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綾瀬はるか×松坂桃李、熱愛の教え。 "透明感"という魔物について

齋藤薫美容ジャーナリスト・エッセイスト

芸能ニュースは、当代きっての人気者同士の"熱愛発覚"に、「10年に1度あるかないかの超大物カップル誕生!」と上擦りまくっているが、真偽のほどはまだ明らかになっていない。ただ、それがガセであろうとなかろうと構わない。芸能人の恋愛などには何ら興味がない人も、今回のケースばかりは見逃さないで欲しいのだ。この孤高のカップル熱愛報道には、さすがというべきか、極めて重要な教えが潜んでいるからである。

松坂桃李はかつて共演した綾瀬はるかの印象について、こうコメントしたと言う。「透明感がありすぎて、見えなくなってしまうと思ったくらい」。

この言葉、決してさらりと聞き逃してはならない。透明感がありすぎて……これは男が女に対して口にする最上級の褒め言葉であるからだ。

「きれい」とか「かわいい」とか「美人」とか「いい女」とか……そういう褒め言葉のはるか上位にある表現で、褒め言葉と言うよりは、むしろ"ひと目惚れ"したときに自然に出てくる、この上なくピュアな感想だからである。

男たちもひょっとすると気がついていないのかもしれないが、これは、男が女にひと目惚れしたときの理由として、最もよく使われる表現。突然恋に落ちたときの衝撃を語る言葉として「半端じゃなく透明感がある子だった」「あの透明感がやばい」といったフレーズが、まことによく聞かれるのだ。まさしく「美人だったから」よりもずっと頻繁に。

じゃあ具体的にそれは一体誰なのか? と言うならば、まずなんと言っても、その象徴的存在が「綾瀬はるか」だというのである。

ちなみにそういう意味でよく名前があがるのが、広末涼子であり、滝川クリステルであり、また宮崎あおいであったりする。つまりタイプはさまざま、しかし涼しげな目に強い存在感を宿していることだけは共通している。

ただ不思議なことに、女たちはこの透明感の大切さについて、ほとんど認識していない。もちろん、美容上、"肌の透明感"はとても重要な要素として、誰もが求めているものだが、男を瞬時に虜にする透明感は、イコール"肌の透明感"ではなかったりするのだ。

当然のこととして、肌の透明度も含めての話だが、むしろそれは"存在の透明感"。顔立ちから気配まで、目に見えるものから見えないものまで、ひと通りが透明感に満ちている……そういう女っているものなのだ。

かくして女たち自身には今ひとつピンと来ていない概念だが、男たちはほぼ全員が共通認識としてその度合いを計る物差しを持っている。つまり男にしか見えない女の究極的魅力、それが透明感なのである。

その証拠に、圧倒的な透明感にひと目惚れした男は、ほとんどその瞬間に結婚を意識する。いや本来、ひと目惚れとはそういうものなのかもしれないが、本能的に「一緒に生きていきたい」とまで思わせるのが、"女の透明感"なのである。

何故か? 存在の透明感は、いわば魂の清潔感を彷彿させ、清らかな生き方をも思い起こさせるから。言ってみれば部屋の中も、心の中も、丸ごとキレイそう。もっと言うなら、息も下着も、箸の持ち方なんかもキレイそう。だから男たちが、いきなり共に生きていきたいと思うのだろう。

今改めて、女性たちに問いたい。そういう透明感を、あなたは宿しているだろうか。

「透明すぎて見えなくなってしまう」という言葉が、どれほど圧倒的な評価なのか、どうか想像してみて欲しい。

そして、目に見える透明感を放っているかどうかが、女の運命を大きく開けることになる事実に、一刻も早く気づいて欲しいのである。

美容ジャーナリスト・エッセイスト

女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストへ。女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『されど“男”は愛おしい』』(講談社)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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