Facebook、国民の50%にあたる3,400万人が利用しているタイに事務所開設
Facebookは2015年9月にタイのバンコクに事務所を開設したことを、Chief Operating OfficerのSheryl Sandberg氏が同氏のFacebookで明らかにした。タイでの事務所開設は初めてとのこと。
タイでは毎月3,400万人のFacebook利用者がいる。タイの人口が約6,700万人だから、国民の半数がFacebookを利用していることになる。Facebook傘下のInstagram利用者は710万人である。以前からタイではFacebookが大人気だったが、スマートフォンの普及に伴って、利用者も増加している。
タイではLINEの人気も高く、LINEは2014年3月にタイに事務所を開設している。Facebookの利用者増に伴って同社が提供してるMessengerの利用者も増加しているのだろう、前までタイ人とのコミュニケーションはLINEを利用することが多かったが、最近はMessengerで送ってくることが多くなっている。
■テレビ見るよりもFacebook
東南アジアではソーシャルメディアの人気が高く、1日平均して2.35時間をFacebookを利用しており、テレビを見ている時間よりも1.5倍多いと報じられている。タイではソーシャルメディア全体の1日の平均利用が57.7分で、シンガポールの26.6分と比べると遥かに多い。
通学や通勤中の電車やバス、学校や会社でも常にスマートフォンでFacebookをチェックしているから、テレビを見るよりも遥かに多いのは納得できる。94%がモバイルでFacebookを利用しているタイではFacebookへの投稿が世界平均よりも3倍多い。たしかにタイではニュースや情報のほとんども、Facebookで友人や知人がシェアしたものを見ていることが多い。他にもタイ人は写真や動画の投稿も大好きだ。
■約300億円規模のタイのデジタル広告市場
Faceebookの収益の90%以上が広告収入である。このビジネス構造は当面変わらないだろう。
タイのThe Digital Advertising Associationによると、タイでのデジタル広告は2015年は62%増の98億バーツ(約300億円)になることが予想されている。そしてFacebookの広告収入のうち21%がローカル広告であり、2014年の13%から大きく伸びている。ローカルでの広告収入の占める割合は今後も増加してくるだろう。タイでは116万の中小企業がFacebookページを開設して、情報発信をしている。自社でホームページは持っていないがFacebookやTwitterで情報発信をしている中小企業は多い。またタイではネットショッピングへの誘導としてもFacebookは重要なメディアとなっている。
Facebookの広告収入の大きな地域は現在は北米と欧州であるが、利用者が急増しているアジアは同社にとっても非常に重要な地域であり、今後もローカルの広告収入増加に向けて積極的な営業を行っていく必要がある。