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今度はアラニス・モリセット。過去にも多数いる、泥棒に狙われたセレブたち

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
金庫ごと200万ドル相当のジュエリーを盗まれたアラニス・モリセット夫妻(写真:ロイター/アフロ)

有名になって良いことは、お金を稼げたり、いろいろな物をもらえたりすること。悪いことは、みんながそれを知っていることだ。

高価な物をたくさん所有するセレブたちの家を狙った盗難事件は、これまでに数多く起こってきた。2008 年から2009年にかけて、10代の若者グループがパリス・ヒルトン、リンジー・ローハン、オーランド・ブルームらの家を立て続けに襲った“ブリングリング”事件は、ソフィア・コッポラ監督で映画にもなっている。彼らは逮捕されたが、昨年夏には、ケビン・ハート、クリス・ブラウン、ブラック・チャイナらの家が連続して被害に遭い、手口が似ていることから「新たなブリングリングが現れたか」と騒がれたりもした。

昨年10月には、キム・カーダシアンが、パリ滞在中、強盗に押し入られ、カニエ・ウエストからもらった400万ドルの婚約指輪、ロレックスの時計、カルティエのブレスレット、ジェイコブのダイヤモンドネックレスなど、1,000万ドル相当の高級品を奪われる被害に遭った。そして先週には、アラニス・モリセットが、L.A.の家で、200万ドル相当のジュエリーが入った金庫を丸ごと盗まれている。犯行時、モリセットは家におらず、無理やり侵入されたことから、家には破損が見られるという。

リアリティ番組のスターで、ソーシャルメディアに多数のフォロワーをもつカーダシアンの行動は、常に公に知られている。400万ドルの婚約指輪についてもインスタグラムに投稿していたことから、犯人に「あの指輪はどこだ」とまず聞かれたと、カーダシアンは述べている。モリセットも、ヴィンテージジュエリーを多数所有していることを、ソーシャルメディアでしばしば語っていた。

ソーシャルメディアの怖い反面を知ったカーダシアンは、事件後3ヶ月、ツイッターやインスタグラムから遠のいている。しかし、ソーシャルメディアを使わなければ狙われないというわけでもない。“ブリングリング”事件以後のセレブをめぐる盗難事件を挙げてみる。

ニッキー・ミナージュ2017年1月

L.A.の高級住宅街ブレントウッドにあるミナージュの豪邸に泥棒が入ったのは、先月末のこと。犯人は17万5,000ドル相当のジュエリーを盗んでいった。家具が倒れ、写真入りの額が割れ、物があちこちに散らばるなど、家がめちゃくちゃにされていたことから、個人的に恨みのある者の犯行ではないかとも思われている。このあたりはL.A.で最も安全な場所のひとつだが、先週被害に遭ったモリセットの家も、この近所である。

マイリー・サイラス2014年12月

サイラスの家が泥棒に入られたのは、これが3度目。犯人は22歳の男性で、サイラスの所有物を大量に盗んでいる。1度目は2013年で、10万ドル相当の私物を盗まれた。その7ヶ月後には19歳と21歳の男女のコンビがジュエリーとマセラティ・クアトロポルテを盗み、実刑判決を受けている。

パリス・ヒルトン2013年8月

“ブリングリング”たちに5回にわたって侵入され、現金、服、靴、ジュエリーなど200万ドル相当を盗まれたヒルトンは、2013年8月にも盗難未遂を経験している。ヒルトンが週末、自宅でパーティを開いている間、複数の若い女性が彼女の寝室に忍び込み、ヒルトンのブランドの新作バッグやビキニなどを盗んだのだ。だが、手柄品を外で広げているところをパーティの出席者に目撃され、バレーパーキングの係員が品物を取り戻した。事件の後、ヒルトンは、「私は泥棒に縁があるのよね」とツイートしている。

ジュリアン・ムーア2012年10月

「キャリー」(2013)の撮影でムーアがトロントに行っている間、何者かがニューヨークの自宅に侵入し、12万7,000ドル相当のジュエリーを盗んでいった。盗まれたジュエリーは10点で、そのうち7つはカルティエ。3万3,000ドルのテニスブレスレットも含まれる。ほかに、カルティエの時計4つも盗まれており、こちらの総額は7万7,800ドルだった。

ウィレム・デフォー2011年5月

イタリア人の妻をもつデフォーは、ローマにもペントハウスを所有している。夫妻が不在の時、犯人は、ロープと山登り用のギアを使って部屋に入り込み、3,000ドル相当の所有品を盗んだ。警報機が作動して警察が駆けつけたが、犯人はすでに逃げた後だった。

ケイト・モス2010年5月

モスがロンドンの自宅で寝ている間、何者かが忍び込み、総額14万ドル相当のアート3点を盗んで逃走。その中には、バンクシーによるモスのポートレイトも含まれる。モスはバンクシーのファンで、当時彼の作品の購入に相当なお金をつぎ込んでいたことは知られていた。事件からまもなく、24歳の男性が容疑者として逮捕されている。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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