【バイクや自転車の整備】セルフメンテナンスは工具選びから!?
■夏に向けて、愛車の整備を
大型連休も終わってしまい、ちょっと寂しい気分という方も多いのでは。ただ、今の季節は天候も良いので、ここは夏に向けて愛車の整備などしてみてはいかがでしょうか。
私もかつてバイクレースなどをやっていた頃は、けっこう自分で愛車のメンテナンスをするほうでした。オイル交換やブレーキパッド交換はもちろん、見よう見まねでクラッチ交換やキャブレターをバラしてジェット類の交換をしてみたり・・・。きっちり整備されたバイクは乗っていて気持ちがいいし、それを自分の手を汚してやり遂げたときの達成感はお金では買えないものがありますよね。
さて、セルフメンテナンスのキモについて説明するとなると、とても行が足りなくなるし、そこは専門家にお任せするとして、今回はちょっと工具の話をしたいと思います。
■ちょっとしたミスから考えた、工具のこと
実は先日、工具で初歩的なミスをしてしまいました。バイクといっても自転車のほうなのですが、ペダルを外そうとして家にあった適当な六角レンチを使ってみたのですが、右側がどうしても外れません。それもそのはず、「逆ネジ」だったんですね。自転車の場合、安全のためにペダルを漕ぐ方向に締まる構造になっています。それをつい忘れて、ぐいぐい締め付けてしまっていたのです。
そこまではご愛敬としても、その後どうにも外れなくなってしまい、結局は自転車屋さんで外してもらいました。そこで目にしたのは、「ペダルレンチ」というもの。ペダルアーレンキーとも呼ばれる自転車用の専用工具で、ハンドル部分が滑りにくい樹脂製で力を入れやすくなっています。お店のプロのメカニックさんは、もう一方のペダルを足で巧みに押さえると、カッキンと一発で外してくれました。
その様子にたいそう感激した私は、さっそく自分でも買って使ってみましたが、六角のキー部分を差し込むとピタリと収まる精度の良さで、自分でも軽い力でカッキンと外すことが出来ました。ちなみに今回使ったロードレーサー用と、ママチャリや子供用の自転車とはペダルの構造が違い工具も異なるので、もし自分で購入する場合はよく下調べしてみてください。
話が遠回りしてすみません。やっと本題ですが、バイクも自転車も同じで「工具は専用品を使うべき」というのが言いたかったことです。
■メンテナンスに欠かせない工具の選び方
メンテナンスに欠かせない工具ですが、値段もピンキリなので、最初はホームセンターなどでつい安い工具を買ってしまいがち。「安かろう、悪かろう」ではないですが、傾向として安い工具は材質も精度もそれなりのことが多く、ムリに使うとボルトやナットの頭をなめたり、逆にパーツを傷めてしまったりと、さらに大掛かりな修理が必要になってくることもあります。
逆に高ければ良いというわけではありませんが、いわゆる一流ブランド品には間違いがありません。例えば、言わずと知れた米国の「SNAP-ON」や工具大国ドイツの「HAZET」や「WERA」、フェラーリ御用達のイタリア「BETA」、日本の「KTC」や「KOKEN」などもコストパフォーマンスが高い逸品です。ブランド品の機能美に満ちたデザインは、見ているだけでワクワクしてしまいますね。
ただ、こうしたブランド品はやはり値も張るので、いきなりフルセットで揃えるのも大変です。ちなみに私の場合ですが、最初にバイク用品店でそこそこの値段(1万円程度だったと思う)の工具セットを買ってから、自分のバイクでよく使う工具については精度の高いブランド品を買い足していきました。さらにメンテナンスの腕も上がり、もっと踏み込んで自分でやってみたいと思うようになったら、ブランド品のツールセットなどを大人買いしてもよろしいかと(笑)。
ボックスレンチ(メガネレンチ)やオープンレンチ(スパナ)、大中小ドライバー、六角レンチ、プラグレンチなどは専用品がおすすめですし、幅広く使えるアジャスタブルレンチ(モンキーレンチ)やサスセッティングで必要になるフックレンチ、締め付けを管理するトルクレンチなど特殊な工具もやはり精度が求められます。
自分である程度のメンテナンスはしっかりやりたいと思うなら、やはり工具専門店で選ぶのがベスト。品揃えや店員さんの知識が圧倒的に豊富で、適切なアドバイスをしてくれるはずです。あるいは、バイクや自転車の専門店で聞いてみるのもいいでしょう。それぞれ、使う工具は微妙に異なる場合もあるので、プロの目利きは大事です。
■工具選びは愛車との付き合い
良い工具を使えば作業もはかどりますし、パーツを傷めることも少なく、作業する本人も安全です。プロの整備士ではないので、それほど神経質になる必要はないと思いますが、大事な愛車と長く付き合うためにも、そして気持ちよくメンテナンスを楽しむためにも、工具選びにはちょっぴりこだわりたいものですね。
※原文より筆者自身が一部加筆修正しています。