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「歩きスマホ」は危険がいっぱい:中国四川省で排水溝に挟まった10代少女

佐藤仁学術研究員・著述家
(CEN)

中国四川省綿陽市で「歩きスマホ」をしていた10代の少女が道路の排水溝に挟まってしまった。「歩きスマホ」でスマートフォンの画面に夢中だったのだろう、足元の排水溝に気が付かずに歩いていて、挟まってしまったようだ。そして足の細い少女は自力で排水溝から上がることができず、周辺の歩行者らも彼女を助けようとしたが、排水溝から足は抜けなかった。結局、消防隊が駆けつけて排水溝のバーを外して45分後に少女は救出された。

「歩きスマホ」は日本だけでなく、世界中で問題になっている。もうどこに行っても誰でもスマートフォンの画面を見ながら歩いている。

今回、少女は命には問題はなかったが、世界各地で「歩きスマホ」での事故やトラブルは後を絶たない。インドではトラックにはねられて死亡するという事故もあった。そして日本と同様に道路や駅には「歩きスマホ」への注意喚起を促すポスターなどはあるが、「歩きスマホ」をしている人は一向に減らない。むしろ海外ではスマートフォンの普及とともに「歩きスマホ」をする人も増加している。

「歩きスマホ」をしている人は、みんな「自分は大丈夫」と思っているのだろう。いつ自分が事故の犠牲者になってしまうかはわからない。さらに自分の「歩きスマホ」で他人に迷惑、怪我をさせてしまい加害者になってしまうこともありうる。

そして自分が「歩きスマホ」をしていない時に、周囲で「歩きスマホ」をしている人がいて、歩行の迷惑になるとイライラしてしまう。「歩きスマホ」は本当に自己中心的な行動なのだ。「歩きスマホ」は命をかけてまですることではない。

中国では2014年9月に重慶市で、中国初の「歩きスマホ専用レーン」が設置されたと報じられたことがあった。また2015年6月にはアメリカのユタバレー大学の階段に「歩きスマホ専用レーン」設置のトライアルが行われた。これからは世界中で「歩きスマホ」専用の道路や通路の設置を本格的に検討した方がいいかもしれない。

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(Photo:CEN)

▼中国の重慶市に設置された「歩きスマホ専用レーン」(2014年9月)

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学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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