【2輪事故を25%以上低減】バイクのABS装備が2018年から義務化!
バイクのABS装備が義務化されることになった。国土交通省はこのほど、2輪車の安全性強化の一環として、新型車については平成30年(2018年)10月から、継続生産車については平成33年(2021年)10月からABS(アンチロックブレーキシステム)またはCBS(コンバインドブレーキシステム)の装着を義務づけると発表した。
適用範囲は「二輪自動車」と「第二種原動機付自転車」(50cc以上、125cc以下)で、前者はABS、後者はABSまたはCBSの装着が必要となる。また、50cc以下の原付、トライアル車やサイドカーは除外されることになった。
バイク乗りならご存じのとおり、ABSはブレーキロックを防止するための装置である。特にパニックブレーキや低ミュー路で発生しやすい危険なブレーキロックを解除し、安全に減速させるための仕組み。
一方、CBSは前後連動ブレーキのことで、前後どちらかのブレーキをかけるともう一方のブレーキにも自動的に最適な制動力が配分されるというもの。ライダーのブレーキ操作の負担を低減しつつ、万が一の場合には強力な制動力で安全にも寄与する装置である。
最近では電子制御技術の進歩によってABSやCBSの性能も高まり、ごく自然な操作感のまま、最大限のブレーキ性能を発揮できるようになってきた。さらには、4輪の世界では一般化しているスタビリティ・コントロールのように、あらゆるシチュエーションにおいてマシンの挙動をトータル的に安定させるデバイスも、一部の高級モデルには装備され始めている。
実はモータリゼーション先進国の欧州ではすでに2016年から2輪車へのABSの標準装備が義務化されることが決まっている。日本でもやや後追いする形で今回の決定となったわけだ。ABSシステムの開発で世界をリードするドイツ・ボッシュ社の調査によると、ABSが標準装備されることで、「モーターサイクルに関連する生命にかかわる深刻な事故の1/4以上を防ぐことができる」そうだ。
自動運転を例に挙げるまでもなく、モビリティの安全対策が飛躍的に進んでいる今日において、2輪車のABSやCBSの標準化はまさに時代の要請と言えるものだろう。大いに歓迎されるべきことと思う。