ザッカーバーグCEO「2030年にFacebook利用者を50億人に」:カギは中国だが「一寸先は闇」
Facebookは2016年2月4日にサービス開始から12周年を迎えた。そしてFacebookは毎年2月4日を「フレンズデー(友達の日)」として「友達とつながることの大切さを見つめなおす機会にする」とのこと。
2030年にはFacebook利用者を50億人に
FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は12周年記念イベントにおいて、Facebookの利用者を全世界で2030年に50億人にしたいと目標を掲げた。
2015年末で世界の人口が約70億人でFacebook利用者は15億9,000万人である。
Facebookでは新興国で現地通信事業者と提携して無料でネットにアクセスできる「Internet.org」を通じて、今までネットにアクセスしたことがなかった1,900万人が2015年に初めてネットにアクセスしたことを明らかにしており、世界中でFacebook利用者が増加している。
まさにFacebookが世界中の人のコミュニケーションのプラットフォームになりつつあり、初めてアクセスするインターネットが「モバイルでアクセスするFacebook」という人が新興国では非常に多い。新興国においてもFacebookは「用はなくとも、とりあえずアクセスするアプリ」になっている。
国連の推計によると2030年には世界の人口は85億人になる。そのうちFacebookの利用者は50億人の利用を目指している。
50億人達成のカギは中国
中国は世界一の人口で13億人以上存在している。その中国では現在でもFacebookが利用できない。他にもGoogleやLINEなども利用できない。中国でFacebookが利用できるようになれば、2030年までに50億人は達成することも可能だろう。中国でFacebookやGoogleなどにアクセスできないのは、明らかに政治的なものであり、これからアクセスできるようになるかどうかは全く不明である。
中国人自体、FacebookやメッセンジャーがなくともWeiboやWeChatなど中国に代替できるサービスがあるので中国にいる時は困っていない。ただ日本やアジア諸国、欧米などに留学や仕事で在住し、現地の人らとFacebookやLINE、Gmailなどでコミュニケーションをしている中国人は、中国に戻るとFacebookやLINEなどが利用できないので、不便な思いをする。そして日本人や欧米の人が中国人に合わせてWeChatを利用するかというと、中国人以外はなかなかWeChatを利用しない。WeChatよりも使い慣れたメッセンジャーを利用したいものである。
SNSは「一寸先は闇」
そして、現在15億9,000万人が世界で利用しているFacebookだが、果たして2030年になっても世界中で利用しているだろうか。Facebookに代わる新たなネットサービスが登場して、それを取って代わられているかもしれない。日本でもかつてSNSと言えば「ミクシィ」だったが、Facebookが登場してから「ミクシィ」を利用する人は激減した。
アメリカやアジアでは「Friendster」の人気もあったが、「Myspace」の登場で利用者が激減した。その「Myspace」もFacebookが登場してから利用者は激減した。いつまでもFacebookが安泰とは限らない。そもそもFacebookがなくても、生活に困る人は世界中でほとんどいない。SNSは「一寸先は闇」なのだ。