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ジョニデ離婚:アンバー・ハードが証言記事を書いたジョニー・デップの友人を訴訟

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:REX FEATURES/アフロ)

ジョニー・デップとアンバー・ハードの離婚劇が、新たな展開を見せた。米西海岸時間3日(金、)ハードが、デップは暴力をふるっていないと証言する記事(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160531-00058297/)を書いたデップの友人ダグ・スタンホープを、名誉毀損と意図的に感情的苦痛を与えた罪で、訴訟したのである。

この記事がthewrap.comに掲載されたのは、5月29日(日。)翌月曜日には、ハードの弁護士が、この記事は事実無根であり、彼は自分の利益のためにセレブリティの醜聞を伝えようとしているにすぎないという抗議の手紙をthe wrap.comに出し、記事の削除を求めていた。しかしthewrap.comは、法務担当部からハードの弁護士に返事をさせると答え、現在も記事を取り下げていない。

ビバリーヒルズとアリゾナ州のふたりの弁護士をつけて出された訴状は、以下のような文面で始まっている。

被告は、原告アンバー・ハードが、離婚申請をしている夫ジョニー・デップをゆすり、彼に対するほかの犯罪行動も取っていたと非難する虚偽の記事を書く策略を練り、thewrap.comに掲載した。ハードに対する非難は完全なる間違いで、名誉毀損であり、今後も彼女を大きく傷つけていくことになるものだ。被告がこのような策略を企てた目的は、デップに関する真実から人々の関心をそらせることにあった。デップはこの結婚を破局させる原因を作った側である。結婚している間、デップは、時にハードが命の危険を感じるほど、繰り返し暴力をふるってきた。ハードは、夫デップからの継続的な肉体的暴力から身を守るため、裁判所に接近禁止命令を申請しなければならなかった。結婚している間、ハードは、デップが薬物や酒を断って、彼女に対する暴力的な態度を改めるためのチャンスを、何度となく与えている。デップがふるまいを変えることはないとついに気づいた時、負傷や命の危険を避けるために、ハードは離婚申請をし、接近禁止命令を取得するという、とても辛い行動を取ることにしたのである。

ハードが正直かつ必要な書類を裁判所に提出したのを受け、被告は、公に向かって、ハードが、ゆすりやそのほかの犯罪行動を行っていたという虚偽の非難をした。被告は、それが事実にもとづいていないことを知りつつ、そうしたのである。被告の言っていることは、まったくもって虚偽で、名誉を毀損するものだ。被告が行っていることは、典型的な被害者攻撃であり、ハードの信頼を傷つけ、評判を落とし、彼女が一生懸命築いてきたエンタテインメント業界のキャリアを傷つけるものだ。それに加えて、長年にわたってデップが彼女に行ってきた暴力を奨励もするものである。

ハード側は、陪審員による裁判を求めている。陪審員が、この記事のせいで起きた実際の損害、その懲罰、訴訟にかかった経費、謝罪の意味を含め、できるかぎり多額の支払いを要求する判決を出してくれることを望んでおり、その全額を、アリゾナ州にあるDV被害者の女性のための施設に寄付すると述べている。ハードの離婚は、デップとハードが住むロサンゼルスの裁判所に申請されたが、この訴訟がアリゾナでなされたのは、スタンホープの居住地がアリゾナ州ビズビーになっているためと思われる。

スタンホープはスタンドアップコメディアン。デップとは2年ほど前からの友人ということだ。thewarp.comに寄稿した記事で、スタンホープは、「そのDVがあったとされる土曜日、僕とビンゴ(スタンホープの恋人)は、多くの時間をジョニーの家で過ごしていた。彼がむっつりしているのは、前日にお母さんが亡くなったせいだろうと思っていたら、それだけではないのだと、彼は気弱に告白してくれた。アンバーが離婚しようとしていて、もし彼女の条件に従わないなら、公に向けてすごい嘘をついてやると言っているというのだ。それは、世間でいうところのゆすりというものだろう」と書いた。さらに、「女性に暴力をふるうのは最低。でも、ジョニー・デップは誰にも暴力をふるわない。彼は、彼女がこういうことをやるだろうと、前から知っていた。ジョニー・デップは、利用され、操られ、ひどい奴に見られるようにはめられた。わかっていたのに、彼はそれを止めようとしなかったんだ」と述べている。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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