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福島の会社が行う「高速バスでの会社説明会」が面白い件

酒井一樹就活SWOT代表

福島県を本社とする会社が「東京・福島勘の高速バスの中で会社説明会を行う」という興味深い取り組みを行っています。

高速バスの乗車料は、もちろん無料。

上京もしくは帰省のついでに会社説明会に参加することが可能です。

4時間の乗車時間のうち、1時間程度の会社説明が行われるとのことです。

東京から福島への移動時、福島から東京への移動時、それぞれ開催されます。

株式会社ニラク ★東京~郡山(福島県)間 無料高速バス「Smile Express」

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◇◆◇ 無料高速バス内 会社案内 ◇◆◇ 

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バスの利用目的は学生の皆さんの自由です。

企業説明会や選考会に参加したい!

とりあえず郡山市までこの無料バスに乗り東北の目的地まで行きたい!

ボランティアに参加したい!実家に帰りたい!

思い切って温泉旅行に行きたい!

どのような理由でもかまいません!

2回3回と何回でもご利用していただきたい!

地域経済の活性化は産業が栄え、そこに雇用が生まれ

人々が生活をしていく事で活性化されます。

もしこのバスを利用して『福島県が好き!』『福島県で働きたい』と

思っていただけたら光栄です。

乗車時間は約4時間です。

せっかくなので乗車中の内、約1時間だけ、

株式会社ニラクの会社案内をお聞きください。

あとは携帯を見てるもよし!

寝るのもよし!

お菓子を食べてもよし!

バスの中全員で楽しみながら郡山まで運行したいと思います。

参考:http://shukatsu-swot.tumblr.com/post/75473669343|

同社は、福島県のパチンコ・スロット系の企業のようです。

業種的には不人気であると言えますが、だからこそこういった施策が学生との接点を作る秘訣であると言えそうです。

復興・就活バス出発! 東京-郡山間往復、ニラクが応援(福島民友新聞)

今年は7月19日までの運行で、東京―郡山間を1日1往復する。1回の定員は45人。就職情報サイト「リクナビ」「マイナビ」内のニラクのページから予約する。利用対象者は4月1日から2015(平成27)年3月31日までに卒業見込みの学生、または大学院、大学、短大、専門学校卒業者で職歴のない人。

出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140117-00010013-minyu-l07

バスの中で会社説明会といえば、以前カヤックが行っていた「旅する会社説明会」が思い出されます。

http://www.kayac.com/recruit/sesshu03/

「たった1回の説明会に出るために、多くのお金と時間を費やすのはもったいない」ということで、鎌倉本社に来てもらう代わりに、カヤックの方からバスで全国各地に出向く。2月28日から3月5日まで、全国17都道府県で実施する。

鹿児島から北海道まで、オリジナルのラッピングバスで日本を縦断し、移動距離は3900キロ(サンキュー)。太宰府天満宮、甲子園、鎌倉の大仏など史跡名所で記念撮影イベントも実施しながら、車中で会社説明会を行う。香川県では人気のうどん屋に並びながらの説明会になるという。

出典:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1202/17/news030.html

※こちらのカヤックの説明会は今年は実施されていません。

ニラクとカヤックの取り組みの違いとして、カヤックは「就活生のいる場所にいって説明会をする」というコンセプトだったこと、ニラクは「東京と福島(本社)間を移動しながら説明会をする」というコンセプトだった事が挙げられます。

カヤックの「旅する説明会」は、開催前はかなり話題になったものの、開催後にその結果を伝える情報は多くありませんでした。

数少ない、開催後のインタビュー記事の中では下記のように語られています。

バスには採用担当2名と、あとは開催場所によって代表の柳澤や私などスケジュールが合う人間が乗り合わせました。参加人数が多いときは、前でバスガイドみたいに話すわけですが、少ない時はバスの後ろを 「コ」の字型にして座談会っぽくやるなど、人数に応じて臨機応変に対応しました。紙の資料も1枚は配りましたが、あんまりそれを見ていると、みなさん酔っちゃうんですよね。ホワイトボードやプロジェクタなどもスペース的に難しいので、これも割りきってなしにしました。

実際やってみて改めて感じたことは、結局、学生さんが見たいのは、スライドの説明ではなく、例えば、柳澤と社員が話すときや、社員同士が話しているときの雰囲気から感じ取る、会社そのままの雰囲気であって、そこから感じ取る情報量が多いのだということですね。

例えば、バスの中で会社説明会をやると、想定外のアクシデントが常に発生するので、その対処についての話なども、常に学生さんに公然と聞こえるところで話すことになります。これが意外と実際の社員同士の空気・雰囲気を伝えるのに一役買っていたと思います。いわゆる普通の説明会や、コントロールされた座談会では、見せようと思ってもなかなか見せにくい、口だけではない、会社の風通しの良さとか上下関係がないフラットさが、自然にでたということですね。

出典:http://www.social-recruiting.jp/archives/9262

カヤックの場合は「面白法人」だから、前年と同じことはやらない方針であると、同社のインタビューで語られたことがあります。

一方で、ニラクが開催する「東京・本社(福島)間の高速バス内説明会」は、福島に縁のある学生に訴求することもできそうで、合理的です。

すでに3年目の取り組みのようで、一定の成果を出しているのではないかと思われます。

他の地域・他の業種にも普及すれば、交通費のかさむ就活生にとっては有難い取り組みになりそうです。

就活SWOT代表

慶應義塾大学在学中、世界初の就活SNSの代表に就任。国内最大の就活SNSへと成長させた後に大学を卒業し、エグゼクティブサーチを行う人材ベンチャーに入社。役員・事業責任者などの幹部人材の採用支援に携わる。2009年にエイリストを設立し「自分の頭で考え、行動する人材を増やす事」を命題として就職情報サイト「就活SWOT」を開設。

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