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トレンドに乗るか!? BMWから 「R nineT スクランブラー」が登場!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
BMW R nineT Scrambler

BMWから新型モデル「R nineT Scrambler」(アール・ナインティ・スクランブラー)が国内発売されることになった。

今回発売される「R nineT Scrambler」は、EICMA2015で発表され注目を集めたニューモデルであり、BMWのネオクラシック風カフェレーサーである「R nineT」のプラットフォームを利用した派生モデルの位置づけ。

そもそも“スクランプラー”とは、かつてバイクのカテゴリーに細かい分類がなかった時代に、もともとオンロード用バイクにオフロードを走るための改造を施したマシンの総称であり、最近ではリバイバルブームに乗って流行の兆しを見せているジャンルである。

「R nineT」をベースに60~70年代当時のスクランブラーをイメージ

エンジンやフレームは「R nineT」と共通で、伝統の空油冷4ストローク水平対向2気筒DOHC4バルブ、通称ボクサーツインをエンジンを剛体の一部とするBMW独特のスチール製3セクションフレームに搭載。最高出力も110psと同様となっている。ちなみにこのエンジンはBMW創立90周年の節目に当たる2013年に水冷化された新型R1200GSになる以前の最後の空油冷ユニットであり、エンスーの間ではいまだに人気が高い。

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装備としては、60~70年代当時のスクランブラーをイメージしたシンプルかつ小ぶりなヘッドライトにアップタイプの縦2本出しマフラー、「R nineT」より高めのアップハンドルと低めのシート&ステップを備え、ナローなスクランブラーイメージを保つためにフロント19インチ、リア17インチとしつつ、リアタイヤサイズは170と細めの設定としているのが特徴。

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サスペンションもフロントは「R nineT」同様、伝統的なテレレバーではなく、懐かしいフォークブーツ付きの一般的なテレスコピック式正立フォークを採用。リヤサスはBMW独特のパラレバー&センタースプリングストラットに片持ち式スイングアームを組み合わせる。なお、リヤショックは可変リバウンドダンピング調整とプリロード油圧調整機構を装備。ブレーキもABS標準装備の前後トリプルディスクと同様で、現代の交通環境に見合った必要十分な装備となっている。

また、タックロールを施した本革風シングルシートやクロススポークホイールなど、往年のスクランブラーの雰囲気を盛り上げるバーツが純正オプションとして用意されている点も嬉しい。

BMWの“スクランブラー”挑戦に期待

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ドゥカティやトライアンフ、モトグッツィなども含めて、最近はにわかに“スクランブラー”がブームだが、BMWもトレンドに乗せてついにこのジャンルに参入するということだろうか。

GSシリーズで世界的な“アドベンチャー”ブームを作ってきた同社だけに、自由で気ままなダート系とも言える“スクランブラー”のセグメントにも、今後は熱意を持って挑んでくるに違いない。まずはお手並み拝見といったところか。

なお10月発売予定で価格は未定とのこと。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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