Yahoo!ニュース

『インデペンデンス・デイ』の新主役はヴィーガン(完全菜食主義者)。リアム・ヘムズワース インタビュー

斉藤博昭映画ジャーナリスト
『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』プロモーションでのリアム・ヘムズワース(写真:REX FEATURES/アフロ)

7月9日に日本でも公開が始まる『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』。20年ぶりとなるこの続編で、前作のウィル・スミスに代わって、主役を任されたのが、リアム・ヘムズワースだ。「マイティ・ソー」の主演で知られるクリス・ヘムズワースの弟で(もう一人の兄も俳優)、オーストラリア出身のリアムは、自身の故郷、オーストラリアに戻ってインタビューに応じた。

現在26歳の彼は、20年前の『インデペンデンス・デイ』が公開されたときは、まだ6歳。さすがに映画館では観ていない。

兄たちと一緒にVHSのビデオで観たんだ。エイリアンが侵略してくる映画を観たことがなかったので、驚きまくった。壮大なスケールにも圧倒されたし、自分の国の(シドニーにある)オペラハウスが映画に出てきたのもいい気分だったな

素直に少年時代の思い出を話すリアム。映画を観ればわかるが、身長191cmという長身の彼が、アクション超大作の主役として堂々の存在感を放っているのがわかる(共演のジェフ・ゴールドブラムも192cm!)。戦闘機のパイロットとして、肉体の限界にも挑む彼だが、じつは……。

僕はヴィーガン(完全菜食主義者)なんだ。『ハンガー・ゲーム』の撮影に参加したとき、体調を崩してしまい、共演のウディ・ハレルソンからアドバイスを受けた。『肉を食べるのを止めるんだ。数週間、生野菜だけを食べてヴィーガンになってみないか? 僕が手助けする』ってね。それで『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』の撮影が始まる1ヶ月前から、ヴィーガンを試してみた。当初は撮影の4ヶ月間だけ続けるつもりだった。でも結局、それ以来、ずっと肉を食べてないよ。以前の僕は、ランチタイムに昼寝をするのが習慣だった。でもヴィーガンを始めると、疲れが消えたんだ。肉を食べていたときより、エネルギーを感じる。そして夜もよく眠れるようになった

ちなみにヴィーガンとは、肉や魚はもちろん、卵や乳製品、蜂蜜なども口にしない菜食主義のこと。洋服や化粧品などにも動物の素材が入っていれば使わない。ハリウッドスターでは、リアムを導いたウディ・ハレルソンのほか、ジャレッド・レト、ジェシカ・チャステイン、オリヴィア・ワイルドらがヴィーガンとされている。亡きリバー・フェニックスがヴィーガンだったのは有名。(ヴィーガンほど厳格ではないベジタリアンには、ナタリー・ポートマン、ポール・マッカートニーら多数)

撮影中、テンションが衰えなかったリアムは、脚本にはなかったシーンも追加してもらうなど、主役としての責任を果たしたようだ。

前作『インデペンデンス・デイ』で今でも脳裏に焼き付いて離れないのは、ウィル・スミスがエイリアンを直接、殴るシーンだ。今回の脚本にはなかったけれど、僕は絶対にオマージュを与えたくて、脚本家のところに行って『宇宙人を殴らせてくれ!』って無理矢理、頼み込んだのさ(笑)。なんとかオッケーをもらえたよ

リアムが演じるジェイクは、勇敢だが無茶な行動も多い戦闘機パイロット
リアムが演じるジェイクは、勇敢だが無茶な行動も多い戦闘機パイロット

そんなリアムにとっても撮影中、苦労した瞬間はあったそう。

宇宙服を着るシーンだね。あの宇宙服は本物仕様で、上半身と下半身、腕、そしてヘルメットの部分をすべてネジで留めるので、何人もの手助けが必要。しかもネジがきついと頭も動かせない。撮影の合間は、宇宙服のままで放置されるから、僕は地面に横たわっていた。そして起き上がるときも人を呼ばなくてはならない。もちろんトイレなんてもってのほか。その宇宙服でワイヤーアクションをやるわけだから、最高な気分だったよ(笑)

本作に関わったことで、実物のF-16戦闘機に乗るチャンスも巡ってきたそうだが……。

じつは背中をケガしてしまい、まだ乗っていないんだ。何とか今年中に実現したい。今は日々、エクササイズと姿勢の矯正によってケガの完全回復に努めている。ケガのきっかけ? 大好きなサーフィンのやり過ぎだよ。そのサーフィンも、ようやくできるくらいに復活してきた。ここオーストラリアでも波に乗れたらいいんだけど

そう語るようにサーフィンが大好きなリアムは、現在、ロサンゼルスの北にあるマリブのビーチ沿いに暮らし、波に乗りたいときは、すぐに海に出るという。

私生活では、以前に婚約を解消したマイリー・サイラスと復縁。その関係は順調のようで、2016年は、公私ともにハッピーなリアム・ヘムズワースなのであった。

『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』

7月9日(土)、TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー

(c) 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

映画ジャーナリスト

1997年にフリーとなり、映画専門のライター、インタビュアーとして活躍。おもな執筆媒体は、シネマトゥデイ、Safari、ヤングマガジン、クーリエ・ジャポン、スクリーン、キネマ旬報、映画秘宝、VOGUE、シネコンウォーカー、MOVIE WALKER PRESS、スカパー!、GQ JAPAN、 CINEMORE、BANGER!!!、劇場用パンフレットなど。日本映画ペンクラブ会員。全米の映画賞、クリティックス・チョイス・アワード(CCA)に投票する同会員。コロンビアのカルタヘナ国際映画祭、釜山国際映画祭では審査員も経験。「リリーのすべて」(早川書房刊)など翻訳も手がける。

斉藤博昭の最近の記事