Yahoo!ニュース

サラリーマンの仕事が大好きだから飛び出す、という選択

坂口孝則コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家
起業や独立は手段でしかありません(ペイレスイメージズ/アフロ)

初出:「会社を辞めたぼくたちは幸せになったのだろうか」の一部を大幅に加筆して掲載

このところ、第二次、第三次の起業ブームが起きています。個人がサラリーパーソンから独立し、士業やコンサルタント、また個人事業主として食っていくとき、どのような困難が待ち受けているのか。私は一人の独立した人間として、他の先人たちに興味を持ちました。彼らはどのように独立して、食えるにいたったのか。それはきっと起業予備軍にも役立つに違いありません。さきほど、「第三次の起業ブーム」と入力しようとしたら、「大惨事」と変換されました。まさに大惨事にならない起業の秘訣とは。業務改善に関する本をすべてヒットさせている、コンサルタントでありコーチの、沢渡あまねさんにお話を聞きました。

――独立の理由をお話しいただけますでしょうか。

「一社にとらわれず、色々な会社に貢献したかった」「会社の看板がない自分が、どれだけ世の中で通用するか試してみたかった」……なんていうと聞こえはいいですが。正直言うと、私がサラリーマンを飛び出した理由は、そんな前向きな理由だけではありませんでした。

最後に転職して入った会社は、一言でいえばカルチャーが合わなかったのです! なおかつ、自分を採用した上司は降格になり退職しました。私に与えられたメインのミッションそのものがなくなってしまいました……。活躍したくても、活躍する場がありません! 年収はあがったんですが、確実にキャリアダウンしました。まもなく40歳の働き盛りです。ここで、モヤモヤとした気持ちを抱えたまま足踏みしていていいのか?

そう思ったのが、ちょうど2年前(インタビュー当時から)の桜咲く4月です。春風とともに辞意表明をしました。せっかく年収もあがったのに、一生働き続けられる安泰な会社に勤めたのに、ああ、もったいない……。

――思えば、最初はいきあたりばったりだったそうですが……。

はい、当初、研修講師や個人向けのキャリアアドバイザーなどを生業としようと考えていました。

飛び出す2年前から、週末に「プレゼンテーション講座」「キャリア講座」など個人のビジネススキルアップの講座を開いており、独立時点で300名近くの人を教えた実績がありました。なにより、話すこと、教えることが楽しかったのです。キャリアをテーマにした著作も出版しました。勉強会などを通じて築いた人脈もそれなりにあったため、なんとかイケるだろう。甘い考えで2014年9月1日、スタートを切りました。ところが……まるでダメだった(苦笑)。

その年、受注できた研修はわずか4件です。そのうち2件は、勉強会でお世話になっていた方のご好意とご縁でいただいたお仕事です。

これではとても食っていけない! 楽天的な性格ながら、さすがに焦りました。

誘われるがまま、良く分からない異業種交流会や、個人事業主の集まりに参加して仕事のチャンスを得ようと試みる日々。出会いを増やせば、誰か助けてくれる人があらわれるだろう。そんな期待を胸に。しかし、その手の会はたいてい自分と同じように困っていて、自分をPRするのに必死な人たちばかりです。後日、売り込みの挨拶メールや、Facebookのイベントの招待メールが山のように送りつけられるだけです。そのうち、会にも行きたくなくなります。ますます突破口が見出せません。負の状態が続きました。

そんなある日、知り合いのセミナープロデューサーのお誘いで研修講師が集まるイベントに参加しました。

研修会社の社長やプロデューサーも集まると聞いて俄然興味が沸き、ワクワクした気持ちで渋谷の会場に足を踏み入れました。ところが、そこに広がっていたのは……一面の赤い海(レッドオーシャン)。集まった研修講師は、ざっと100名以上です。まもなく自己紹介を兼ねたグループワークが始まる、しかしその光景があまりにショックで自分が何を話したか覚えていません。

