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ジョニデ離婚:デップの弁護士「アンバーは泣き叫んで証言を拒んだ」

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:REX FEATURES/アフロ)

ジョニー・デップの弁護士が、彼ら側の真実を語った。

先週土曜日、アンバー・ハードが指定の場所を訪れながらも、結局、ひとことも証言をしなかった件(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160809-00060914/)について、デップの弁護士ローラ・ワッサーが、西海岸時間本日(火)、裁判所に新たな書類を提出した。その中で、ワッサーは、証言取りを行う会議室に入るよう、繰り返し言ったのに、その都度ハードは拒否したと述べている。午後5時半にまた部屋に入れと言った時も、ハードは、隣の部屋にとどまったまま、泣き叫び始めたという。また、ハードは、ワッサー側に渡すことになっていた書類を渡すのも拒否した。裁判所に対し、ワッサーは、裁判でハードが証言できないようにするか、あるいはこのDV訴訟自体を棄却してほしいと嘆願している。

ハードがまったく証言をしなかった理由について、ハード側は昨日、メディアに対し、「彼女はそのつもりでいたのに、ジョニー側の弁護士が始めようとしなかった」と説明していた。「New York Daily News」は、「双方の弁護士が示談についての話し合いを始めてしまった」と報道している。しかし、デップ側は、この日、ハードを審問するために、わざわざ特別のベテラン弁護士を雇い(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160807-00060834/)、時間どおりに約束の場所で待機をしていただけに、やや納得のいかない話だった。

裁判所がワッサーの嘆願にどのような判断を下すかによって今後の展開は大きく変わるが、予定どおり裁判となった場合、デップ側は、23人の証人を用意している。ワッサーが提出したリストの中には、DVがあったとの連絡を受けた直後、デップとハードの家を訪れた警官ふたり(ふたりは、家が荒らされた様子はなく、ハードにケガはなかったと証言している)、デップとハードが住むコンドミニアムのコンシェルジュ5人(DVがあったとされる5月21日から、その後の6日間、この5人はハードの姿を見たが、ハードの顔にケガは見られなかったと言っている、)ガードマンふたり(5月21日、家の中にいたが、デップはハードに暴力をふるっていないと語っている)などが含まれる。デップの家のメイドも、家の中で発見したことについて証言するらしいが、その“発見”が何なのかはわからない。さらに、プライバシーの理由で今は説明できない、謎の証拠写真もあるとのことだ。

一方、ハード側の証人は、ハードの友人ラクウェル・ペニントンとその恋人、5月21日にハードと電話で話し、現場に来たとされる iOことティレット・ライトなど7人。ハードの弁護士サマンサ・スペクターは、過去の医療カルテをDVの証拠として提出しており、デップとハードの会話の録音音声やビデオもあると述べている。

ところでデップは、ハードの証言取りの日、スペインのイビザ島で休暇を楽しむ様子を目撃されている。デップがハードの審問に出席するためには、同じ部屋に入らなければいけないため、この日だけ一時的な接近禁止命令を解いてもらう必要があった。ハード側がそれを拒否したのか、デップが最初からそれを望まなかったのかはわからない。裁判は、接近禁止命令を恒久的なものにするかどうかについてのもので、今月15日と16日に予定されている。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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