7月に朝鮮中央テレビが生中継した行事の映像で金委員長が左足を引きずる姿が捉えられていた。

この時も奇妙なことに元山を視察していた。足を引きずっていたのは7月5日に松濤園国際少年団野営場を視察した際だった。11日後の7月16日に水産研究所を視察した際にも引きづっていた。今回と同じ左足だった。当時は、辺境地など足場の悪い所を視察した際に捻挫したのではとみられていた。ところが、9月に入ると、今度は右足を引きづっていた。

足の状態が思わしくないのか、この年は建国記念日(9月9日)の式典も、最高人民会議(9月25日)も、また10月10日の労働党創建日の宮殿参拝も欠席していた。そして、最高人民会議の翌日に放映された金正恩活動記録映画には杖を持っている場面が映りだされ「不便な体で精力的に視察している」とのナレーションが流れた。当時は、左足を庇うあまり、右足に負担がかかったのではとみられていた。

翌年の2015年11月には足ではなく、手を痛めていた。左手に包帯を巻いている場面が捉えられた。この時も、不思議なことに元山で、今回と同じく製靴工場を視察した時だった。労働新聞(11月27日付)に載った靴工場視察写真には金委員長の左手に包帯と思われる白い布が巻かれているのがはっきりと見えた。

但し、左手で靴を取って、触っており、あるいは両手を突いて体を支えていたので日常生活には支障や不自由がなかったようだ。この年は4月にも右手に同様の包帯らしきものを巻いていた。足の負傷でバランスを崩し、前のめりになった際に手を付いて、痛めた可能性が考えられた。

問題はなぜそう頻繁に躓くのかだが、その原因として肥満が指摘されていた。韓国政府は金委員長の肥満が進み、体形や足取りから、過去5年間で体重が約30キロ増えて現在は約130キロと分析している。

(参考資料:禁煙に失敗?金正恩委員長の喫煙復活の謎

二度も同じ個所を痛めているならば、痛風の可能性が大だ。噂されるように高尿酸血症や高脂血症、肥満、糖尿、高血圧などを伴う痛風に苦しんでいるのかもしれない。

痛風は尿酸の管理が大事だが、金委員長は頻繁な飲酒や暴食で健康管理がきちんと出来ておらず、症状が悪化したのかもしれない。業務には大きな支障がないかもしれないが、放置すれば、糖尿病や狭心症などを併発する恐れもあるだけに要注意だ。

(参考資料:「金正恩が出て来た!」――「今年最長失踪」の理由は?

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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