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元ラグビー日本代表HCジョーンズ氏が、イングランド代表の指揮官に就任決定! 任期は2019年まで 

斉藤健仁スポーツライター
2019年の日本W杯で、ジョーンズ氏の采配が見られることになりそうだ

11月20日、ラグビーのイングランド協会(RFU)から、ワールドカップまで日本代表を率いていたエディー・ジョーンズ氏がイングランド代表のヘッドコーチ(HC)に就任したと発表された。任期は2015年12月から4年間、つまり2019年のワールドカップ終了までとなった。ラグビーの「母国」であるイングランド代表を外国人指揮官が率いるのは初めてのこと。

ジョーンズHCは11月1日から、南アフリカのスーパーラグビーチームのストーマーズのヘッドコーチに就任し、実際に指導を始めたばかりだった。

一方でイングランド代表は開催国ながら、先のワールドカップでは予選プールで敗退してしまった。そこで、イングランド協会は、もちろん、イングランド代表を率いていたスチュワート・ランカスターHCを解任し、来年2月から始まる「シックスネーションズ」に向けて後任を探していた。

過去にイングランド代表に勝利したチームの指揮官をターゲットに、南アフリカ代表を2007年のワールドカップ優勝に導いたジェイク・ホワイト(現フランス・モンペリエ)、ウェールズ代表のウォーレン・ガットランド、オーストラリア代表のマイケル・チェイカなどに触手を伸ばしていたが、どうやら断られていたようだ。

もちろん、先のワールドカップで日本代表を、南アフリカ代表に勝利するなど3勝1敗と導いたジョーンズ氏も、イングランド代表の新ヘッドコーチの候補の一人として報道されていたものの、すでにストーマーズと契約済みだった。だが、現地の報道によると、イングランド協会は先週末にコンタクトを取り、ジョーンズ氏が意欲を見せたため、ストーマーズ側と交渉し、今週半ばに、合意に達したようだ。ストーマーズの後任ヘッドコーチには、元オールブラックスのジョン・ミッチェルが就く見込みだ。

ジョーンズ氏は来年2月6日のマレーフィールドでの「シックスネーションズ」スコットランド戦でデビューとなる。

イングランド代表の新ヘッドコートとなるジョーンズ氏は、イングランド協会公式HPで、まず、ストーマーズ側への謝辞を述べた。「まず、私は南アフリカの(ストーマーズが所属する)ウェスタン・プロヴィンス協会のみなさんと、その会長であるロブ・ワグナーに対して、私の決断を理解し、こんなにも早くインターナショナルの舞台に戻ることを許していただいたことを感謝しなければなりません」

続いてジョーンズ氏はこう抱負を語った。

「このような世界でも最もレベルの高いインターナショナルチームを指導するチャンスというのは、常にあるものではありません。私は本当に幸運だと感じています。私はイングランド協会と選手と一緒に、先日のワールドカップでの敗退による失意を乗り越えて、イングランドが潜在的に持つ素晴らしい才能を集めた新しいチームを作り上げたいと思います。私はイングランドの未来が明るいということを信じています」

イングランド協会のイアン・リッチー会長はこう述べた。

「私たちは国際経験の豊富なコーチを連れてくると約束しましたが、それが果たせました。エディーはオーストラリア、南アフリカ、そして日本で最高の経験を持ったワールドクラスのコーチです。私たちは彼の就任をRFU(イングランド協会)メンバーで満場一致できめ、これがイングランドのこの先の短期的、中期的、長期的成功をもたらす正しい決断だと信じています。

私たちはエディーが、イングランドの豊富な人材で強い基礎を作り上げ、2019年ワールドカップ日本大会、さらにその先までそれが続くものにしてくれることを信じています。ストーマーズの協力に感謝致します」

イングランド協会側は、ジョーンズ氏の獲得に、ストーマーズサイドへの違約金も含めて、70万ポンド(1億3000万円)ほどかかったという。またジョーンズ氏の年俸は、ストーマーズ時代(23万5000ポンド=4500万円)の倍と報道されている。

ジョーンズ新HCは、イングランドの救世主になることができるか。

※ジョーンズ新HCの就任後、初インタビューはこちら↓

イングランド代表HCに就任したジョーンズ氏が語る2019年への展望「もっとボールを動かすことが必要」

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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