「これは、ヤバいな……」

相当尖り続けていかないと、生き残っていけない世界です。本当に自分がやっていけるのか? 期待して参加したはずなのに、持ち帰ったのは胸いっぱいの不安でした。

――しばらく苦しいときが続いたのでしょうか。

サラリーマン時代からの継続で、週末に個人向けのセミナーも自主開催し続けました。ようやく自由の身になったのだから、どんどん開催しよう! 独立する前はそう意気込んでいました。ところが……思うように人が集まりません。個別にメッセージしても無視されるか、笑顔で断られる日々でした。会社勤めをしていた頃は、あんなに仲良くしてくれていたのに!数を開催すればするほど、同じ人に何度も招待メールを送るのはなんだか申し訳ない気持ちになって気が引けます。そして、頑張ってようやく人を集めても、前日や当日に必ずキャンセルが出ます。サラリーマン時代は、忙しいながらも楽しくやっていた一つ一つの準備作業が、どんどん苦痛になります。

当たり前ですが、サラリーマンとして安定収入があって片手間でやるのと、本業でやるのとでは気持ちの余裕もまったく違います。

「どうせ、ドタキャンするヤツいるしな……」

本来、人と触れ合うのが大好きな私なのに、日に日に人嫌いになっていくのが分かりました。

この壁を乗り越えなくてはと頭で分かりつつ、ココロは正直です。そして、どんどん惨めな気持ちになります。いつしか、私は「セミナー開催恐怖症」になっていました。もう個人向けセミナーなんてやりたくない……。

「サラリーマン辞めるの……早まったかな」

そんな暗い気持ちで、正月休みを迎えることになりました。

――「やりたいこと」ではなく「できること」に貪欲になるとは?

やりたいはずだった講師の仕事です。思った以上に険しく、気がつけば苦痛にさえなり始めています。それでも、研修会社から新入社員研修や若手社員の振り返り研修などの仕事が入り、日銭は稼げるようになってきました。

しかし、安心はできません。研修は所詮、ほぼ「一期一会」のお仕事です。かつ、新入社員研修や若手向けの研修は、若い講師が優位な世界です。結構体力勝負なのです。いつまでも登壇できるとは限りません。よほどの人気講師ならさておき、代わりはいくらでもいます。年末に渋谷で見た、真っ赤な海の景色が頭をよぎります。

「講師以外の道を模索しなくては」

切羽詰った私は、ある時、思い立ちました。

「『やりたいこと』ではなく、『できること』をとにかく切り売りしてみよう」と。

私のサラリーマン時代の経験職種(部署)は大きく3つあります。「購買」「情報システム」「広報」です。この3つを「できること」として世の中にあててみよう! 

画像

そう思い、セミナー会社の知人に相談してみました。その人の協力を得て、職種を軸にしたセミナーに登壇することになりました。転機は、日刊工業新聞社主催で登壇したセミナーです。テーマは「広報」でした。企業の広報部門の担当者を対象に、企業内コミュニケーション(インターナルコミュニケーション)について話しました。これが日の目を見ます。翌日、参加されていた大手企業の広報部の課長さんから「業務支援をして欲しい」とお引き合いを頂きました。

個人向けの「BtoC」ではなく、企業向けの「BtoB」が芽を出し始めました。

「いままで、『やりたいこと』にとらわれすぎていた。『できること』で自分を買ってくれる、企業のお客さんを増やしていったほうが良いのかも」。

そこにやっと気がつきました。そうはいっても駆け出しの身です。なかなか「BtoC」への希望も捨て切れません。企業から受注するには、時間もかかります。しばらく、個人向けのセミナーも続けながら、BtoBの種まきを始めました。

私の独立した知人で、「やりたいこと」にこだわり続けて苦しんでいる人がたくさんいます。上場企業の部長として、キャリアをぐんぐんあげて活躍した人なのに、なぜか個人向けビジネスに注力してうまくいかず路頭に迷っています。悩み続けています。正直、「もったいないなぁ」と思います。「できること」で稼ぎながら、「やりたいこと」の足固めをしていけば良いのに。もちろん、それが本人の意思ならば何も言いませんが。しかし、世の中理想だけでは食っていけません。一度、「できること」に立ち返ってみることをオススメします。

――思い切って「BtoB」に転換したそうですね。

広報のみならず「購買」「情報システム」のテーマでも講演しました。そこからの引き合いが生まれ始めます。時を同じくして、情報システムの世界の業務改善をテーマにした書籍「新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!」(シーアンドアール研究所)を上梓しました。IT企業からの講演依頼や相談もいただけるようになります。

