【2輪用スーパーチャージャーの衝撃】最強の公道バージョン「Ninja H2」270万円で発売!
最近のバイク、特に国産モデルが面白くない、バイク本来の魅力を持った刺激的なマシンが欲しいと思っていた方に朗報だ。
まさに、そうしたユーザーの声に応える形でカワサキが、川崎重工グループの総力を結集して作り上げた“究極のロードスポーツモデル"、「Ninja H2/H2R」の公道バージョンがいよいよ来春3月上旬より国内投入、270万円(BRIGHT参考小売価格)で発売されることとなった。
これまでの経緯を簡単に振り返ってみよう。
昨年の東京モーターショーにおいて、カワサキは2輪用スーパーチャージャーを発表している。これはガスタービンで実績のある川崎重工の協力を得て、自社製ユニットをエンジンと同時開発することで、これまでにない高効率なスーパーチャージドエンジンを目指すというものだった。今思えば、これこそH2Rを予告するものだったのだ。
そして、約1年後の今年10月、インターモト(ドイツ・ケルン)で世界初見参となったサーキット限定仕様の「H2R」は、スーパーチャージャーを装備し、これまでの2輪車の常識を覆す300psを実現するマシンとして一躍脚光を浴びる存在となったことは記憶に新しい。
続く11月に開催されたEICMA(イタリア・ミラノ)ではその公道バージョンである「H2」が発表され、さらに国内では、全日本ロード選手権最終戦(鈴鹿サーキット)のアトラクションとして、「H2R」が詰めかけた大観衆の前で初デモ走行を披露。トップスピード300km/hオーバーの快音を轟かせた。
メカニズムなどの詳細な解説はメーカー発表の公式リリースに譲るとして、「Ninja H2/H2R」で括目したいのは、その高性能もさることながらカワサキの本気度。心臓部であるエンジンを例にとってもそれはよく分かる。過給機付きのエンジン自体は以前からあり、カワサキでも80年代にはGPZ750ターボなどを発売していた時期もある。
ただ、「Ninja H2/H2R」が以前と異なるのは、エンジンに過給器を取り付けたものではなく、最初から「過給エンジン」として設計を進めたことだ。これを可能にしたのが川崎重工ガスタービン・機械カンパニーからの技術移管であり、航空機用エンジンで培われた軽量コンパクトなスーパーチャージドエンジンの技術だったのだ。ウイングやフラップを持つ独特のボディワークについても同様に、航空宇宙センターの流体解析技術を生かした最新のエアロダイナミクスが投入されている。
つまり、「Ninja H2/H2R」は本質的には、カワサキ製ではなく川崎重工製なのである。それはこのマシンのエンブレムに、重工のシンボルである「リバーマーク」が奢られていることからも分かる。それだけ特別なマシンなのだ。歴史の転換点となれるか、興味は尽きない。