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ホンダから“ボバースタイル”の新型ライトクルーザー「Rebel 500/300」がデビュー!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
HONDA Rebel 500

ホンダから新型クルーザーモデル「Rebel 500」と「Rebel 300」が発表された。これは米国現地法人のアメリカン・ホンダモーターが、カリフォルニアのロングビーチで11月18日~20日にかけて開催されたモーターサイクルショー、IMS Long Beach(ロングビーチショー)に先駆けてアナウンスしたものだ。

デザインコンセプトは「SIMPLE」&「RAW」

RAW(ロウ)とは未加工の素材のことで、マット系のグレーやブラックを主体としたシックな色使いや無垢の素材感を大事にしたデザインが特徴となっている。

ターゲットは主に米国における「ジェネレーションY」と呼ばれる世代で、80年代~90年代生まれのシンプルライフを好むエコ志向の若いユーザー向けに開発されたモデルである。

参考までに、かつて80年代にホンダから登場した空冷並列2気筒250ccの同名モデルがあったが、それとは異なるモデルである。

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共通の車体にエンジンは2タイプを設定

エンジンは「Rebel 500」が水冷直列2気筒DOHC471cc。一方の「Rebel 300」にはより軽量でコンパクトな水冷単気筒DOHC286ccエンジンを採用するなど、吸排気やFIのセッティングの最適化により、パルスフィールとスロットルを開ける楽しみを表現していると言う。

車体を含めた共通のプラットフォームに2種類の排気量の異なるエンジンを設定することで、体格や経験、使い勝手に応じてセレクトできるよう選択肢を広げつつ、いつでも気軽に楽しめるサイズ感に仕上げているのが特徴だ。

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スタイリングも2車種とも共通で、「アイコニックなフューエルタンク、くびれのあるナロースタイルのフレームボディー、マット&ブラックアウトに徹したパーツによって、タフでCOOLなイメージを表現」(ホンダのリリースより)。

前後タイヤにフロント130/90-16、リア150/80-16のワイド&ファットタイプを採用するなど、近年流行しているボバースタイルを取り入れたデザインとなっている。なお、両モデルともオプションキットを装備することで、パッセンジャーシートが装着可能となっている。

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流行りのボバースタイルを意識したデザイン

ちなみにボバー(Bobber)とは、アメリカ発祥のクルーザーのカテゴリーで、簡素な外観とスリムでコンパクトな車体などが特徴。従来の華美でグラマラスなビッグアメリカンとは対極的にパーツを削ぎ落とした軽快なデザインがポイントで、主に都市部のショートライドに絞ったカスタムの潮流とされている。

また、語源となった「Bob」とは犬や馬の切り尾のこと、また女性のショートカットヘアーの意味もある。見た目や乗り味も軽快かつシンプルにまとめた今風のライトクルーザーといったところだろう。

他ブランドに目を向けてみても、トライアンフから先頃登場した「ボンネビル BOBBER」やモトグッツィの「V9 BOBBER」などストレートに車名にそのコンセプトを重ねたモデルの他、ヤマハの「BOLT」やカワサキの「VULCAN S」などもその流れに乗る。

BONNEVILLE BOBBER
BONNEVILLE BOBBER
V9 BOBBER
V9 BOBBER

ホンダでは新型Rebelシリーズに対してBOBBERという言葉は使っていないが、ボバースタイルは世界的に注目のトレンドであり、今回の「Rebel 500/300」もそのコンセプトを強く意識したモデルと言っていいだろう。

専用サイトで新型Rebelの世界観に触れてみよう

ホンダの2017モデルを紹介したティーザーサイト「Honda Moto 2017」にもRebelのイメージ映像が公開されているので、その世界観を感じてほしい。リリースされた最新の動画では、Rebelに乗った自由な雰囲気の男女のライダーが登場し、缶スプレーでウォールアートを楽しむ様が映し出されている。

自分色に染めろ、というメッセージだろうか。それとも表現の自由をうたったもなのか。いずれにしても、ゆるく気ままに日常を楽しむ情景がイイ感じである。

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なお、日本国内ではRebel 500およびRebel 250として発売を計画中とのことなので、続報が楽しみだ。

「Honda Moto 2017」

URL:http://hondamotoglobal.com/

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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