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4年で2度も就活の時期が変更に。「就活後ろ倒し」12月に入ってみての現状は?

酒井一樹就活SWOT代表

2016新卒の就職活動から、3月に広報開始となり、従来よりも後ろ倒しとなっています。

これまでの経緯としては

・2013年卒以前が10月スタート

・2014〜2015新卒の就活は12月スタート

・2016新卒から3月スタート

…に変更となっています。

なんと直近4年で2回も時期が変わっているという事になり、

就職活動を行う学生はもちろん、採用を行う企業も振り回されている状況です。

◎学生の動きについて

昨年であれば11月中旬〜12月上旬から動き出す学生が多かったのですが、

今年は12月上旬になってようやく 動き出しが見え始めたという印象です。

動き出しは2〜4週間程度遅れで、「活動開始のピーク」は2〜3ヶ月遅れるのではないでしょうか。

(あくまで就活SWOTの会員などの状況を見ていての印象です)

12月から動き出す学生が多いことについては、ある程度予測はしていました。

…というのも、10月→12月に変更された2014新卒の学生の就活では

10月になってから「去年は10月スタートだったが自分たちは違うらしい」と

戸惑いを見せつつ動く学生が多かったためです。

かなり前から報道されていたことですが、それでも就活の時期が変わり不安に思っている学生はいるようです。

◎企業の動きについて

企業の動きとしては、やはり秋〜冬にもインターンシップを開催するケースが多く見受けられます。

参考:就活カレンダー

また、経団連に入っていない企業や外資系企業を中心に、

すでに採用ホームページを公開し、学生への採用広報を行っている企業もあります。

すでに2016年卒の採用活動を開始している/新卒採用サイトをオープンしている企業まとめ

(この辺り、学生は経団連に加入している会社とそうでない会社は

区別がついていない事が多いので、混乱される就活生も多いようです。)

一部の外資系企業の採用時期はほぼ変化なし

また、夏のインターンシップ等で「水面下で内々定を出している」企業があるのは

例年と変わっていません。(主に外資系、ベンチャー企業など)

一部の外資系企業では、もうそろそろ採用活動が終わってしまう企業もあるほどです。

現在募集中/開催中のウインタージョブ(冬のインターン)が採用直結になっており、

それ以降はほとんど採用枠が残りません。

就活の後ろ倒しは「二極化」を招く

残念ながら就活の後ろ倒しにより、

「夏インターン参加組の優秀層」と「就活は3月開始だと思っている一般層」

の二極化は激しくなってしまいました。

日系企業を志望していた優秀な学生が

「外資コンサルや外資金融は今の時期から選考を行っている」という理由で外資を受け、

そのまま外資にクロージングされてしまう事もあります。

「日系企業志望でも、練習のために外資を受けるべき」というアドバイスを受ける学生も多いです。

今の就活市場では、優秀な学生ほど

外資コンサル・外資金融などの採用情報を受け取りやすい環境になってしまっているのです。

そして、さらに心配なのは「3月スタート」を素直に信じて

まだ何もしていない就活生の存在です。

4年生の秋学期になっても就職先が決まらない学生は、

例年よりも確実に増えてしまうでしょう。

それを踏まえた上で、就活支援を行う企業も対策を考えるべきだと考えています。

就活SWOT代表

慶應義塾大学在学中、世界初の就活SNSの代表に就任。国内最大の就活SNSへと成長させた後に大学を卒業し、エグゼクティブサーチを行う人材ベンチャーに入社。役員・事業責任者などの幹部人材の採用支援に携わる。2009年にエイリストを設立し「自分の頭で考え、行動する人材を増やす事」を命題として就職情報サイト「就活SWOT」を開設。

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