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【キープレフトの原則】バイクやクルマは厳密にはどこを走ればいいのか!?

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
「キープレフト」の本当の意味は・・・

「キープレフトで走ろう」という標語を街のポスターで見かけました。よく見ると、自転車が公道を走る際のルールについて書かれたものでした。ふと思ったのは「バイクではどうだったか」ということ。そういえば、教習所ではキープレフトと教わった気がするけれど、でも実際はクルマもバイクも意識している人は少ないようだし・・・・・・。もやもやするので、ちょっと調べてみました。

辞書などでは、キープレフトとは「道路における車両の左側通行を定めた国において、原則として道路左半分のなかでもさらに左寄りを通行すべきことを表す言葉」となっています。キープレフトが意図するところは、道路の中央付近を空けておくことで対向車との接触を防いだり、追越しや右折等がスムーズに行われることで円滑な交通を実現するためだとか。

道路交通法では「車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあっては道路の左側に寄って、軽車両にあっては道路の左側端に寄って、それぞれ当該道路を通行しなければならない」とあります。

つまり、センターラインのない道路はもちろん、片側1車線の道路でもクルマやバイク、原付も含めて自分の車線の「左寄り」を走るべきということです。ただ、微妙なのはどれぐらい「左寄り」ならいいのか数値化されていないところです。「左側端」は自転車を含む軽車両が通行する部分なので、あまり寄り過ぎてもダメなわけで判断が難しいところです。

そのとき、思い出しました。以前、取材で白バイ隊の指導教官に「道路のどこを走るべきか」を訪ねたところ、「道路の左端から1mぐらい内側に入った辺りかな」とおっしゃっていました。仮に道路の幅が2.5mとすると、真ん中よりちょっと左寄りです。

そこなら路肩からもある程度距離を保てるので歩行者などの飛び出しにも対応しやすいし、自転車が左端を走っていても安全に追い抜くことができるはずです。また、あまり左端に寄り過ぎていると後続車に道を譲っていると思われ、かえって危険な目に会うこともあるため、極端なキープレフトも考えものでしょう。教官の言葉は、あらためて理に適っていると思いました。

「キープレフトの原則」は法で定められたルールですが、人命の安全が優先されることは言うまでもありません。どこを走るべきか・・・・・・、それはライダー自身で程よい加減を見つけていくしかないようですね。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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