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ジョニデ離婚:マリリン・マンソン、「アンバーが言ったことは全部でたらめ」

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:Splash/アフロ)

「あれらは全部嘘。ジョニーはすばらしい人だ。」

ジョニー・デップとアンバー・ハードの離婚条件成立から半月がたった今、デップの長年の友人でミュージシャンのマリリン・マンソンが、この騒動について語った。thedailybeast.comが報道したマンソンのコメントは(記事全文はここで読める:http://www.thedailybeast.com/articles/2016/09/03/marilyn-manson-defends-pal-johnny-depp-he-was-completely-crucified.html)、マンソンが出演する「Salem」のプロモーション活動の中で語られたもの。完全なインタビューは来週アップされるとのことだが、thedailybeast.comは、デップに関わる部分だけをいち早く公開した。

記事の中で、マンソンは、「僕はリリー=ローズのゴッドファーザーなんだよ。それに(リリー=ローズの弟でデップの長男)ジャックが生まれる時は、その場にいたんだ」と、デップとのつきあいの深さを強調している。その上で、「ジョニーは、僕が知る中で、最高に良い人だ。あまりにも周囲の人に対して優しすぎて、感動してしまうくらい。彼は、(この離婚劇で)不当に苦しめられたんだよ」と続けている。さらに、「僕は、友人として、ずっと彼を支え続ける。ジョニーは、できるかぎりベストを尽くして、この状況に挑んだと思う。彼は最高の父親だ。彼の子供たちが、良い子として成長していくのを見るのは、すごく素敵な気分だったよ。僕とジョニーは、ちょっと前にも、一緒にショーをやったところだ。これら(デップについてハードが語ったこと)は、全部でたらめだ。彼は本当に良い人だと、僕は知っている。もしも僕が証言台に立たされたら、それは違う、あなたが言うようなことを僕は見ていないと語っただろう」と述べた。

たった15ヶ月で破局したデップとハードの離婚劇は、ハードがデップにDVを受けていたと裁判所に訴えたことから、複雑な展開を経ることになった。最終的にハードは、DV訴訟を取り下げ、デップから700万ドルを受け取ることで和解している。ところで、カリフォルニアでは、離婚の時に、悪かったほうが払うというシステムはないため、これは“慰謝料”ではない。カリフォルニアでは、どっちが悪かったかに関係なく、お金を稼ぐほうが、稼がないほうに対して払うということを、ここであらためて強調しておく。

一方で、デップが出演するディオールのメンズ香水オー ソヴァージュについても、さまざまな意見が飛び交っている。

オー ソヴァージュのアメリカでの広告には、「Wild at Heart(根っから野蛮)」というキャッチが入っており、ハードが申し立てたことが本当であるにしろないにしろ、これを出し続けてもいいのかと疑問視する声が早くから出ていた。にも関わらず、ディオールがまだこのCMを流し続けているというのは、彼らがデップを信じているということだろう。

離婚条件決着後、ハードは、ロンドンに戻り、「ジャスティス・リーグ」撮影準備に専念しているとのことだ。最近も、彼女が、マーゴット・ロビーやカーラ・デルヴィーニュらと外出する姿が目撃されている。DCコミックのスーパーヒーローが勢ぞろいする「ジャスティス・リーグ」で、ハードはアクアマンの恋のお相手メラを演じる予定だ。主人公アクアマンに抜擢されたのは、無名俳優ジェイソン・モモア。「ジャスティス・リーグ」は来年11月、単独の映画「アクアマン」は2018年に北米公開される。

デップの次回作は、来年5月26日北米公開予定の「パイレーツ・オブ・カリビアン」最新作。今作にはハビエル・バルデムが新しく加わり、オーランド・ブルームが再び出演する。監督は「コン・ティキ」のヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリ。ロケはオーストラリアで行われ、撮影中、デップを訪ねたハードが、正しい許可書なく犬を連れてきたことで、裁判沙汰にもなった(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160526-00058083/)。デップはこの時、最後までハードの味方だったが、離婚争いが深刻化する中、もしも裁判になった場合、ハードの言うことの信憑性を疑う材料として、デップ側は、あの時、ハードがオーストラリア政府に対して嘘をついていたという証拠も突きつける準備でいたと報道されている。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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