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【海外メーカー編】2017東京モーターサイクルショー見どころ一挙紹介

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト

いよいよ今年もバイクシーズンの幕開けを告げるモーターサイクルショーの時期がやってきました。

国内最大級のモーターサイクルイベント「第44回東京モーターサイクルショー」が、2017年3月24日(金)・25日(土)・26日(日)の3日間、東京ビッグサイトで開催されます。

国内外のメーカーから、話題のニューモデルや、未来を予言するコンセプトモデルが多数出品され、国内最大規模の二輪専門の展示会イベントとして、大いに盛り上がることでしょう。

そこで今回は海外メーカーを中心に、見どころをご紹介いたしましょう。

ハーレーダビットソン

▲ROAD KING SPECIAL
▲ROAD KING SPECIAL

アバーンスタイルを導入した「STREET ROD」と「ROAD KING SPECIAL」

『Urban Inspiration』をテーマとする2017年ハーレーブースでは、広大な大地を走り抜けるだけではない、ダウンタウンを走り抜ける新しい「アーバンスタイル」なハーレーダビッドソンを新提案する、としている。

目玉はニューモデルの「STREET ROD」と「ROAD KING SPECIAL」だろう。

「STREET ROD」はハーレーの最小排気量モデルである「STREET 750」のプラットフォームをベースに、街頭のストリートを爽快に駆け抜けられるように設計された、気軽に乗れるアーバンスタイルのニューモデルだ。

そして「ROAD KING SPECIAL」はクラシックなRoad kingをベースに現代風にアレンジしたモデルで、シックなダークトーンのカラーにスタイリングも一新、新型「Milwaukee-Eight」エンジンと、改良された前後サスペンションを搭載する、ハーレーのツアラーラインナップを新たな方向へと導くモデルとして注目される。

STREET ROD
STREET ROD

BMW

▲BMW R nineT Racer
▲BMW R nineT Racer

70年代フラットツインを蘇らせた「R nineT」の新シリーズに注目

BMWは新たなヘリテイジモデルとして先日国内デリバリーが発表された、「BMW R nineT Pure(アール・ナインティー・ピュア)」と「BMW R nineT Racer(アール・ナインティー・レーサー)」に注目が集まるだろう。

「R nineT Pure」は1970年から1980年代の伝説のロードスターを彷彿とさせる削ぎ落されたデザインが特徴。一方、初期スーパーバイク時代の「レースマシン」に重なる「R nineT Racer」は、ハーフフェアリングと低めに設定されたハンドルバー、レーシングシート、アルミキャストホイール、スポーティなサスペンション、前傾シートポジションなどが特徴となっている。

その他には電動マキシスクーター「C evolution」、国内発売モデルやコンセプトモデル「R5 Homage Concept(オマージュ・コンセプト)」を初公開。昭和女子大学との産学協同プロジェクト発表や、「G 310 R」、「R 1200 GS Rally Style」他、2017モデルなど24台が展示される。

BMW R nineT Pure
BMW R nineT Pure
G 310 R
G 310 R

ドゥカティ

▲SuperSport /S
▲SuperSport /S

ミラノショーで「もっとも美しいバイク」と称された「SuperSport /S」が登場

今年もドゥカティブースではドゥカティブランドとスクランブラーブランドの2つに分けられ、注目車両が一挙に展示される予定だ。

その中でも注目は、昨年のミラノショーで「もっとも美しいバイク」に選出された「SuperSport /S」だろう。

水冷937ccのLツインを、昔ながらのスチールトレリスフレームに搭載。スポーティなモーターサイクルの本質を一切犠牲にすることなく快適性と多用途性を融合、デイリーユースにも対応するという原点回帰的なモデルだ。

他にも空冷エンジン搭載の新型「Monster797」や、軽量コンパクトなスタイリングを追及した「Multistrada950」なども見どころと言える。

また、若者に人気の新たなスタイルを提案するスクランブラ―・シリーズでは、60年代ロッカースタイルを再現した「Scrambler Cafe Racer」や、よりオフロード感を強く打ち出した「Scrambler Desert Sled」などにも注目したい。

Multistrada950
Multistrada950
Monster797
Monster797
Scrambler Cafe Racer
Scrambler Cafe Racer
Scrambler Desert Sled
Scrambler Desert Sled

トライアンフ

画像

排気量アップした新世代「ストリートトリプル」を初公開

トライアンフでは今回、日本初公開となるデビュー直前の新型「ストリートトリプル」をジャパンプレミアとして展示。この2月・3月でデビューした「ボンネビルボバー」や「ストリートスクランブラー」も含め、新型水冷クラシックシリーズをフルラインナップで展開する。

