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クリスマスの悲劇:米国サンディエゴで30代男性が崖から転落死:原因は「歩きスマホ」?

佐藤仁学術研究員・著述家

2015年12月25日、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴで海に面した約18メートルの崖からインディアナ州在住の33歳の男性が墜落して死亡するという悲劇的な事故が起きた。

■原因は「歩きスマホ」?

サンディエゴは太平洋に面しており、転落死した場所も夕陽の名所で多くの目撃者がいた。12月25日は「クリスマス・サンセット」だった。目撃者によると転落した男性はスマートフォンかデジカメのようなデバイスを触っていて崖から転落したとのこと。自殺や他人に突き落とされた事件ではなく、男性の不注意による転落だったようだ。「歩きスマホ」をしていたか、名物の夕陽を撮影していたようだ。撮影した夕陽をSNSにアップしようとしていたのかもしれない。

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■自己責任の国アメリカ

アメリカでは、このような崖などに「これ以上先に行かないように」といった「立ち入り禁止の柵」はない所が多い。「歩きスマホ」でスマートフォンの画面に集中していたり、カメラで夕陽を撮影していて足元を確認していなかったら、あっという間に崖の下に転落してしまう。日本だったら、そのような場所に柵がないということで、行政が責任を追及されそうなところだが、アメリカは「崖から落ちる本人の方が悪い」という自己責任の国だ。「歩きスマホ」をして崖から落ちるのは、本人の不注意で本人に責任があるのだ。

■いつまで続ける「歩きスマホ」

日本では東京などでは多くの駅ではホームドアなどが設置されつつあり、ホームから転落するようなことは少なくなった。しかし「歩きスマホ」は減っていない。ホームから転落する心配がないという安心感からなのだろうか。それでも「歩きスマホ」は多くの人に迷惑をかけている。

「歩きスマホ」で自分の命を落としてしまわないように気をつけたいものだ。そして「歩きスマホ」は自分が転落やぶつかったりして怪我をするだけでなく、相手にぶつかって相手を怪我させたりするという加害者にもなりかねない。もう良いことなんて何もない「歩きスマホ」はやめよう。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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