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Pepsi、中国でスマートフォン販売か:年間4億台以上出荷の競争激しい中国スマホ市場

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2015年10月12日、Pepsiが中国でスマートフォンを販売することが明らかにしたと報じられた。

数日前からPepsiが中国でスマートフォン「Pepsi P1」を販売するという噂が報じられ、その画像がリークされて世界中に拡散されていた。

(中国でリークされたPepsiのスマートフォン)
(中国でリークされたPepsiのスマートフォン)

数か月以内にPepsiは中国のみでスマートフォンとアクセサリーを販売する予定とロイターへのインタビューに回答している。Pepsi自身は携帯電話メーカーでないから、OEMでブランドを使用するライセンス供与を行うことになる。

■全世界のスマホ出荷の32%にあたる年間4億台以上スマホが販売される中国

中国では出荷される携帯電話の90%以上がスマートフォンだ。中国で2014年に1年間で販売されたスマートフォンは前年比 20%増の4億2,070万台である。全世界で出荷されたスマートフォンが約13億台だから、そのうち中国での出荷が占めるのは32.3%である。

高価でブランド力のあるiPhoneは見栄っ張りで新しいモノ好きの中国人に大人気である。他にもXiaomi(小米)、レノボ、Huaweiといった地元メーカーの端末も出荷台数は多い。他にも、サムスンなどグローバルメーカーが中国でスマートフォンを販売しているが、サムスンは2014年に大きくシェアを落としており、非常に競争が激しい市場である。

中国での2014年のスマホ出荷のメーカー別シェア(IDC発表を元に作成)
中国での2014年のスマホ出荷のメーカー別シェア(IDC発表を元に作成)

■Pepsiは「炭酸飲料」としてのブランドはあるが

まだPepsiから正式には具体的な販売時期、スペック、価格などは述べられていないが、リークされた時の価格は1,299元(約25,000円)と報じられていた。iPhoneのような高価な端末ではないが、ミドルエンドの価格帯で決して安価ではない。Pepsiのスマートフォンはいったい何が特徴で、いったい何ができるのだろうか。Pepsiは「炭酸飲料」としてのブランド力はある。米国インターブランド社による「世界ブランドランキング2015」でもPepsiはブランドランキング24位である(ライバルのコカコーラは3位)。しかし、炭酸飲料のPepsiとスマートフォンとイメージが結びつきにくい。中国でPepsiブランドのスマートフォンは果たして売れるのだろうか。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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