また、トライアンフブランドを体感できる空間を用意し、ブリテッシュテイスト溢れる純正アパレル商品も展示。さらに5月以降リリース予定の「Ace Cafe London」とのコラボモデル(日本オリジナル限定車両)の「スラクストンカフェレーサー」も参考展示する。

注目はずばり新型「ストリートトリプルS/RS」だろう。

トライアンフのアーバンスポーツ系ベストセラーであるストリートトリプルの新世代シリーズで、大排気量化された3気筒765ccエンジンから、123PSのピークパワーを発揮。ライドバイワイヤーによる最新デバイスや新型サスペンションを搭載し、よりパワフルかつスタイリッシュに刷新されているのが特徴だ。

STREET TRIPLE RS
STREET TRIPLE RS

KTM

▲1290 ADVENTURE S
▲1290 ADVENTURE S

新型アドベンチャーが登場、DUKEシリーズをフルチェンジ

KTMにとって今年は大躍進の年になりそうだ。

フルチェンジしたKTMのロードスポーツ系最高峰モデル「1290 SUPER DUKE R」と、同じく全面刷新とともに排気量を拡大、電子デバイスを強化したトラベル・エンデューロの最高峰モデル「1290 ADVENTURE S/R」、デザインと機能性を一新したニュー・スモールDUKEシリーズ(125、250、390)など、大・小・オン・オフの各カテゴリーに新手の注目モデルを大量投入するなど、盛り沢山の展示が用意されている。

▲690 DUKE R
▲690 DUKE R

他にも2016年の最注目モデルとなった、KTMのストリート最上位モデル「1290 SUPER DUKE GT」や、2016年モデルよりLC4エンジンが大幅にリニューアルされ、より幅広いライダーが楽しめるビッグシングルに進化を遂げた「690 DUKE R」「690 DUKE」、「690 SMC R」「690 ENDURO R」などのシングルスポーツモデルも見逃せないところだ。

MVアグスタ

▲F4 RC
▲F4 RC

特別仕様の「RC」と新たなイタリアンブランド「SWM」にも注目

MVアグスタジャパンではMV AGUSTAブランドで6台、SWMブランドで5台を展示する。

スーパーバイク世界選手権のレオン・キャミアの活躍でも注目される「F4 RC」と、「F3 800 RC」のMOTULロゴ入りレースレプリカモデル(Reparto Corse-MOTUL)を展示。

他にEICMAでも注目を浴びた「DRAGSTER 800 RC」、ツーリングモデルでは「TURSIMO VELOCE 800 RC」が登場するなど『RC』の名を持つ最新マシンを一堂に紹介。「STRADALE 800」やエンジンと車体各部が刷新された「NEW BRUTALE 800」も展示する。

▲GRAN TURISMO 400
▲GRAN TURISMO 400

さらにイタリアン・ブランドのSWMからは、空冷4バルブシングルエンジンを搭載したネオクラシックシリーズ「GRAN MILANO 400」、「SILVER VASE 400」、「GRAN TURISMO 400」を展示。

カフェレーサー、スクランブラー、ネイキッドと三者三様、デザインと乗り味の異なる3台をじっくり見比べてほしい。また、125ccオフロードタイプモデルの「RS125R」とモタードタイプの「SM125R」も展示。ビギナーからベテランまで手軽に楽しめるスポーツモデルとして注目だ。

ピアッジオグループ

▲RSV4 RF
▲RSV4 RF

進化熟成した「V7 III」と最強ファイター「TUONO V4 1100 Factory」が登場

ピアッジオグループは「アプリリア」、「モト・グッツィ」、「ベスパ」の 3 つの個性豊かなイタリアン・ブランドから合計11台のモデルを展示。

モト・グッツィからは、昨年のミラノショーで公開された今夏国内発売予定の最新モデル 、「V7 III」シリーズをアジア初公開。

本年はV7シリーズ誕生50周年の節目となる今年、それを記念した「V7 III Anniversario」 限定モデルと「V7 III Racer」を特別展示する他、今年2 月に発売されたV9のバリエーションモデル「V9 ROAMER」も展示する。

アプリリアからは、今回よりEuro4適合したフラッグシップモデル「RSV4 RF」および「TUONO V4 1100 Factory」の2017年モデルを日本正式導入に先駆けて先行特別展示。

ベスパからは現行モデルの「GTS250」、「Primavera 125 ABS」、「Sprint 150 ABS」、「PX150」の各モデルを展示する。

注目すべきは、3世代目となりますます熟成された「V7 III」シリーズと、排気量アップにより最強レベルのストリートファイターと目される「TUONO V4 1100 Factory」だろう。

▲TUONO V4 1100 Factory
▲TUONO V4 1100 Factory
V7 III RACER
V7 III RACER

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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