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【モト・グッツィの新たな挑戦】ボバースタイルを表現した新作「V9 BOBBER」が登場!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
MOTOGUZZI V9 BOBBER

■北米で注目されるクルーザーカテゴリー「Bobber」スタイル

ピアッジオは、Moto Guzziの新型モデル「V9 BOBBER」を7月より発売する。

V9はモト・グッツィのスピリットをもっとも純粋に具現化した新しいモデルである。「Bobber(ボバー)」スタイルを現代的に表現するために、短めのシートやマッドガード、太めのタイヤを装備しているのが特徴だ。

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ちなみに「Bobber」とは、北米などで近年注目されているクルーザーのカテゴリーのひとつで、ダートトラッカーをイメージしたシンプルな外観が特徴。スリム&コンパクトな車体で、主に街乗りなどのショートライドでの使い勝手の良さを狙ったカスタムとして人気を呼んでいる。カラーリングもダーク&マット調の渋い色調でコーディネイトされることが多い。

伝統のレイアウトと向上した性能

エンジンは空冷4スト縦置き90度V型2気筒OHV2バルブというモト・グッツィ伝統のレイアウトながら、今回新たに排気量を853ccに拡大。748ccの現行V7シリーズの比べると最高出力で7psアップの55ps、最大トルクでも2Nm向上するなど動力性能も高められている。

車体も鋼管ダブルクレードルフレームに、前後サスペンションはフロントに正立フォーク、リヤはツインショックとオーソドックスな従来スタイルを踏襲しつつもホイールベースは30mm延長、シート高は780mmと低めに抑えられるなど、ややロー&ロングスタイルとなり、幅広なアップハンドルも含めてゆったり乗れるライポジとなっているようだ。

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タイヤも今回、フロント130、リヤ150のハイプロファイルの16インチサイズを標準装着。小径ホイールにいわゆるファットタイヤを思い切って採用したことで、見た目のインパクトとボバー感も際立っている。どんなハンドリングに仕上げられているのか楽しみである。

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金属製マッドガードやチェッカーフラッグをモチーフにしたグラフィックが施されたスチールタンクを採用するなど、クラシカルな雰囲気の中にもモダンさとスポーツスピリットをさりげなく表現している点も新鮮。また、新世代V7シリーズ同様、ABSやトラクションコントロールを標準装備するなど電子制御も導入され、安全性能も高められている点にも注目したい。

さらに、V9をはじめとする日本で販売するモト・グッツィのラインナップはすべて「モトグッツィ・メディア・プラットフォーム/MG-MP」のアクセサリーに対応していているとのこと。これはBluetoothを利用しスマートフォンを通じてさまざまな車両情報を入手、活用することが可能となっている。

■“クルーザーライン”というモト・グッツィの新たな挑戦

モト・グッツィには元々「カリフォルニア1400カスタム」のようなラグジュアリークルーザーもあるが、今回新たにボバースタイルのV9が加わったことで、より気軽に楽しめるクルーザーラインの選択肢が広がることになる。いずれV9シリーズも拡充していくだろう。

V7シリーズで確立したネオクラシックラインとの住み分けも含めて、どんなファン層を獲得していくか興味深いところ。モト・グッツィの新たなチャレンジに期待したい。

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出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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