「決めた。BtoBに転換しよう!」

個人向けの活動を全て終了しました。個人向けに発信していたメールマガジンをやめ、自主開催の個人向けセミナーも閉じました。今でもごくたまに個人向けをやることもあります、あくまで主催者から呼ばれて登壇するスタイルに徹しています。自分で主催はしません。「セミナー開催恐怖症」のトラウマもあるので……。

苦手なことはやりません。やめます。勇気はいるんですが、身ひとりで駆け回らなくてはならない個人事業主です。使える時間にもリソースにも限りがあります。捨てる決断こそ大事なのです。怖いけれど……。

――「BtoC」と「BtoB」でまったくやり方が違うのでしょうか。

世の中には、たくさんの「起業塾」やら「独立支援」を謳うセミナーやサービスがあふれています。私も独立前に、いつくか参加してコンサルタントにご指導いただいたことがありました。ここで陥りやすい罠があります。この手の多くのセミナーで教えてもらえるのは、「BtoC」に特化した手法なのです。

断言しますが、「BtoC」と「BtoB」ではまったくアプローチが違います。

コンサルタントに教わったのは、概ね次の3つです。

(1)ブログを立ち上げて毎日情報発信しましょう

(2)メールマガジンを立ち上げ、購読者を増やしマメに情報発信しましょう

(3)SNSの「友達」増やし、たくさんイベントを開催してファンを増やしましょう

私は、「BtoB」に方向転換しつつもこのやり方を頑張って続けてしまっていました。でも、よくよく考えて欲しい。あなたのサービスが、企業向けの「BtoB」だとしたらこのやり方に効果はあるのでしょうか?

・メルマガやSNSを通じて、あなたに自社のコンサルや業務支援を頼む管理職はいません

・個人向けのイベントの参加者から、「BtoB」のお仕事をもらえることはほとんどありません

・SNSで友達になった、近所の暇つぶしの中高年から「いいね!」をいくらもらったところで、何の飯の種にもなりません

起業塾のコンサルタントの中には、ブログやSNSの情報発信の度合いや露出度こそが集客の決め手のようなことを語る人もいます。マスを対象にした「BtoC」ビジネスであればそれも正論かもしれません。しかし、あなたの狙いが「BtoB」だとしたら? 間違った努力をし続けてしまうかもしれません。あなたの会社に出入りしているコンサルタントや個人事業主を見まわして欲しいです。特に著名な人ではないでしょう。

「BtoC」で行くのか「BtoB」で行くのかを最初に見定め、正しい努力をしたいです。

――「ついでに」がありがたがれる、とは?

サラリーマンの世界を飛び出して1年半が経った今、私は「できること」を軸に、企業の業務プロセス改善とインターナルコミュニケーション改善を生業としています。

……なんて言っていると、次のような質問をいただきます。

「沢渡よ、お前は研修講師になりたくて独立したんじゃないのか?」

「そんなに簡単に夢を諦めていいのか?」

結論を言うと、私は今、より理想的な形で研修講師の仕事「も」できています。昨年から業務支援をしている一社の担当者から、こんな打診をいただきました。

「沢渡先生、たしか研修講師もなさっているんですよね。では、当社の研修も今年から先生にお願いしたいのですが……」

「はい。研修「も」できますよ」

こんな流れで、通常の業務支援以外に、昨年5本の研修と講演を受注しました。今年はさらにコマ数を増やして登壇することになりました。「ついでに○○できます」この方が、自分で売り込むよりも感謝され、仕事にもつながることが分かりました。

考えてみれば、あなたがグローバル企業の管理職だとして、英語はペラペラだけれど業務経験も知識もまったくない人と、業務経験も知識もバッチリで英語はそれなりの人がいたら、どちらを雇いたいと思うでしょうか? 恐らく後者でしょう。英語は所詮、ビジネスの手段にすぎません。研修もまた、ビジネスのゴール達成のための手段でしかないのです。「BtoB」でやっていくならば、「研修のプロ」よりも「ついでに研修もできる」人のほうがありがたがられ、継続した仕事にもつながります。

