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eBookJapan、インドネシアで日本のマンガ販売「MangaMon」をオープン

佐藤仁学術研究員・著述家

マンガNo.1の電子書籍販売サイト「eBookJapan」を運営するイーブックイニシアティブジャパンは、2015年11月1日からインドネシアでマンガを中心とした電子書店「MangaMon」をオープンした。eBookJapanが日本国外でマンガ販売サイトを運営するのはインドネシアが初めてである。

インドネシア語に翻訳された日本のマンガ販売

「MangaMon」
「MangaMon」

「MangaMon」は、インドネシア国内最大手の総合メディア企業グループ「コンパス・グラメディアグループ」傘下のELEX社及びM&C社との提携によって開設された。インドネシア語に翻訳された日本のマンガを海賊版ではない正規のルートで届けていくというこれまでにないサービスである。

人口が2億5,000万人を超えるインドネシアでは日本のマンガ、アニメ、アイドルなどポップカルチャーが大人気である。「MangaMon」では日本でドラマ化が話題の『エンジェル・ハート』など、2015年11月9日時点で既に28タイトル200冊あり、これからも日本の大手出版社等と連携し、ラインナップを拡充していく。現地での決済手段として、クレジットカード、携帯電話経由、ネット銀行の他にもインドネシアのEC決済では欠かせないコンビニエンスストアとATM振り込みなど、リアルな決済可能な場所も10万カ所を超えている。ジャカルタでは至る所にコンビニやATMがあるため、これらの場所での支払いが可能なことは利用者にとっても非常に便利である。

日本発エンターテイメントのプラットフォームを目指して

インドネシア最大の出版社コンパス・グラメディアグループ傘下のELEXおよびm&c!をはじめ、Jurnal Otaku INDONESIA、KAORI Nusantaraといったポップカルチャー情報サイトの運営会社と協業している。さらには新聞・雑誌社やラジオ局といったメディア、各種出版事業者、大手ゲーム会社、芸能プロダクション、カフェチェーンといった企業体から、イベントオーガナイザーや大学のマンガ・アニメ同好会、有名コスプレイヤー、イラストレーター、ブロガーといった団体、個人まで、100を越える様々な現地エンタメマーケットプレイヤーとの協業を予定していく。

また日本ポップカルチャーの海外発信を得意とする企業を中心に、Tokyo Otaku Mode Inc. が運営する「Tokyo Otaku Mode」、オールブルーが運営するメディア「Tokyo Girls' Update」、イードが運営するメディア「アニメ!アニメ!」といった日本企業とも相互キャンペーンやコンテンツ連携を実施している。

また「MangaMon」ではインドネシアでマンガ販売だけでなく、新たな才能を発掘し、創作活動の場と機会を提供するためにマンガコンテストやコスプレコンテスト、キャラクターのイラストコンテストなど、さまざまなイベントを継続的に開催していく。

インドネシアは世界でも有数の親日国であり、若者たちの日本のポップカルチャーへの関心がとても強い。「MangaMon」がインドネシアでの新たな日本発エンターテイメントのプラットフォームの1つになることが期待される。

MangaMon

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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