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【公道を走れるGPマシン!?】 ヤマハ「YZF-R1」と「YZF-R1M」がいよいよ国内販売へ!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
YAMAHA「YZF-R1M」

ヤマハの逆輸入車を扱うプレストコーポレーションから、ミラノショーで発表された2015モデルの新型「YZF-R1」とレース対応の上級バージョンである「YZF-R1M」の取り扱いが正式に発表された。

発売時期は2015年5月下旬の予定だ。仕向地はカナダ仕様で、参考小売価格は「YZF-R1」が2,200,000円、「YZF-R1M」が2,950,000円(共に税別)となっている。なお、スペック等は未発表で、日本の環境基準に適合した仕様となる見込み。 詳細は追って同社ホームページで告知されるとのことだ。

MotoGPマシン「YZR-M1」 の技術思想を体感できるサーキット最速のポテンシャルを備えるモデルとして開発された「YZF-R1」と「YZF-R1M」。すでにプレス関係からは海外試乗会でのインプレなどがアップされているが、相当なハイスペックマシンであることは間違いないようだ。

エンジンはクロスプレーン型クランクシャフトを備えた新設計の 998cm3水冷直列4気筒で現行比18psアップとなる200psを発揮。チタンコンロッドをはじめとする軽量化技術を随所に施し、エンジン単体で4kg、幅も34mmコンパクトに仕上げた。車体にも軽量マグネシウム鋳造ホイールやアルミ製燃料タンク(17リットル容量)を採用するなど徹底的に軽量化されている。

電子制御も大幅に進化した。GPマシン直系の6 軸姿勢センサーを搭載することで、「ピッチ」「ロール」「ヨー」「前後」「上下」「左右」の各方向から演算されたバンク角、ピッチレート、横滑り加速などの車両姿勢情報から逐次最適な出力に反映される仕組みになっている。

また、バンク角情報をも反映する新型TCS(トラクションコントロール)とリアタイヤの横滑り情報を反映するSCS(スライドコントロール)、前輪浮き等によるロスを抑止するLIF(リフトコントロール)、レース時の俊敏な発進を支援するLCS(ロウンチコントロール)、機敏なシフトアップを支援するQSS(クイックシフト)など5種の制御システムも搭載。

200馬力の強大なパワーを高度な制御技術によってライダーが走りに集中できる高次元なハンドリングへと昇華している。

さらに上級モデルの「YZF-R1M」には、オーリンズ製電子制御サスペンションやカーボン素材の軽量カウル、走行状況を記録するデータロガー機能などのレース対応のインターフェイスや200mm幅リアセミハイグリップタイヤなどを採用されている。

開発にはMotoGPヤマハレーシングチームのバレンチーノ・ロッシが関わり、また、開発スタッフもGPマシンで走り込んでその神髄を体感するなど、市販車の開発としては異例とも言える陣容で取り組んだことも伝えられている。ヤマハの発表によれば、新型R1のコンセプトはずばり「サーキット最速」とのこと。それが証明される日も近い。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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