カワサキの定番ネオクラシックに注目! ESTRELLA(エストレヤ)2017モデルが発売
カワサキのネオクラシックモデル、「ESTRELLA(エストレヤ)」の2017年モデルが発売される。変更点はカラーリングとグラフィックのみ。また、エンジン、エキゾーストシステムなどをブラック仕上げとした「ESTRELLA Special Edition」も同時発売。3月15日からデリバリー開始となる。
25年間変わらない定番スタイル
エストレヤは92年にデビュー。空冷シングルエンジンにキャブトンマフラー、サドル型シートやスポークホイールを採用。
往年の英国車や今のカワサキの原型となった「メグロ」を思わせる、ノスタルジックな雰囲気を持った「ネオクラシックモデル」として人気を博してきた。
Photo by Syclone[CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
2007年にはフルモデルチェンジが行なわれ、キャブレターからFIシステムへと燃料供給方式が改められて現在に至っている。
年式によってブレーキシステムがドラムやディスクであったり、シート形状などに変更が見られるが、誕生から25年間ほぼそのままの姿で生き永らえてきた希少なモデルである。
鼓動感あふれるロングストローク単気筒
エンジンは空冷4スト単気筒SOHC2バルブ249ccで直立したシリンダーが特徴だ。外見はクラシカルだが、吸気系にはFIシステムを採用。
吸気温度やスロットルポジション、吸気圧、車速、クランクシャフト角度などの情報をセンサーで拾って解析し、低中速トルクをメインに様々な状況で安定したパワーを実現している。
特筆すべきはボア66.0m×ストローク73.0mmという典型的なロングストローク設定となっていることだ。
ロングストロークエンジンは低回転トルクに優れる特性があり、実用域で扱いやすい上に、単気筒ならではのメリハリのある鼓動感を感じられるメリットもある。
つまり性能よりもテイストを重視したエンジンレイアウトなのだ。
また、スムーズな曲線と長い直線ラインから構成されるキャブトンタイプマフラーを採用することで、クラシカルなビジュアルとともに歯切れの良い排気音も実現している。
小回りの利くコンパクトな車体で軽快に走る
車体面ではフレームにスチール製セミダブルクレードルタイプを採用し、剛性としなやかさがバランスした扱いやすいハンドリング特性を実現。見た目にもシンプルかつコンパクトで、エンジンやマフラーの美しさを引き立たせる構造となっている。
サスペンションはフロントにφ39mm正立フォークとリヤにツインショックというオーソドックスな組み合わせだが、減衰力を最適化することで、快適な乗り心地と安定したフットワークを実現した。
エストレヤの最高出力は13kW(18PS)/7,500rpmと控えめだが、1,410mmのショートホイルベースと装備重量161kgの軽量コンパクトな車体で、見た目以上に軽快でキビキビとした走りができるモデルだ。また、左右それぞれ40°のスアリングアングルは抜群に小回りが利くのでUターンなども得意である。
シックで上品な「スペシャルエディション」を設定
さて今回発売される2つのバリエーションモデルだが、ベーシックモデルの「ESTRELLA」は、バフ研磨を施したエンジンにクロームメッキが輝くキャブトンマフラー、フューエルタンクにあしらわれた立体エンブレムなど、上質なパーツがふんだんに盛り込まれたクラシカルで美しいスタイリングが特徴。
一方の「ESTRELLA Special Edition」はエンジン、フロントフォーク、エキゾーストシステムなど車体各部をブラック仕上げとし、専用ニーパッドや立体エンブレム、ツートーンカラーの専用シートデザイン、フォークブーツなどを採用。
フューエルタンク上部に専用デカールを採用するなどシックで高級感のあるエクステリアを演出したモデルとなっている。
自分好みのカフェスタイルなども演出できる
アクセサリーも充実している。レトロな雰囲気を醸し出すCafe Styleカウルやパニアケース、ウィンドシールドなどを用意し、スタイリッシュな外観だけでなく快適性も考慮された豊富なオプションをライダーの好みに応じて選択できるなど、ユーザビリティに優れる点も魅力となっている。
時代に媚びることなく伝統を重んじながらも、ユーザーの気持ちに寄り添ってきたエストレヤ。カワサキの良心を感じさせる、長く愛される理由のある一台だ。