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ジョニデ離婚:アンバー・ハードの証言取りにデップが雇った超パワフル弁護士とは

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
過去にメル・ギブソンの弁護も務めたすご腕女性弁護士ブレア・バーク(写真:Splash/アフロ)

アンバー・ハードの宣誓証言取りが、米西海岸時間6日(土)、L.A.で始まった。

午前10時開始と決まっていたが、ハードは1時間半遅れて午前11時半、ジョニー・デップの離婚弁護士ローラ・ワッサーの事務所に到着。あまりにも現れないので、すっぽかすのかと思われたほどだ。すっぽかした場合は、裁判所から侮辱罪を問われることになる。とりあえず来たということで、それは免れるが、ハードの弁護士サマンサ・スペクターも、15分遅刻の10時15分に現れている。

一方、デップ側がこの証言取りのために特別に雇った刑事被告人の弁護を専門とする弁護士ブレア・バークは、約束より20分早い9時40分に到着している。証言取りは7時間続くこともあるそうで、筆者がこの原稿を書いている今現在もまだ行われているかもしれないと思われる。

ワッサーが、アンジェリーナ・ジョリー、キム・カーダシアン、アシュトン・カッチャー、ブリトニー・スピアーズ、ライアン・レイノルズらの離婚調停を請け負ったハリウッドきってのすご腕弁護士であることは前にも書いたが、今回、デップとワッサーが、この証言取りのために雇ったバークも、これまたすごい人だ。

バークの父は、ノース・カロライナ州でトップと言われる刑事犯罪人専門弁護士。ハーバードのロースクールを卒業後、L.A.の大規模な弁護士事務所に職を得たことで、バークはL.A.に引っ越してきた。最初に担当したケースは、オジー・オズボーンの「Suicide Solution」の歌詞が、ジョージア州のティーンエイジャーの自殺に関係しているとされた民事裁判。バークはこの裁判を、見事、棄却に持ち込んだ。

その後も、リース・ウィザスプーンやジェラルド・バトラーがパパラッチとの間に起こした争いや、キーファー・サザーランド、リンジー・ローハン、クィーン・ラティファらの飲酒運転事件、またカニエ・ウェストの傷害事件などで、クライアントに良い結果をもたらしている。メル・ギブソンの元恋人オクサナ・グリゴリエヴァがギブソンにDVを受けていたと訴えた時も、ギブソンに雇われた。

6年前のCNNへのインタビューで、バークは“セレブリティ御用達弁護士”と呼ばれるのは嫌だと語っている。自分はあくまで“刑事犯罪被告人弁護士”だとし、「20年この仕事をやってきた中で、刑事犯罪がメディアに報道されることが私のクライアントに利益をもたらしたことは一度もない」と語った。彼女によると、クライアントが有名だからといってそれに乗っかる弁護士は、浮かれてへつらっているとのことだ。

一方、ハードの弁護士ふたりは、ハードが今朝の証言取りに来るのを待つ間にも、TMZ.comのビデオインタビューに答えている。その中で、「ほとんどの人が、ジョニーはアンバーに暴力などふるっていないと思っていることについて、どう思いますか」と聞かれると、弁護士のひとりチャールズ・J・ハーダーは、「それは僕らが理解するところと違うね。ほとんどの人は僕らのクライアントを信じている。なぜなら、それが真実だから」と答えた。

TMZ.comが伝えるところによると、デップ側とハード側は、昨日(米西海岸時間5日)、夜9時までかけて、示談の話し合いをしたが、実らないまま終わったとのことだ。ハードの弁護士ハーダーは、「話し合いは決裂したわけでなく、今も続いている。このケースにはいろんなことが関わっているんだ」とコメントしている。

デップは、本日の証言取りに出席することもできたはずだが、姿を見たという報道はない。同じ部屋にいることになるため、デップが出席するためには、ハードが裁判所から取得している一時的な接近禁止命令をこの日だけ解いてもらう必要があった。それをハードが拒否したのか、デップが求めなかったのかどうかは、現段階ではわからない。デップは、来週、同じように証言取りをされることになっている。これらの証言は、あくまで今月15日と16日に予定されている裁判に向けてのもので、証言取りで勝ち負けは出ない(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160805-00060764/)。裁判を避けて示談で解決するのはどちらにとっても理想的なことであり、その間も、双方の水面下での話し合いは行われ続けるものと思われる。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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