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アンジーの跡を継ぐ映画界のミューズ、アリシアが初来日。公私とも今がいちばん幸せ!?

斉藤博昭映画ジャーナリスト
先日のヴェネチア国際映画祭で幸せ満点のアリシアとマイケル・ファスベンダー(写真:ロイター/アフロ)

アリシア・ヴィキャンデル。今年のアカデミー賞で助演女優賞を受賞した彼女が、最新作『ジェイソン・ボーン』のキャンペーンで初来日を果たした。

いま最もホットな女優と言っていい。姓は正式にはヴィカンダーという発音に近いが、日本ではヴィキャンデルという表記が定着したようだ。※これまでにもユマ(ウマ)・サーマン、レニー(レネー)・ゼルウィガーなどの例があるように。

スウェーデン生まれで間もなく(10月3日)28歳のアリシアには、『トゥームレイダー』リブート作のヒロイン役も控えている。『トゥームレイダー』といえばアンジェリーナ・ジョリーの当たり役。その後、世界的大スターになったアンジーと、アリシアにはいくつか似ている運命があるのだ。

・『トゥームレイダー』のララ・クロフト役を受け継ぐこと。

・20代でオスカーを受賞したこと。

アンジーは99年の『17歳のカルテ』で助演女優賞、アリシアは15年の『リリーのすべて』で同じく助演女優賞。

・共演した大スターと結ばれたこと。

『Mr.&Mrs.スミス』でのアンジーとブラッド・ピットのごとく、アリシアとマイケル・ファスベンダーは『The Light Between Oceans(原題)』で夫婦役を演じたことをきっかけにカップルとなった(一度別れたというニュースもあったが、現在は熱々)

・ともに幼少の頃に両親が別れ、母親に育てられた……などなど。

スター女優にはよくある事実とはいえ、さまざまな要素がシンクロするのは事実だ。近年は私生活や監督作が話題になっているアンジーは、映画への出演も減りつつある。そんな彼女のポジションを狙う女優のひとりがアリシアなのである。そのアリシアが、9月28日、東京・白金の八芳園で記者会見を行った。同所で映画スターの会見が行われるのは異例のこと。

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「日本庭園を意識して選んだ」というドレスで登壇したアリシア。ゲストのトレンディエンジェルとの“絡み”も巧みになした彼女は、そろそろ『トゥームレイダー』の準備も始めるようで、

「ムエタイのトレーニングを積む予定。幼い頃からクラシックバレエをやってきたので、その経験が助けになりそう」

とのこと。

日本と自身の関係については

「日本は小さなときからの憧れの国。私と父は村上春樹さんの大ファンで『いつか一緒に日本に行こう』と話してた。だから今、父が一緒じゃないのは残念。村上春樹作品は『海辺のカフカ』など5〜6冊は読んでいる。私はスキーも好きだから北海道に行ってみたいし、温泉や旅館も経験したい」

と、リップサービスには見えない素直な口調で答えていた。

八芳園での時間を「人生でいちばん美しい記者会見だった」と、うれしそうに微笑むアリシア。

恋人のマイケル・ファスベンダーは現在、プロデューサーと主演を務めるアクション大作『アサシン クリード』の追加撮影中とのことで、多忙同士、会う時間は限られているだろう。このまま結婚に至るのか? あっさりと別れる日は近いのか? 誰にも予測はできないが、少なくともアリシアの「現在」は、仕事もプライベートも幸福の絶頂なのは間違いない。

『ジェイソン・ボーン』ではCIAエージェントを演じるアリシア
『ジェイソン・ボーン』ではCIAエージェントを演じるアリシア
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『ジェイソン・ボーン』

10月7日(金)、全国ロードショー

配給/東宝東和

(c) 2016 UNIVERSAL STUDIOS

映画ジャーナリスト

1997年にフリーとなり、映画専門のライター、インタビュアーとして活躍。おもな執筆媒体は、シネマトゥデイ、Safari、ヤングマガジン、クーリエ・ジャポン、スクリーン、キネマ旬報、映画秘宝、VOGUE、シネコンウォーカー、MOVIE WALKER PRESS、スカパー!、GQ JAPAN、 CINEMORE、BANGER!!!、劇場用パンフレットなど。日本映画ペンクラブ会員。全米の映画賞、クリティックス・チョイス・アワード(CCA)に投票する同会員。コロンビアのカルタヘナ国際映画祭、釜山国際映画祭では審査員も経験。「リリーのすべて」(早川書房刊)など翻訳も手がける。

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