ジョニデ離婚:「メディアに情報を流さないという約束をあなたは破った」
しばらく動きを見せなかったジョニー・デップとアンバー・ハードの離婚騒動だが、水面下ではさまざまなやりとりが行われていたことが、デップの弁護士が提出した嘆願書でわかった。
最近、ハードは、デップに対して、デップの資産に関する書類の提出を求めていたようで、デップの弁護士ローラ・ワッサーが裁判所に提出した嘆願書は、それに応えるものだ。ワッサーは、その文面の中で、5月27日にデップ側はハードに秘密保持の合意書へのサインを求めたが、奇妙なことに、彼女はそれを拒否したと述べている。その後、デップ側は、秘密保持契約について、ふたつのパターンの書類を用意し、「そちら側で変えたい部分があれば聞き入れる」と申し出たが、ハードはそれにも答えなかったとのことだ。
その間にも、「アンバーに近しい人によると」という前置きがついた記事が多数流れ、とりわけ6月10日にTMZ.comが出した報道には、デップ側が口頭でハード側に伝えた条件の詳細が出ていた。メディアに情報を流さないよう、お互いできるだけ努力をするというのは、ハードの弁護士サマンサ・スペクターが出してきた提案であるにも関わらず、「あなたは自ら約束を破った」と、ワッサーは、書面の中で責めている。
資産の内訳はきわめて個人的な情報であるだけに、それが欲しいなら秘密保持の合意書にサインをするように、というのが、この嘆願書が主張するところだ。「アンバーが求めている情報のほとんどは、彼女が受け取る権利のあるものだと、ジョニーは認めています。しかし、双方のプライバシーを守るため、これらの書類を作成する前に、秘密保持に関する合意が交わされることを、ジョニーは要求しています」と、ワッサーは自分たちの意図を説明している。
ここで「ほとんど」となっているのには、理由がある。ハードが現在求めている情報の中には、ふたりが出会う数年前に遡ったものも含まれているというのだ。カリフォルニア州では、結婚期間中に得た財産は夫婦が共有するものとみなされ、離婚の際に分け合う対象となるが、結婚前に得たものは入らない。いくらハードが欲しがっても、そこにはどうせ手がつけられないのに、なぜその情報が必要なのかは謎である。さらに、デップのバンドメイトらにも記録を求めているとのことで、ワッサーは、「それは個人情報であるのはもちろん、離婚調停を進める上で、まったく関係がないことです」と一蹴している。
この書類には、また、6月なかば、メディアに気づかれないところで離婚調停をしようと動いていたことも記されている。デップ側は、ハードが望む仲裁人を使うことにも同意したが、結局、その機会は実現しないままで終わった。
ヨーロッパでのバンドのツアーを終え、バハマに所有する島での休暇から戻ってきて以来、デップは、少しずつではあるが、人前にも出ている。17日(日)には、ハリウッド・ヴァンパイアズのバンドメイト、アリス・クーパーと、ミネソタ州で行われたチャリティイベントで演奏。デップが舞台の上でサインをしたギターには、オークションで6万ドルの値段がついた。その少し前には、バンド仲間とラジオでインタビューも受けている。事前にデップ側のパブリシストからお達しがあったからと思われるが、そのインタビューで、離婚については、当然、いっさい語っていない。
ところで、デップは、現在、南フランスに所有する不動産を売ろうとしている。この物件は、ひとつの村全体で、広さは37エーカー(約4万5,300坪)。教会はゲストハウスに改装され、レストランだった建物はダイニングルームとして使われている。ふたつのプールとジム、息子のために作ったスケートボード場もある。デップは、昨年6月に、一度、この物件を2,600万ドル(約28億円)で売りに出したが、今月、その倍の5,500万ドル(約59億円)の値段で、改めて市場に出した。昨年デップが雇った地元の不動産業者は、この値段は法外で、デップや今回の不動産業者が「どうやってこんな数字を思いついたのかわからない」と、CNNに対して語っている。一方で今回デップが雇った不動産業者は、「この物件は、村全体で、中にいくつも違った建物がある。そこがほかと違っている。前回の値段が間違っていたのだ」と、自信を見せている。
いずれにせよ、この物件をデップが購入したのは2001年で、ハードは1ミリたりとも恩恵は受けられない。