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「野球観戦中にスマホ」で元メジャーリーガーのニコースキーのツイッター「女性蔑視の誤解を招いて炎上」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

かつて日本の福岡ソフトバンクホークスでも活躍しており、現在はメジャーリーグの解説者をしているクリストファー・ニコースキーが自身のTwitterでのつぶやきがアメリカで炎上していた。

ニコースキーはスタジアムで野球観戦中にバッターのすぐ近くの席で、スマホをいじって下を見ている女性をピンク色でハイライトした写真を掲載した。そして「あなたの座っているシートはご両親が多額のお金で払ってくれたんでしょ(Your parents paid a lot of money for that seat...)」とつぶやいた。

(炎上の元になったCJ Nitkowskiのツイッター)
(炎上の元になったCJ Nitkowskiのツイッター)

女性蔑視と勘違いされて炎上

このニコースキーのつぶやきに、45万人以上のフォロワーをかかえる人気ブロガーのKeith Law氏が「どうしてチケットを両親が買ったと言えるのか」と反応すると、女性をピンク色にハイライトしているところなども捉えられて、女性蔑視ではないかなどと炎上した。ニコースキーは自身のブログで決してそのような意図がないことを主張した。

二コースキーは「私が言いたかったことはシンプルで、スマホばっかり見ていると、自分の目の前で起きているリアルな生活の多くを見過ごしてしまうよ、ということだけだ。それ以上でも以下でもない。他意はない(My intentions were simple, we look at our phones too much, myself included, and miss a lot of life that is happening right in front of us. I meant nothing more, nothing less. )」と反論した。

日常生活でもある誤解を招きやすい短文のメッセージ

ツイッターなどSNSでの発言での短文や写真は誤解を招きやすい。特に短文では自分の意図と違うように捉えられてしまい誤解を招くことがある。これは日常生活の中でもメッセンジャーのやり取りでもよくある。

特に日本語の場合は「書き言葉」は同じでも、違う捉え方をされることがある。

例えば、「今度〇〇に遊びに行こうよ」というメッセンジャーのやり取りで、A君が「B君はなんで行くの?」と書いた時、A君は「B君はどのような手段で行くの?電車?それともバス?」を意図して書いたとしても、受け取ったB君は「どうしてB君も一緒に行くんだよ・・」と受け取ってしまい、自分は仲間外れにされていると勘違いして疎外感を感じてしまうかもしれない。

このようなことは面と向かって話している会話では、このような受け取られ方はないだろう。実際の会話の中でのコンテクストから読み取れるからだ。しかしSNSやチャットなど「文字」だけのやり取りでは、誤解とトラブルを招きかねない。SNSでの短文による「思い違い」で傷ついてしまう人も多い。書いた方は「いじめ」なんて全く意図して書いてないだろうが、受け取った本人にとっては辛い気持ちになってしまうこともある。

ツイッターやLINE、InstagramなどのSNSでは「短い文章」で自分の考えを表現しなくてはならないことが多い。「短い文章」は誤解や思い違いによるミスコミュニケーションを招くことと、その影響力を知っておく必要がある。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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