自分がやりたいこと、できることをメインではなくて、「ついでに」領域にもっていきます。これが長生きの秘訣だと実感しています。

――営業が苦手だから、講演や執筆をしているとお聞きしたのですが……。

私は営業が苦手です。そもそも、営業なんてやったことがありません。そうはいっても、個人事業主とは苦手なこともやらなくてはなりません。ここにジレンマが生まれます。

独立当初は、過去の人脈をたどって挨拶回りと称した営業活動に汗をかきました。でも、やっぱりうまくいきません。では、どうしたらよいか? 自分で営業しない方法を考えるしかありません。

一つめは、資格を身につける、二つめは、講演する、三つめは、執筆する、四つめは、テレビに出演する、そして五つめは、専門家に営業を頼むことです。

中小企業診断士などの資格を持っている人は、それをフル活用すべきです。私は無資格人間なのでその手は通用しません。テレビ出演も残念ながら、いまのところ実現できていません。専門家に営業を頼むのはお金がかかるし、駆け出しの事業主にはハードルが高いです。私は講演と執筆に力を入れています。

講演は、先ほどお話しした通り、研修会社やセミナー会社を通じて「購買」「情報システム」「広報」の専門分野を軸にした講演を、執筆は自分の現在の本業を軸にした連載や単行本を書くようにしています。駆け出しの頃は、個人のキャリア形成のテーマで書いていたんですが、恐らくもうこのテーマで執筆することはありません。現在は、業務プロセス改善&インターナルコミュニケーション改善をテーマにしたもののみ受けています。

徐々に、読者から引き合いをもらえるようになりました。ありがたいのが、皆さん、仕事を頼む前提で声がけくださることです。本の主人公(私の最近の著作はすべてストーリーもの)が、私のできること、相手に提供できる価値をじっくり説明しておいてくれているので、話がはやいです。ほんとうにはやいのです。「具体的な悩みはこれで、これを解決したくて、これをお願いしたい」そんなトーンで相談いただけます。考えてみれば、40過ぎたオッサンである私の営業トークより、若い女の子が伝えるものがたりのほうが断然聞いてもらいやすいのです。

年明けは、アミューズメント業界の管理職の方から引き合いをいただき、業務プロセス改善支援の仕事がスタートしました。思いがけない業界と接点が出来るのも、二人の優秀な営業マン……もとい営業ウーマンのお蔭です。

画像

ちなみに、発刊から最初のお引き合いまではおよそ半年かかりました。種まきは早いにこしたことはありません。また、読者からの引き合い~受注を狙うのであれば、書くテーマは「ストライクゾーン(専門領域)に徹する」「書けないものは書かない(背伸びしない)」。この腹決めも重要です。

自分は営業が苦手です。だからこそ、私は執筆物を通じた営業活動にこれからも力を入れたいです。これはこれで、結構大変だけれども……。

――期待なんかするな、夢なんて持つなとは?

他人に期待しません。独立宣言をすると、多くの方から応援のメッセージをいただきます。

「蔭ながら応援します」「できることがあったら、言ってください」

中には、

「お願いしたい仕事があります!」「一緒に仕事しましょうよ?」

こんな優しい言葉をかけてくれた先輩事業主もいます。

ところが、いざ独立してお伺いしてみると。……どうも様子が違います。「一緒に」が「機会があれば」にすり替わっています。それどころか、会いたくてメッセージを送っても一向に返事がありません。

「蔭ながら」といってくれた人は、文字通り蔭でしかありません。そして、徐々に自分と距離を置かれてしまいます。痛いほど経験しました。

ここで挫折してはいけません。

世の中そんなものです。

多くの人は、あなたを助けたくても助けようがないのです。そして、自分の生活で精一杯なのです。たとえその人が大手企業の管理職であったとしても、鶴の一声であなたを雇えるほどの決裁権がある人がどれだけいるか?

そうはいっても、私もそんな優しい言葉に勝手に期待して、勝手に落胆した一人です。そうならないよう、敢えてみなさんにはお伝えします。

期待なんかするな!もう一つは、夢なんて持たないことです。

「起業」や「独立」をそそのかす多くの書籍やインターネットサイトは、夢を持ち続けて成功させた人の美談でもちきりです。脱サラをいたずらに煽っている気がしてなりません。でもよくよく考えてみてもらいたいです。そんな成功者は果たしてどれくらいいるのか? 100人に1人、いや1,000人に1人くらい? 私の周りを見ても、圧倒的にうまくいかずに苦しんでいる人が多数です。自分もついこの間まではそうだったし、またいつそうなるかも分かりません。夢敗れ、サラリーマンに戻る人も少なくありません。「起業」「独立」ノウハウよりも、「戻サラ」ノウハウのほうがよっぽどニーズがあるのではないかと思うくらい。これが現実です。

