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ジョニデ離婚:アンバー・ハード、証言はひとこともしなかった

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
先週、ロンドンのナイトクラブを訪れた時のアンバー・ハード(写真:Splash/アフロ)

米西海岸時間6日(土)に行われるはずだったジョニー・デップのDV容疑をめぐるアンバー・ハードの証言取りが、行われないままだったことが判明した。

ハードはこの日、約束の時間より1時間半遅れ、午前11時半にデップの弁護士ローラ・ワッサーの事務所に到着している。午後9時までそこにいたのだが、TMZ.comが伝えるところによると、質疑応答は、結局、いっさいなされなかったのだという。

デップ側は、ハードに審問を行う人物として、刑事犯罪専門のベテラン弁護士ブレア・バークを雇っている(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160807-00060834/)。バークは予定より20分早い9時40分に現れ、会議室で、ワッサーやビデオカメラマン、法定速記者らと待機していた。しかし、ハードがこの部屋に現れることはなかったというのである。

では9時間半も何をしていたのかというと、別の部屋で、双方の弁護士が、示談に向けて、長々と交渉をしていたとのことだ。双方は、その前日である金曜日にも、夜9時ごろまでかけて示談に向けて話し合っている。しかし、最終的に、またもや合意は得られなかった。

この報道が出た数時間後、ハードのチームは、TMZ.comに対し、「アンバーは証言をするつもりでいて、準備もちゃんとできていたのに、ジョニーの弁護士が行おうとしなかった。彼女は10時間も待っていて、その間、証言を拒否したりはしていない。ジョニーのチームは、証言取りをしたいのならば、できる状態にあった」とコメントしている。「New York Daily News」も、「その場の状況を知る複数の情報源から聞いた」との前置きつきで、「弁護士たちが始めましょうと言い、アンバーが部屋に入ろうとした時に、示談の話がまた始まった」「双方の弁護士が、すべてにおいて満足がいく条件についてやりとりをする間、9時間以上も彼女はそこで待っていた」と報道している。

ところで、ハードが遅刻したと報道されたことについて、ハードのチームは「彼女は最初から11時に来ると伝えてあった」と主張している。「実際、11時に着いていたのだが、パパラッチがいて、建物の中に入れなかっただけ」とのことだ。

そもそも、わざわざ土曜日に設定されたのは、現在仕事でロンドンにいるハードの都合に合わせたためだった。ハードは、来週月曜日に予定されている裁判には出廷するつもりでいるという。ハードが先週土曜日に宣誓証言をすることを前提に、デップも、今週水曜日に同じことを行うと決まっていたが、ハードが証言をしなかったことを受けてか、デップ側は、この日には行わないと言っているらしい。

いつものことながら、デップ側はメディアに対して沈黙を守っており、実際にそこで何があったのか、正確なことはわからない。しかし、裁判が1週間後に迫る中、水面下ではかなりの動きが起こっていることが想像される。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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