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ジョニデ離婚:元婚約者ウィノナ・ライダー、デップがDVをするなんて「想像できない」

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
ジョニー・デップと4年間を共にしたウィノナ・ライダー(写真:REX FEATURES/アフロ)

ジョニー・デップを良く知る人が、またひとり、彼を弁護する発言をした。過去の婚約者ウィノナ・ライダー(44)だ。

デップとライダーは1989年に出会い、ティム・バートン監督の「シザーハンズ」(90)の撮影現場で婚約した。当時、デップは「Winona Forever」というタトゥーまで入れたが、93年に婚約破棄した後、「Wino Forever」に変えている。

ライダーは、7月15日にNetflixで配信スタートするオリジナルシリーズ「Stranger Things」に主演しており、その宣伝活動で、「Time」のインタビューを受けた。作品について語った後、記者が、「これを聞いてこないと編集者に殺されるんで」と前置きした上で、デップがDVを行っていた疑いについてどう思うかと聞くと、ライダーは、以下のように答えている(インタビュー全文はここで見られる:http://time.com/4380827/winona-ryder-stranger-things-johnny-depp/)。

私は、もちろん自分自身の経験からしか語れない。もしこれが、不倫だとか、別の種類のスキャンダルだったら、私は、「自分には関係ない」と言って、ノーコメントを通すでしょう。自分が口出しする事柄じゃない、と。でも、今言われていることは、世界中で大勢の女性たちを苦しめている事柄だから、みんな関係あると感じるのよ。それはわかるわ。あなたがなぜそれを聞いてきたのかも、理解できる。

私は、自分自身の経験しか語れないけれど、それは、今言われていることと、まったく違うわ。彼が私に対してそういう態度を取ったことは、一度もない。彼は一度たりとも私に暴力なんてふるっていない。私が知る彼は、すごく性格が良くて、愛情に満ちていて、思いやりがあって、自分の愛する人たちを守ろうとする人。それが私の経験。もう、だいぶ昔のことだけど。

あなたがどう感じているかわからないけれど、このことについて何か言うと、被害者を責めることになってしまうのよね。私はその場にいなかったんだもの。そこで何が起こったかを、私は知らない。私は、誰のことも嘘つき呼ばわりしないわ。ただ、私にとっては、すごく気になることだし、理解に苦しむと言っているの。たしかに遠い昔ではあるけれど、私たちは4年もつきあったのよ。私にとって、あれは大恋愛だった。私たちには共通の友達もたくさんいる。彼について、そういうことを、私は一度も聞いたことがなかったわ。そんなことを口にしただけで、殺すぞとかいう脅迫を受けるんじゃないかと思うんだけど。私はソーシャルメディアを使わないから、大丈夫かしらね。

でも、辛いわ。あなたにどんな恋愛歴があるかは知らないけれど、あなたが過去につきあった人にこういう疑いがかけられている状況を想像してみて。暴力のパターンというのがあることも知っているし、なぜあなたが私にこの質問をしてきたのかも理解できる。でも、とても奇妙に感じるのよ。昔つきあっていた人がそんなことで責められている状況を想像して。彼とつきあっている時、私は17歳だったのよ。衝撃だわ。私は、彼が誰かに暴力をふるったのを、一度も見たことがないんだもの。

そんな状況を思い描いてみることができない。自分の心境を伝えるならば、「想像できない」という言葉に尽きるかしら。誰かが何かしたと聞いて、「あの人ならありえるかな」と思うことがあったりする。でも、今回は、そうじゃない。この件について私が語るのは、これが初めてよ。私は自分の経験しか語れない。(DVは)とても深刻で、ひどいこと。

自分の兄弟か誰かに全然知らない部分があったような感じとでも言うのかしら。だから、「私が語ることはふさわしくないのでは?」と思ったりもするの。でも問題が深刻なだけに、「私には関係ない」で片付けられない。でも、私が提供できるのは、自分の経験だけ。そしてそれはすごく昔の話よ。

デップにDVを受けていたというアンバー・ハードの主張に対しては、デップの最初の妻ロリー・アン・アリソンや、デップのふたりの子供の母親であるヴァネッサ・パラディも、信じられないという旨の発言をしている。デップが過去につきあった女性たちには、ほかに、シェリリン・フィン、ジェニファー・グレイ、ジュリエット・ルイス、ケイト・モスなどがいる。

当のデップは、バンドのヨーロッパツアーの後、バハマに所有する島に直行し、プライベートな時間を過ごしていたが、ようやくL.A.に戻ってきたようだ。米西海岸時間25日(土)、デップは、デップを弁護するエッセイを書いたダグ・スタンホープら友人とサンセット通りのコメディクラブを訪れ、突然舞台に上がって、観客を驚かせている。スタンホープは、現在、ハードから名誉毀損で訴えられている(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160604-00058442/)。

デップのDVと正式な接近禁止命令についての裁判は、今月17日に予定されていたが、デップの弁護士の要求で、8月に延期された。自分はお金目当てではないと世間に対して主張するため、ハードは、離婚が成立するまでの一時的な配偶者サポートとしてデップに月5万ドルの支払いを要求していたのを、取り下げている。その書面の中で、ハードの弁護士は、ハードは離婚においてこれが当たり前のことと思ったから要求したにすぎず、裁判所は一時的サポートとしてデップに月100万ドルを支払わせただろうと思うとも述べた。ハードが取り下げたのは「離婚成立までの一時的なサポート」の要求であり、離婚調停で本格的な配偶者サポートを要求しないとは言っていない。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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