だからこそ、「やりたいこと」に固執せず、「できること」で稼ぐのです。夢だけでは喰っていけないのです。

――軸はブレても良いのでしょうか。

「自分の軸を定めろ」これよく言われます。そうはいっても、軸はブレるものです。私はそれでいいと思っています。トライ&エラーを繰り返して、自分のほんとうにやりたいこと、できることを見出していけばいいのです。

正直言います。私は今、当初やりたかった研修講師や個人向けのキャリア形成支援をしているよりも、企業に入り込んで業務支援やコンサルのほうがはるかに楽しいです。

そこでの仕事は、自分がサラリーマン時代にやってきたこととほとんど変わりありません。そして、気づきました。ああ、自分はそんなサラリーマンの仕事が大好きなんだなって。今、振り返ってみれば、自分が独立したのは、前職で自分に与えられたミッションが凍結になってしまってモチベーションが下がってしまったからです。サラリーマンの仕事自体は嫌いではなかったのです。むしろ、もっともっと経験を増やし、レベルアップさせていきたいです。

そう考えると、研修や人材育成のような間接的な関わり方よりも、お客さんの業務にどっぷりつかって、一緒に悩んで、一緒に汗をかいているほうが楽しいし、自分の価値を提供できます。今はそう思っています。

――価値は相手が判断するものなのでしょうか。

そうですね、最初に決めた軸にとらわれず、自分がやってきたこと、自分が出来ることをどんどん世の中に当ててみるといいのではないでしょうか。相手が、あなたの新たな軸を見出してくれることはあります。

私の今のもっぱらの悩みは、「あまねキャリア工房」って屋号をいつ変えるかです。もはや、キャリア教育って主軸じゃないんだよなぁ……(苦笑)

――いつでもサラリーマンに戻りたいと思っているのは、本当ですか?

はい。私はいま、独立している状態に実はこだわりはありません。なぜなら、サラリーマンの仕事が好きだからです。より面白い仕事にチャレンジできるのであれば、あるいはサラリーマンの立場のほうがより大きな仕事が出来るのであれば、喜んでサラリーマンの身になりたいとさえ思っています。社会保険や厚生年金などの福利厚生の魅力も、やはり捨てがたいのです。

先日ある会社から事業部長のポジションをオファーいただきました。お断りしたんですが、これからもこういうチャンスにめぐり合えるよう自分を磨いていきたいです。

サラリーマンとしても通用する人材であり続ける。それが「BtoB」で生き残るためのバロメーターではないでしょうか? そのためには、企業のビジネスの現場の肌感覚や常識失わないよう、変な方向(?)に走らず、企業に寄り添っていきたいです。

起業や独立は手段でしかありません。「何をやりたいか」「何ができるか」を常に自問自答し、最良の形を選択できるようになりたいです。

<プロフィール>

沢渡あまね(さわたり・あまね)

あまねキャリア工房 代表(個人事業主) 1975年生まれ。妻と小学生の娘を持つ40歳。

日産自動車、NTTデータなど国内企業の16年の勤務を経て、2014年秋より現職。企業の業務プロセス改善&インターナルコミュニケーション改善の業務支援・コンサル・講演・執筆を生業としている。趣味は里山カフェめぐり。

■あまねキャリア工房ホームページ

http://amane-career.com

■主な著書

「新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!」(シーアンドアール研究所)

http://www.amazon.co.jp/dp/4863541708

「新米主任ITIL 使って業務チーム改善します!」(シーアンドアール研究所)

http://www.amazon.co.jp/dp/4863541899

画像

■ブログ

業務改善娘

http://ameblo.jp/gyoumukaizen-musume

初出:「会社を辞めたぼくたちは幸せになったのだろうか」の一部を大幅に加筆して掲載

コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家

テレビ・ラジオコメンテーター(レギュラーは日テレ「スッキリ!!」等)。大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務、原価企画に従事。その後、コンサルタントとしてサプライチェーン革新や小売業改革などに携わる。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、サプライチェーン学講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書27作

坂口孝則の最近の記事