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ユニークでも中身はホンモノ!? 今話題のホンダ「NAVI」に乗ってみました!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
HONDA NAVI

「なんか笑える!」「可愛い!」「10万円くらいで買える!安い!」等々、今ネットなどでも話題沸騰中のホンダ「NAVI」に試乗する機会を得ましたので、インプレッションをご報告したいと思います。

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インド市場で感度の高い若者がターゲット

まずはこの不思議なシルエットを持つ「NAVI」は、最近とくに成長著しいインドの2輪市場向けにホンダが投入したモデルです。

インドで立ち上げた現地法人、「ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア」にて製造されています。

ターゲットはずばり若者層。

購買意欲が旺盛で、ファッションやトレンドに対する感度の高い、インドの「ヤング&ヤングアダルト層」向けに開発されたものだそうです。

販売方法もユニークで、スマートフォンのアプリでカラーやグラフィックを注文できて、自分好みにカスタムされた状態で手に入る仕組みを取り入れています。

39,500ルピー(日本円で6万円程度)からというお手頃価格も手伝って、本国でもちょっとしたブームになっているのだとか。

「ミニモト」と「スクーター」が合体

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最初にNAVIを目にしたとき、失礼ながら思わず吹き出してしまいました。ぱっと見ではまるで旧型グロムのそっくりさん。特に前から見た顔つきは瓜二つです。

が、よくよく見ていくと、本来エンジンがある部分は空洞になっているし、スクーターと同じでエンジンと駆動系と一体化したユニットスイング方式になっています。つまり、ミニモトとスクーターをごちゃ混ぜにしたようなスタイル。

もっと具体的に言うと、上半身はグロムで下半身はズーマーXのような奇妙な感じです。

「両方ともれっきとしたHONDAブランドですから、いいじゃない。それがなにか?」とNAVIに言われそうですね(笑)。

エンジンはホンダの110ccスクーター用

▲オプションパーツを装備したシルエットはスクーターには見えない!?
▲オプションパーツを装備したシルエットはスクーターには見えない!?

エンジンはスクーター用の空冷4スト単気筒110ccがベースで、もちろんホンダ製。ミッションはCVTオートマです。HET(ホンダ・エコ・テクノロジー)のロゴがはってあるので燃費も良さそうですよ。

フレームはアンダーボーンタイプで、グロムチックな外装をはずせばスクーター的な骨格が見えてくるでしょう。その意味では“空洞”の部分は元々、フットスペースだったのかもしれませんね。

ちなみにそのスペースにはボルト数本で簡単に脱着できる専用ボックスも用意されていて、アイデア次第でいろいろなモノを入れられそうです。

あ、ヘルメットはいくら頑張っても入りませんのであしからず。

意外にも俊敏でよく走る

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試乗してみた感想ですが、加速は思っていた以上に俊敏で60km/hぐらいまでは一気に到達。場所が許せば、最高速度はおそらく80km/hを超えてくるでしょう。見た目によらず意外と俊足です。

乗り味としては、もろにスクーターといった感じで、フットワークはとても軽快ですが、逆に言えばフロントの接地感は通常のバイクほどは期待できないかも。

とはいえ、コーナーでは普通に旋回できて小回りも得意だし、フロント12インチの安定感とリヤ10インチの手軽さをうまくバランスしているのだな、と思いました。

また、サスペンションは普通の感じで、シートも厚めで乗り心地もまあまあですが、ただ前後ブレーキがドラム式なので制動力はやや甘めかも。

車体の構造も含めて、あまりムリはしないほうがよろしいかと。

日本では原付2種扱いということで、二人乗り用のタンデムステップとグラブバーが標準装備されている点は嬉しいですね。

与えてくれたのは「自由な発想」

▲オプションの選択次第でイメージも変わる
▲オプションの選択次第でイメージも変わる

日本でも車両本体で10万円を切る価格で発売している例もあるようで、一応「HONDAブランド」であることを考えるとコスパ的にも価値ある一台かと思います。

世界基準で庶民に手が届くその価格や、従来のカッコよさの常識を覆す不思議なデザインを含め、「NAVI」が我々に提供してくれたのは、これまでにない“自由な発想”かもしれません。そこを敏感に感じ取ったユーザーの心を惹きつけたのでしょう。

型にハマった製品作りから一歩離れて、2輪という乗り物を違うアングルから眺めてみるのもいいかもしれませんね。

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出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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